スライド 1

山陽薬品様・研修会
09.2.13-14
福栄肥料
菩提
液体肥料概要
液体肥料の必要な場面
1.即効を期待する時
肥料切れ、成り疲れ、
2.特殊な栄養成分を補給したい時
N過多時、各種欠乏症の発生時、
メロン Mn欠乏
液体肥料の種類
1. 追肥用・灌水用液体肥料(以降液肥と称す)
・ 根からの吸収
・ 主に長期採りの果菜類
2.葉面散布剤
・ 茎・葉からの吸収
・ 果菜類、果樹
液肥:根から吸わせる
液肥処方の考え方
1.作物の生育段階毎に成分比を変えて品揃え
L型:栄養成長時期、8-4-4 など
山型:生殖成長時期、4-8-4 など
谷型:生長・生殖交互時期、2-0-7 など
2.肥料登録上、「有機入り」の表示は?
Nで0.2%入れば「有機入り」と表示OK
葉面散布も同様
3.有機を配合する狙い
・緩効でワンクッション置いた肥効を狙う
・品質向上を狙う:色、つや、味
・根張り、がっちりとした地上部の生育
4.展着剤は入れない。
・土壌施用のため、不必要。
きゅうりホモプシス根腐病
地上部の症状:萎凋症状がみられるほか、地際部が
水浸状に腐敗し、程度が激しい場合は枯死する。
顕微鏡写真:疑似微小菌核
菌侵入による腐れの発生
きゅうりホモプシス根腐病
地上部の症状:萎凋症状がみられるほか、地際部が
水浸状に腐敗し、程度が激しい場合は枯死する。
根の先端×100
根と土壌粒子
根の養分吸収
1.土壌溶液と共に蒸散流、根圧による吸収
2.根の塩基置換容量の差による作物間の差
キュウリはカブと比べCECが高く、2価のイオンを多く吸収して
いる。
3.生育期間の違いによる選択吸収(養分の競合)
4.土壌物理性の違いによる吸収差
5......
根のCEC
養液栽培全編 山崎 博友社
根からアミノ酸(グルタミン)を
吸収する様子
福島県農業総合センター
アミノ酸が地上部へ移行する
様子
(左からアラニン、グルタミン酸、グルタミン、
グリシン)
葉面散布:葉・茎から吸わせる
葉面散布の役割・場面
(根からの吸収が不十分な時の対処が主)
1. 土壌の塩基バランスが悪いときは欠乏症が発生し
やすい
カルシウム、マグネシウム、カリは互いに拮抗する。
2. 土壌のpHが極端な場合、
酸性化土壌ではモリブデン、マグネシウム、カルシ
ウムが不溶化し、
アルカリ性土壌ではホウ素、亜鉛、銅、マンガン、
鉄が不溶化する。
3. 土壌が乾燥しているときは土壌水分に溶け出てな
い。
4. 過湿、乾燥などによる根痛みがあるときは
根が水を吸えない。
5. 冬期の低温では、根が吸えない。
地温が14度以下では根の活動が鈍り肥料成分が吸収さ
れにくい。
6. 梅雨期・前後の降雨リーチィングや光合成低下が
起きる。
低温、日照不足、雨水による養分の溶脱が多い時期で、
(近年は酸性雨pH4)
特に果樹では、生理落果の時期と重なります。
7. 品質向上、特異成分を効かしたいとき。
葉面散布剤はなぜ効くのか?
驚くほど多い葉面や果実からの養分吸収
新茎葉
細根
果実
太根
古葉
古茎
古茎
古葉
太根
果実
細根
新茎葉
0
50
100
細根からの吸収を100とすると、太根は10、古茎33、古葉67、
果実71、新茎葉97である。
葉裏には気孔が1cm2当たり8万ある。上手な散布は細かい霧
を葉裏に付着させる。
葉面からの吸収
•
リン酸の吸収は遅い。
•
ミネラル類の吸収は早い。
•
作物により欠乏成分が異なる
のでその成分を対応する。
•
希釈液のpHは弱酸性の方が
尿素の吸収が良かったという
データがある。
•
アミノ酸は茎葉からも吸収され
る。
葉面散布の注意事項
• 散布後の降雨は流亡 → もう1回。
• 午後より午前
→ 葉の呼吸が盛ん。
• 適正温度は15-25℃
→ 30℃以上は倍に薄
める。
300倍基準では600倍
に。
•
葉の表と裏に。 → 葉からしたたり落ちる程度
古い葉より新しい葉
•
農薬との混用
•
希釈タンクは良く洗って。 → 薬害が生じる。
•
病害発生多発時には、防除をしっかりした上
で!
→ 高温多湿時、花カスでカビの温床
など
→ 混用可否を確認してから。
開発中の葉面液肥のご紹介
1. アミノ酸キレートCa剤
2. リン酸を含有するケイ酸液剤
アミノ酸キレートCa剤
カルシウムイオンをアミノ酸でキレートしました。
キレート力
生分解性
肥料効果
EDTA
◎
×
×
アミノ酸
○
◎
◎
成分%
T-N
N-N
CaO
5.0
1.0
3.2
使用法
500~1000倍希釈し、葉面散布する。
Ca資材
キレート構造
アミノ酸・カルシウム キレート
EDTA・カルシウム キレート
リン酸を含有するケイ酸液剤
特長
・ ケイ酸液肥にリン酸を配合することができました。
・ ケイ酸がリン酸の吸収を高め、葉を丈夫にします。
・ ホウ素の相乗効果で葉茎を強くし、耐候性が
増します。
成分%
T-N w-P w-K B2O3
4.0
5.0
9.0
0.05
SiO2
10.0
ケイ酸の植物に対する効果
・キュウリとタバコにケイ素を処理すると、
病害菌抵抗性を向上させる酵素群の活性が
増強された。
・キュウリへのケイ酸の施用はうどんこ病の軽減に
効果があり、罹病後の施用で 次の葉に発病しなく
なる現象も見られる。
・トマトはケイ酸吸収量が低い作物で、
生育生長の時には欠乏症状は出ないが、
花が着く時期からはケイ酸が必要になり、
欠乏すると生長点の伸長停止、 先端葉のねじれや
そね返り、黄化、褐変など異常症状が発する。
また、雄ずいの退化、花粉の粘性の低下で
開花しても受精結実せず、 果実の収穫量が激減する。
・ブルームレスキュウリはマンガン過剰害を 受けやすい。
そこでケイ酸を施用した。
新土佐はケイ酸を地上部まで吸収するが、
雲竜は根でケイ酸の吸収をブロックし、 マンガン過剰害程度
に違いが出ている。
芝根への散布効果(試験期間08.7/8-8/1
乾燥重量
1.45g
2.67g
1.64g
1.49g
夏期高温期)
キレート結合
イオン結合
-
-
2+
酢
酸
酢 ア
酸 ミ
ノ
酸
ア
ミ
ノ
酸
カルシウム
カルシウム