ミニ卒論事前発表 ~旧版地形図を用いた静岡県内 の溜め池マップの作成と 地盤リスクの 可視化~ 静岡大学教育学部総合科学専攻 30216015 寺本 洋次郎 はじめに 国土地理院の旧版地形図には、すでに 埋めたてられて市街地の一部となった 多数のため池が掲載されている。一般 にため池は軟弱な地盤が予想されるた め、地震動の増幅や液状化が懸念され ているが、そうした局所的な地盤の問 題の認知・対策は立ち遅れている。 研究目的 本研究は、旧版地形図に載せられた静 岡県内の平野部(とくに市街地となっ ている場所)の溜め池に注目し、それ らの分布を描いたマップを作成すると ともに、分布特性や現状の土地利用と 比較し、地盤災害リスクを明確にする ことを目的とする。 液状化とは 水を含んだ砂質地盤が、地震の際に液 体のように噴き出す現象。通称、流砂 現象、噴砂現象、クイックサンドとも いう。 地盤が支持力を失って建物が倒れたり、 砂まじりの水が地表に噴出したり、地 盤が亀裂・沈下したりすることもあり、 大きな被害となる危険性がある。 研究方法 ①静岡県統合基盤地理情報システムの旧版地 形図から、静岡県の平野部の溜め池を目視に よって抽出 ②それらをGoogleMap上にポリゴンとして 描くとともに、中心位置にマーカーを置いて、 その属性として溜め池の直径、地名(市町名 +字名)、現在の土地利用(宅地、学校、公 民館、公園などのキーワード)を入力する。 考察 溜め池の現存率、大きさなどの特徴 地理上の分布特性 現在の土地利用の実態 避難所指定の有無 etc… 地震動の表層地盤増幅率、津波浸水の予測、液 状化予測などの他の危険要素とも比較し、溜め 池だった土地のリスクを明らかにする。
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