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第12回 商事関係法
2005/11/14
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2015/10/1
前回の内容
• 手形抗弁(104~105頁)
• 善意取得と抗弁の切断
(106~107頁)
ビデオ
企業買収の脅威!防衛に走る企業
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2015/10/1
手形の債務者を救う切り札(108頁~)
考えてみよう!
約束手形を振り出したAさん。満期にA→B、B→C、
C→Dと裏書の連続がある手形を持ってきたDさんに
、何の疑問を感じず手形金を支払った。ところが、そ
の後、Bさんがやってきて言うには、「Cに手形を盗ま
れて、裏書を偽造された。Cは仲間のDにそれを裏
書で譲り渡した」とのこと。そして、「だから、手形金
は自分がもらうべきだ」と主張する。Aさんは、Bさん
に手形金を支払わなければならないのか。
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2015/10/1
考えてみよう!
振出人
受取人
所持人
盗取
偽造
裏書
A
B
C
D
無権利者
無権利者
支払呈示(支払請求)
支払い
裏書の連続。Dが無権利者でもAは免責される
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2015/10/1
善意・無重過失の意味(109頁)
善意取得
悪意・重過失
支払免責
悪意とは、無権利者であることを単に知っ
ているだけでなく、容易に証明して支払を拒
みうるにもかかわらず、故意に支払を拒ま
ないこと
重過失とは、容易に証明して支払を拒みう
るにもかかわらず、これを拒まなかったこと
について重過失があること
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満期前の支払(109頁)
振出人
所持人
満期前の支払呈示(支払請求)
満期前の支払
支払免責の効果は得られない!
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前が無効になっても後は有効(110頁~)
考えてみよう!
Cさんは、AさんがBさんに振り出した手形を、Bさんから
裏書により譲り受けた。満期になったので、Aさんに手形
金を支払うよう請求したところ、Aさんはそれを拒絶。そ
の理由は、「自分は実は未成年者で、手形を振り出すこ
とが許されていなかったので、振出しを取り消した。だか
ら、手形金を支払う義務はない」というものだった。そこ
で、CさんはBさんに遡及権を行使して支払を求めようと
考えたが、Bさんの裏書は、Aさんの振出しを前提とする
のだから、Aさんの振出しが無効になったら、Bさんの裏
書も無効になるのでは、と不安を覚えた。
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手形行為独立の原則
手形法第7条(手形行為独立の原則)
為替手形ニ手形債務ノ負担ニ付キ行為能力
ナキ者ノ署名、偽造ノ署名、仮設人ノ署名又
ハ其ノ他ノ事由ニ因リ為替手形ノ署名者若ハ
其ノ本人ニ義務ヲ負ハシムルコト能ハサル署
名アル場合ト雖モ他ノ署名者ノ債務ハ之ガ為
其ノ効力ヲ妨ゲラルルコトナシ
【手形行為能力→民四ー一四、八八】
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2015/10/1
未成年者の法律行為
民法第5条(未成年者の法律行為)
①未成年者が法律行為をするには、その法定代理人
の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、
又は義務を免れる法律行為については、この限りでな
い。
②前項の規定に反する法律行為は、取り消すことが
できる。
③第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を
定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内にお
いて、未成年者が自由に処分することができる。目的
を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同
様とする。
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未成年者の法律行為
未成年者
建物を100万円
で売る契約
取り消し
同意
法定代理人
親権者(父母)
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2015/10/1
考えてみよう!
振出人
所持人
裏書
取り消し
A
未成年者
B
C
手形行為独立の原則
遡及
AのBに対する振出が取消によって無効に
なっても、CはBに対して手形金の支払を
請求できる
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2015/10/1
遠隔地間の取引もスイスイ(112頁~)
考えてみよう!
甲国に住むAさんは、乙国に住むBさんから
商品を購入することを考えている。ただ、問題
なのはどうやって商品の代金を支払うか、と
いうこと。現金を乙国まで運ぶのは、不測のト
ラブルを考えると不安だ。何か良い方法はな
いだろうか。
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2015/10/1
会社は誰のものか?
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2015/10/1