商法Ⅰ - 道都大学 北海道北広島市の総合

第11回 商法Ⅰ
2006/06/28
前回の内容
• 手形抗弁
物的抗弁・人的抗弁
• 善意取得
• 人的抗弁の切断
復習 信じる者は救われる
善意取得
(手形法16条2項)
手形取引の安全
を保護する制度
人的抗弁の切断
(手形法17条本文)
復習 考えてみよう!
Bさんは、Aさんから振出を受けた約束手形を
Cに保管させた。しかし、Cはこの手形を勝手
にB名義でDさんに裏書譲渡し、Dさんはさら
にこれをEさんに裏書譲渡した。この場合、E
さんは、Aさんに対して手形金を請求できるの
か。
復習 考えてみよう!
振出人
受取人
保管
偽造
裏書
A
B
裏書
C
D
無権利者
無権利者
E
善意
無重過失
手形の債務者を救う切り札
約束手形を振り出したAさん。満期にA→B、B→C、
C→Dと裏書の連続がある手形を持ってきたDさんに
、何の疑問を感じず手形金を支払った。ところが、そ
の後、Bさんがやってきて言うには、「Cに手形を盗ま
れて、裏書を偽造された。Cは仲間のDにそれを裏
書で譲り渡した」とのこと。そして、「だから、手形金
は自分がもらうべきだ」と主張する。Aさんは、Bさん
に手形金を支払わなければならないのか。
考えてみよう!
振出人
受取人
所持人
盗取
偽造
裏書
A
B
C
D
無権利者
無権利者
支払呈示(支払請求)
支払い
裏書の連続。Dが無権利者でもAは免責される
支払免責
債務者が裏書の連続している手形の所持人
に、悪意・重過失なく支払った場合には、たと
え、その者が実質的には無権利者であったと
しても、債務者は免責されるという制度
多くの人の手に渡ることが予定
安心して支払うこと?
手形債務者を保護する制度
善意・無重過失の意味
善意取得
悪意・重過失
支払免責
悪意とは、無権利者であることを単に知っ
ているだけでなく、容易に証明して支払を拒
みうるにもかかわらず、故意に支払を拒ま
ないこと
重過失とは、容易に証明して支払を拒みう
るにもかかわらず、これを拒まなかったこと
について重過失があること
満期前の支払
振出人
所持人
満期前の支払呈示(支払請求)
満期前の支払
支払免責の効果は得られない!
考えてみよう
Cさんは、AさんがBさんに振り出した手形を、Bさん
から裏書により譲り受けた。満期になったので、Aさ
んに手形金を支払うよう請求したところ、Aさんはそ
れを拒絶。
振出人
裏書
A
B
C
満期により支払呈示(支払請求)
考えてみよう
その理由は、「自分は実は未成年者で、手形を振
り出すことが許されていなかったので、振出しを取
り消した。だから、手形金を支払う義務はない」と
いうものだった。
振出人
裏書
A
未成年者
B
C
前が無効になっても後は有効
CさんはBさんに遡及権を行使して支払を求めようと
考えたが、Bさんの裏書は、Aさんの振出しを前提と
するのだから、Aさんの振出しが無効になったら、Bさ
んの裏書も無効になるのでは、と不安を覚えた。
振出人
裏書
A
取り消し
未成年者
B
C
手形行為独立の原則
前が無効になっても後は有効
振出人
裏書
A
B
振出が無効
C
手形行為独立の原則
手形法第7条(手形行為独立の原則)
為替手形ニ手形債務ノ負担ニ付キ行為能
力ナキ者ノ署名、偽造ノ署名、仮設人ノ署
名又ハ其ノ他ノ事由ニ因リ為替手形ノ署名
者若ハ其ノ本人ニ義務ヲ負ハシムルコト能
ハサル署名アル場合ト雖モ他ノ署名者ノ債
務ハ之ガ為其ノ効力ヲ妨ゲラルルコトナシ
【手形行為能力→民四ー一四、八八】
前が無効になっても後は有効
CさんはBさんに遡及権を行使して支払を求めようと
考えたが、Bさんの裏書は、Aさんの振出しを前提と
するのだから、Aさんの振出しが無効になったら、Bさ
んの裏書も無効になるのでは、と不安を覚えた。
振出人
裏書
A
取り消し
未成年者
B
C
未成年者の法律行為
民法第5条(未成年者の法律行為)
①未成年者が法律行為をするには、その法定代
理人の同意を得なければならない。ただし、単に
権利を得、又は義務を免れる法律行為について
は、この限りでない。
②前項の規定に反する法律行為は、取り消すこと
ができる。
③第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目
的を定めて処分を許した財産は、その目的の範
囲内において、未成年者が自由に処分することが
できる。目的を定めないで処分を許した財産を処
分するときも、同様とする。
未成年者の法律行為
未成年者
建物を100万円
で売る契約
取り消し
同意
法定代理人
親権者(父母)
考えてみよう!
振出人
所持人
裏書
A
取り消し
未成年者
B
C
手形行為独立の原則
遡及
AのBに対する振出が取消によって無効に
なっても、CはBに対して手形金の支払を
請求できる