第10回 商法Ⅰ 2006/06/21 前回の内容 • • • • 文言証券性・厳格な要式証券性 白地手形 裏書 裏書の連続 手形要件の事例(振出日の未記載) 振出日!書いて ないけど? No.123 収入 約束手形 AB 株式会社池袋 12345 殿 印紙 之社 金額 ¥1,000,000※ 印長 支払期日 平成○年△月△日 支 払 地 東京都新宿区 支払場所 東京銀行新宿支店 上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と 引替えにお支払いいたします 平成○年○月○日 振出地 振出人 不渡り! 裏書人 手形所持人 住所 東京都新宿区 振出人 新宿商事株式会社 事株式 新宿商 代表取締役社會社印 長 新宿 之社 太郎 印長 金額白地の補充 Aさん 100万円の範囲で金 額を補充する約束 Bさん 白地手形 1000万円 白地手形 考えてみよう! Cさんの手元には、Aさんの署名のもとに振り出され た手形があり、満期は平成18年5月1日となっている 。手形の外観上は、何の問題もない。そこで、満期 にCさんは、Aさんのもとをたずねて、手形金を支払 うよう請求した。しかし、Aさんは、「こんな署名をした 覚えはない。これは偽造手形だよ」と支払を拒絶さ れた。こんなことが許されるのか。 考えてみよう! Aさん(振出人?) Cさん(所持人) No.123 収入 約束手形 AB 株式会社池袋 12345 殿 印紙 之社 金額 ¥1,000,000※ 印長 支払期日 平成○年△月△日 支 払 地 東京都新宿区 支払場所 東京銀行新宿支店 上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と 引替えにお支払いいたします 平成○年○月○日 振出地 住所 東京都新宿区 振出人 新宿商事株式会社 事株式 新宿商 代表取締役社會社印 長 新宿 之社 太郎 印長 支払を拒めることもある 手形抗弁とは 手形金の請求を受けた者が、手形金の支払 を拒むために請求者に対して主張できる一切 の事由をいう 物的抗弁 人的抗弁 物的抗弁 特定のもしくはすべての手形債務者が、すべ ての手形所持人に対して対抗できる抗弁のこ と 手形債務者 手形所持人 被請求者 請求者 考えてみよう! Cさんの手元には、Aさんの署名のもとに振り出され た手形があり、満期は平成18年5月1日となっている 。手形の外観上は、何の問題もない。そこで、満期 にCさんは、Aさんのもとをたずねて、手形金を支払 うよう請求した。しかし、Aさんは、「こんな署名をした 覚えはない。これは偽造手形だよ」と支払を拒絶さ れた。こんなことが許されるのか。 物的抗弁 ①特定の債務者のみ主張できるもの 手形債務の有効な成立を否定する抗弁 ②すべての債務者から主張できるもの 手形上の記載に基づく抗弁 物的抗弁 約束手形の手形要件 1 約束手形文句 2 支払約束手形文句 3 支払期日(満期) 4 手形金額 5 支払地 6 受取人の名前 7 振出日 8 振出地 9 振出人の署名(銀行に届け出た印鑑) 物的抗弁 手形要件の事例 振出日!書いて ないけど? No.123 収入 約束手形 AB 株式会社池袋 12345 殿 印紙 之社 金額 ¥1,000,000※ 印長 支払期日 平成○年△月△日 支 払 地 東京都新宿区 支払場所 東京銀行新宿支店 上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と 引替えにお支払いいたします 平成○年○月○日 振出地 振出人 不渡り! 裏書人 手形所持人 住所 東京都新宿区 振出人 新宿商事株式会社 事株式 新宿商 代表取締役社會社印 長 新宿 之社 太郎 印長 物的抗弁 絶対的記載事項を欠く場合 (ただし白地手形を除く) 振出人、受取人、満期、手形金額 手形要件の記載を欠けば・・・無効 欠けている要件の補充を将来行う権利 (白地補充権)が存在している 人的抗弁 特定のもしくはすべての手形債務者が、特定 の手形所持人に対してだけ対抗できる抗弁 のこと 手形債務者 手形所持人 被請求者 請求者 人的抗弁 ①特定の債務者からのみ主張できるもの 手形行為自体には瑕疵がなく、手形外の法 律関係に基づいて生じる抗弁 ②すべての債務者から主張できるもの その所持人が実質的にみて無権利である場 合 人的抗弁 約束手形がどんなものか理解したAさん、「 それなら、後は満期が来るのを待てばよい わけだ」と、その日を指折り数えて待ってい たところ、突然、買主が、「買った商品に、欠 陥があったので買うのをやめる」と言ってき た。この場合、手形はどうなるのだろうか。 人的抗弁① 無因証券性 原因関係 手形関係 原因関係が消滅しても手形関係に影響なし 人的抗弁○ 買主 原因関係 売主 振出人 手形関係 受取人 裏書人 所持人 No.123 収入 約束手形 AB 株式会社池袋 12345 殿 印紙 之社 金額 ¥1,000,000※ 印長 支払期日 平成○年△月△日 支 払 地 東京都新宿区 支払場所 東京銀行新宿支店 上記金額をあなたまたはあなたの指図人へこの約束手形と 引替えにお支払いいたします 平成○年○月○日 振出地 住所 東京都新宿区 振出人 新宿商事株式会社 事株式 新宿商 代表取締役社會社印 長 新宿 之社 太郎 印長 人的抗弁× 人的抗弁○ 知っていた 信じる者は救われる 善意取得 (手形法16条2項) 手形取引の安全 を保護する制度 人的抗弁の切断 (手形法17条本文) 考えてみよう! Bさんは、Aさんから振出を受けた約束手形を Cに保管させた。しかし、Cはこの手形を勝手 にB名義でDさんに裏書譲渡し、Dさんはさら にこれをEさんに裏書譲渡した。この場合、E さんは、Aさんに対して手形金を請求できるの か。 考えてみよう! 振出人 受取人 保管 偽造 裏書 A B 裏書 C D 無権利者 無権利者 E 善意 無重過失 人的抗弁の制限 手形の流通促進を図るため 手形法第17条 為替手形ニ依リ請求ヲ受ケタル者ハ振出人其ノ他 所持人ノ前者ニ対スル人的関係ニ基ク抗弁ヲ以テ 所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ 但シ所持人ガ其ノ債務者ヲ害スルコトヲ知リテ手形 ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
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