13 地球環境と資源問題 ー誰のための資源・環境保全かー 13.1 地球環境をめぐる諸問題 13.2 化石燃料をめぐる新たな動向 13.3 世界の食料問題 mohri r 1 13.0 地球環境と資源問題 ー誰のための資源・環境保全かー • 人類の生産活動:人間と自然との物質代謝 活動に起源.資源・環境による制約. • 産業革命以降の社会的生産力の拡大→格 差 • 天然資源・再生可能資源の不足の懸念 • 人為的要因による地球環境の悪化と取組み mohri r 2 13.1 地球環境をめぐる諸問題 a ストックホルムからリオデジャネイロまで • 1950-60年代 西側先進国で公害 深刻化 • 1972 ストックホルム 国連人間環境会議 「かけがい のない地球」 • UNEP(国連環境計画)設立 • 1977-78 国連水会議,国連砂漠会議,世界森林会議 • 1984「環境と開発に関する世界(ブルントラント)委員 会」の報告書「われら共有の未来」1987持続可能な開発 • 1979「長距離越境大気汚染条約」1985「オゾン層保護のた めのウィーン条約」 • 1992 リオデジャネイロ「環境と開発に関する国連 会議」(地球サミット) mohri r 3 13.1 地球環境をめぐる諸問題 b 地球環境破壊の多様性 • 地球温暖化:温室効果ガスの排出など →海面上昇による水害,農業生産への影響,野生生物種の絶滅,伝染病 や熱波の増加 • フロンガス放出→オゾン層破壊→健康被害や農作物の収穫 減少,プランクトン減少 • 化石燃料→硫黄酸化物・窒素酸化物放出 • 森林の減少と砂漠化 • 1992リオデジャネイロ宣言 気候変動条約,生物多 様性条約 • 途上国と先進国の対立 mohri r 4 13.1 地球環境をめぐる諸問題 c 地球温暖化に対する国際的取組 • 1988気候変動に関する政府間パネル IPCC 1992 気候変動枠組み条約→温室効果ガスの削減目標の設定 • 1997京都議定書90年水準から全体で5%削減.日本6%,EU 8%,米7% ♪柔軟性措置:①先進国間での排出量取引,②国際共同プログラム による共同実施,③南北間協力によるクリーン開発メカニズム ♪2002/03 アメリカの離脱 ブッシュ政権のエネルギー部 門,産業界利益の優先 ♪ロシア署名→締約国数 • 2002 国連ヨハネスブルグ・サミット mohri r 5 13.2 化石燃料をめぐる新たな動向 a 成長の限界? • 1972 ローマクラブ『成長の限界』 • 加速度的経済成長+人口増加→資源枯渇+環境汚染→ 工業化終焉→生活環境悪化+食料不足→人類の破局 • 化石燃料の残存資源量=確認埋蔵量+追加資源量 • 中期的には,化石燃料をめぐる政治経済情勢が重要 mohri r 6 13.2 化石燃料をめぐる新たな動向 b 化石燃料の政治経済学 • 資源ナショナリズムの動き • 1960 石油輸出国機構(OPEC)成立 • 1973 第1次石油危機 原油価格4倍化 • 1979 第2次石油危機←イラン革命 • 省エネ・省石油+非OPEC石油生産+代替エ ネ開発→OPECの影響力低下 • 石油メジャーのM&Aによる生き残り競争 mohri r 7 13.2 化石燃料をめぐる新たな動向 c 化石燃料依存を超えて • 地球温暖化と大気汚染の防止 • 脱原子力エネルギーの潮流:米英仏日を除く ①原子力自体の危険性, ②効率性への疑問:放射性廃棄物・廃炉の処理費 ③ウラン鉱石の有限性 • 自然エネ:風力,太陽光,地熱,バイオマス • 公的部門の果たす役割 mohri r 8 13.3 世界の食料問題 a 人口増加と食料生産 • 世界総人口:1960年30億人,00年60億人 • ロバート・マルサス『人口論』1798 人口は幾何級数的に増加する のに対し,食糧は算術級数的にしか増加しないと主張.そして両者を均 衡に導く要因として,死亡率に関する積極的抑制(悪徳;viceと窮困; misery)と出生率に予防的抑制を挙げた . ・「リカードの罠」:土地資源の制約が近代産業の持続的成長を挫折 させ,停滞の罠に陥れてしまう. →リカードの解決策:穀物輸入の自由化(産業資本家の利益) →途上国の解決策:農業の技術進歩,食料の生産性の向上 ・緑の革命:多投入・高収量品種の導入→種子・肥料・農薬 主要穀物輸出国は,米,加,豪,南米,EU; 中? mohri r 9 13.3 世界の食料問題 b 食料資源の偏在 • • • • 食料資源は先進国に集中. 穀物消費の2/3が飼料向け 均等配分できれば飢餓問題は解消する 栄養不良人口:肥満・太りすぎ 中国15%,ブラジル3 1%,コロンビア43%←欧米型の食習慣 mohri r 10 13.3 世界の食料問題 c アグリビジネスによる食料支配 • 農業関連多国籍企業=多国籍アグリビジネス • 穀物メジャー:カーギル,ドレフェスなど;ADM,コナグラ新 農産物貿易や種子・飼料・食品製造,その他運輸 穀物流通と関連部門のインテグレーション(統合) • 食品企業:ネスレ 乳製品,コーヒー飲料,加工食品 マグドナルド:ファスト・フード方式で世界の食生活を変える • バイオメジャーによる遺伝子組換え:モンサント,シンジェ ンダ,デュポン • ブラジル・アマゾン原生林の破壊とグローバリゼーション mohri r 11
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