環境都市計画2-3 環境都市論 北村眞一 目次 環境都市論 1.環境の思想 2.エコ・シティ 3.まとめ 2 1.環境の思想 3 環境思想の分類 テクノ中心主義 エコ中心主義 ディープ・ エコロジスト 自頼心 ソフトテ クノロジー 順応型 環境主義者 コルヌ コピアン T.O’Riordan, 1981, Environmentalism,Pion London (オリオーダン、環境主義) 宇都宮深志、環境理念と管理の研究、東海大学出版会*(* 文献1) 4 1)コルヌコピアン(豊饒の角) ・進歩は科学、テクノロジー及び管理の 結果であり、コミットメントと政治的 支持があれば、克服できない様な障害 物は無いと信じる。 ・環境問題は科学とテクノロジーと人間 の知恵で解決できる。 (持続可能な開発、アメニティ) (出典:文献1) 5 2)順応型環境主義者 ・再配分や環境保護に多少妥協しなけれ ばならないことを認める一方では、ラ ジカルな改革には反対であり、インク リメンタル(漸変的)に対応する。 ・エコ中心主義者の要求に順応すること により妥協をはかる。 (国、自治体、国連) (出典:文献1) 6 3)エコ中心主義 (ディープ・エコロジスト、自頼心ソフトテクノロジー) ・地球の有限を信じ、技術的過信から離れて、生態学 的過程との調和に対し、よりつつましく、人間的な アプローチと地球との真の一体の方向に基本的な態 度の変化なしには、生息可能な未来は可能でないこ とを受け入れる。 ・人間以外のすべての生物などにもそれ自身の生存権 を主張する。 .(ガイア仮説、環境の持続性) (出典:文献1) 7 4)環境思想まとめ 1)人為による環境への影響はある。 2)影響は地域から地球環境へ及ぶ。 3)テクノ中心主義からエコ中心主義 環境へ環境イデオロギーがあり、行 動している。 4)自然と人間の認識は2種に分ける。 3)と関連 8 2.エコ・シティ 9 1)メドウズ他 成長の限界 限界を超えて 1972-1992 ・地球の資源は限界がある。 ・成長を管理し、持続可能な生態的・経 済的安定状態を確立することは不可能 でない。 ・あらゆる人々の基本的物的ニーズを満 たし、すべての個人の潜在的可能性に 機会が平等に与えられ、均衡状態も設 計可能である。 出典:限界を超えて、ダイヤモンド社1992 10 天然資源 人口と寿命 環境 農業 土地 食糧 工業 商業 世界モデル 出典:成長の限界、 ダイヤモンド社1972 課題:資源枯渇,伝染病,気候変動の組み込み 11 スタン ダード・ ラン 従来通り に成長し て限界に 来る 出典:限界を超えて、 ダイヤモンド社1992 12 シナリオ2 2倍の資源 を使い続け ていく 出典:限界を超えて、 ダイヤモンド社1992 13 2)アン・W・スパーン1984 ・都市は「非自然的な」なものでというわけでなく、 ちょうど食糧や材木の生産のために農地や森に手を 加え、管理するのと同じように、人類が自分たちの 必要性から「野生」の自然を改変したものだ。。。 人類の欲望によって引き起こされる環境問題は、最 古の都市の出現と同じぐらい古い数千年の歴史をも つ。 ・都市は自然である→都市のエコシステム解明 出典:アン・W・スパーン1984、アーバンエコシステム、公害対策技術同友会 14 3)アーバンエコシステム アン・W・スパーン 自然と共生する都市 1984 15 4)品田穣1992文明の生態学 1)文明化(機械道具で効率便利化) ・食料入手の効率化:家畜・耕作→農耕 ・食品の多様化:数百種 ・家庭用道具や刃物の効率化・便利化 2)文明の行きすぎの証拠 ・分散・流出(都市・行動の拡大) ・総合性回復(エコアップ) ・自然保護・回復運動 出典:品田穣1992、文明の生態学、海游社 16 5)エコポリスのまとめ(内 藤) 近年のエコポリスの一般的特徴 ・環境負荷の低減 ・適正なメタボリズム ・資源利用の適正化 ・自然との共生、保全 ・豊かなアメニティ ・アイデンティティ (出典:内藤正明1992、エコトピア、日刊工業新聞) 17 6)持続する都市 ライトマン 1999 1)1人あたりのエコロジカルな影響が少ないか減少させて いる都市 2)1人あたりの富を減少させず生み出している都市 3)日との健康の危険性を減少させ、汚染を最小化し、再生 可能な資源を最大限に利用している創造的な都市 持続する都市ー都市デザインにおける環境計画の運用 Leitmann,J(1999) Sustaining Cities - Environmental Planning Management in Urban Design, McGraw-Hill (出典:海道清信2001、コンパクトシティ、学芸出版) 18 7)持続可能な経済発展 宇沢弘文 ・経済発展が持続可能であるというのは、 自然環境の状態が年々一定水準に保た れ、自然資源の利用は一定のパターン のもとに行われ、しかも、消費、生活 のパターンが動学的な観点から見て最 適、かつ世代間を通じて公平な経路を 形成している時であると定義される。 (出典:宇沢弘文2000、社会的共通資本、岩波新書) 19 3.まとめ 20 文明論と環境論 ・文明は農耕・都市の発達から始まる ・人間の側から見ると文明の発達, 地球側から見ると環境破壊 環境 文化 文明 = 都市 21 文明の盛衰と環境都市 1)西洋都市の発達 自然制約の克服から,技術と都市社会の発達へ 2)文明の興亡と環境 気候変動など自然要因,モラル低下・指導層欠 如など社会要因により文明は興亡し,刺激が対 応を促すことで発達する 3)倫理:科学と自然生態系どちらを信頼するか 4)資源消費・環境負荷の少ない都市へ移行は可 能かー文明の発展を止める実験 22
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