ピロリ菌 除菌療法について 福山市立病院 内科 山陽病院 内科 辰川匡史 2013年2月 胃腸の病気というと… 胃潰瘍(かいよう) 十二指腸潰瘍 従来、ストレスや喫煙などが原因とされていた。 最近になり、潰瘍の原因として、細菌が関わっ ていることが明らかになってきました。 ピロリ菌 (Helicobacter Pyroli) 1983年に発見(J. Robin Warren,Barry J. Marshall) 胃の中に住んでいる 胃の中には胃酸=強力な塩酸があり、他の細 菌は生きられない。 ピロリ菌=アルカリで中和 Marshall BJ et al: Lancet p1273, 1983 ピロリ菌による影響 胃の中にピロリ菌がいると… • 潰瘍になりやすい • (潰瘍の患者さんの8-9割はピロリ陽性) • 萎縮性胃炎=胃の老化を引き起こす • 胃癌にもなりやすい x5倍 ピロリ菌の感染経路 • 感染経路=経口感染(井戸水などから) • 子供のときに感染し、そのまま成人する場合 が多い。 • 衛生環境が改善(上水道の普及)により感染 率は 年々減っている。 70代の方 = 8割の人が感染 50代の方 = 5割の人が感染 20代の方 = 3割の人が感染 ピロリ菌が居る―ではどうすれば? •除菌治療 =菌を体の中から除去する 除菌療法とは? 一週間内服薬を飲む。 朝、夕の一日2回 (3種類の薬。一回に6錠) • アモキシシリン (抗生物質) • クラリスロマイシン(抗生物質) • PPI (胃潰瘍の薬) 除菌の成功率は平均で80%です。 注意点 のみ忘れないこと! (除菌の成功率が下がる) 喫煙に注意! (除菌中の喫煙は成功率が下がります) 副作用: • • • • 下痢 (ひどい場合は下血) 薬に対するアレルギー→皮膚症状 口内炎→食べ物の味が普段と違うと感じる 難聴、耳鳴、めまい (まれ)、肝障害など 除菌の確認 • 除菌治療後、多くの場合ピロリ菌は胃の中か ら見えなくなります。 • 二、三ヶ月後以降、除菌に失敗した場合はピ ロリ菌が出てきます。 • しかし本当にピロリ菌が胃から排除されたか どうか確認する必要があります。 – UBT – 便中抗原 – 胃カメラ 除菌に失敗した場合 二次除菌 • タケプロン • (もしくはパリエット・オメプラール) • サワシリン • フラジール 同じく一週間、朝 夕
© Copyright 2024 ExpyDoc