H.ピロリ菌除菌療法について ●ピロリ菌とは? 「ヘリコバクターピロリ」(ピロリ菌)は、胃 の中に住む細菌です。最近、胃潰瘍や 十二指腸潰瘍などの発生に深くかかわっ ていることがわかってきており、再発を繰 り返している胃・十二指腸潰瘍にはピロリ 菌を除菌することが有効だと言われてい ます。 ●だれでもピロリ菌の除菌ができる の? 最近1~2年間に胃カメラ検査を行った方で 胃潰瘍があるか胃潰瘍の跡があり、ピロリ菌 が見つかった場合、保険適応になります。 ●どのような治療をするのです か? 1日2回、1週間お薬を服用して胃の中のピロ リ菌を退治します。これをピロリ菌の除菌 療法と呼んでいます。 ●除菌をしたら100%ピロリ 菌がいなくなるのですか? かなり高い確率で除菌できます。臨床研究 の結果、約85%前後の患者さんがピロリ 菌の除菌に成功しています。1回で除菌がで きなかった場合は、もう一度除菌する場合が あります。 ●除菌をするとどうなるのです か? 潰瘍の再発がほぼなくなります。また、 ピロリ菌のいない胃からは胃癌にならな いことが分かってきています。 ●どのような検査をするの? ●除菌にかかる費用はどれくらい? 液体のお薬を飲んだ後に、しばらく横になり呼気 を集め、呼気中成分を機械で調べてピロリ菌の 存在を確認するだけの簡単な検査(尿素呼気 テスト)です。 但し、検査の数時間前からは食事 をとってはいけないなどの注意があるので予約 が必要です。 1回の除菌治療にかかる費用は、3割負担の患 者さんで約6000円前後です。(検査や薬剤 などすべて含めて)また、この除菌で成功した場 合、胃薬を飲む必要がほとんどなくなるため、経 済的にも負担が減ると思われます。 ●どのようなお薬を飲むのですか? 胃酸を止めるお薬1種類と、ピロリ菌を直接殺 してしまう抗生物質2種類を同時に服用して頂き ます。また、お薬の作用で軟便や下痢を起こす可 能性があるため整腸剤も同時に処方されることが あります。 ●除菌後、胃薬は飲まなくていいの? 長年、胃薬を手放せない患者さんは大勢います。 ピロリ菌除菌後は潰瘍の再発がほとんどなくなる ため、胃薬も必要なくなる事がほとんどです。(但 し、個人差はありますので100%お薬を飲まなく ても済むとは限りません。また、完全に除菌でき なかった場合は、引き続き胃薬が必要になること があります。) ●どのような副作用がありますか? 主な副作用としては、味覚異常(苦味など)、 軟便・下痢があります。これらの副作用はとて も軽く、お薬が飲み終わった後はすぐに元に戻り ます。(まれに、発疹、ひどい下痢が起こることが ありますが、このようなことが起こった場合はすぐ に受診してください。)また、除菌後に逆流性食 道炎を起こすこともありますが、発生頻度は1~ 2%程度です。 ませ調剤薬局 2003.10
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