持続可能な社会をめざす環 境教育 西村仁志(同志社大学+環境共育事務所カラーズ) 西村仁志の自己紹介 環境共育事務所カラーズ代表・同志社大学政策学部准教授 • • • • • • 1963年京都生まれ(46歳) 1986年同志社大学卒業後、京都YMCAに就職。(青少年教 育) 1993年、退職。個人事務所「環境共育事務所カラーズ」を開 業。(環境教育、市民活動) NPO関係(NPO法人「環境市民」理事、公益社団法人日本 環境教育フォーラム理事) 2006年10月、同志社大学大学院総合政策科学研究科教員 として着任(5年任期)。現在は政策学部に所属。主に大学 院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーション研究コー スを担当。 専門領域は環境教育、青少年教育、ソーシャル・イノベーシ ョンです。 地球環境問題の解決、持続可能な社会の実 現のためには? ①国・自治体の法律・条例の制定? ②環境技術の開発と普及? ③人々の意識、行動の変化? ①も②も、③があって可能になります。 ③に働きかけるのが「環境教育」です。 いろいろな環境教育 • • • • • テーマ(自然系、生活系、地球環境系…) フィールド(都市公園、里山、森林、水辺、商店街、 まち… 実施主体(学校、企業、行政、市民活動団体… 属性や年代(幼児、小学生、中高生、大学生・青年、 働く世代、育児世代、中高年…) 手法(映像作品、出版物、イベント、講演、ディスカッ ション、演劇、体験学習、ツアー、ワークショップ…) 個人 自然 生活・暮らし 社会 自 然 体 験 い の ち の つ な が り の 実 感 生 活 体 験 環 境 調 和 型 ラ イ フ ス タイ ル グ リ | ン コ ン シ ュ | マ | 地 域 と つ な が る 体 験 ま ち づく り シ ティ ズ ン シ ッ プ の 育 成 市 民 参 加 ・参 画 社 会 変 革 ‖ 持 続 可 能 な 社 会 へ 西村仁志 2007 自然 自然系環境教育 地球系環境教育 地球規模 地域 生活系環境教育 総合系環境教育 環境まちづくり 企業の社会的責任(CSR) 総合的な学習の時間 阿部治による 社会 環境教育のあゆみ:第1段階 • • • 1970-80年代 環境問題の解決と未然防止に向けた教 育 日本においてはこれ以前から「自然保 護教育」「公害教育」の展開があった。 ベオグラード憲章 (1975、国際環境教育会議) 環境とそれに関わる問題に気づき、関心を持つととも に、当面する問題を解決したり、新しい問題の発生を 未然に防止するために個人及び社会集団として必要 な知識、技能、態度、意欲、実行力等を身につけた 人々を育てること。 環境教育のあゆみ:第2段階 • • • 1980-90年代前半 一人ひとりの意識と行動の変革を促し、 生活様式(ライフスタイル)の変革を 導く教育 → 個人のイノベーション 環境教育のあゆみ:第3段階 • • • 90年代後半 大量生産・大量消費・大量廃棄型の社 会から、持続可能な社会への変革に向 けて、一人ひとりの意識、態度・価値 観、そして行動の変革を導く教育。 (「持続可能な社会の実現に向けた教 育」) → 社会のイノベーション テサロニキ宣言 (1997、環境と社会に関する国際会議) 持続可能性は環境だけでなく、貧困、人口、健康、食 料、民主主義、人権、平和といった諸課題をも含んで いる 環境教育を環境と持続可能性に向けた教育と表現し てもよい 環境教育のあゆみ:第4段階 • 2002年以降「E.S.D.=Education for Sustainable Development」 • “よりよい未来”をつくるために環境・ 人権・平和・ジェンダー・国際協力・ 多文化共生・福祉など様々なテーマに 取り組む教育活動をつなぐ重要性の認 識(広義の環境教育) 持続不可能な社会 • • • • • • • 海洋環境の危機 生物多様性の危機 砂漠化の進行 ひろがる南北間格差→不安定な世界情勢 大気汚染と酸性雨 戦争と軍事兵器 地球温暖化(気候変動・海面上昇) 持続可能な社会にむけて 便利さをもとめるライフスタイル 既得権益と利潤を追求する社会経済システム 大量生産・大量消費・大量廃棄=持続不可能 Sustainability=持続可能性 持続可能な地球環境(生命系) 持続可能な人類社会 持続可能な社会ー3つの視点 • • • 自 然:生態学的持続性 社 会:社会・文化・経済的持続性 人 間:精神・健康的持続性 阿部治による 持続可能な社会ー3つの「公正」 • 人と人との関係 • • • 世代内の公正(世界の貧富の格差是正) 世代間の公正(次世代にツケを負わせない) 人と自然との関係 • 人間と人間以外の生物・無生物との間の公正=種間公正 阿部治による 未来の社会に向けた人類全体の課題 (井上有一,2009) • • • ①環境持続性の保持 ②社会的公正の保障 ③存在の豊かさの実現 「地球に住むひとりひとりの人間すべてが、生 活を破壊されることなく、満足して幸福に生 きていけることの達成」 E.S.D. Education for Sustainable Development “持続可能な開発のための教育” ・持続可能性に向けての教育 ・持続可能な社会に向けての教育 環境教育とESD 持続可能な社会をめざす環境教育の特徴 ジェンダー教育 開発教育 多文化共生教育 福祉教育 平和教育 人権教育 環境教育 ○○教育 価値観…人間への尊厳、自然への畏敬、多様性、共生など 学習方法…参加型学習、合意形成、対話など 育む力…多面的な見方、コミュニケーション、参加、つなぐ力など ESD-J,2003 ご清聴ありがとうございました 西村仁志 環境共育事務所カラーズ http://www.colorsjapan.com [email protected] 同志社大学大学院総合政策科学研究科 http://hnishimu.doshisha.ac.jp [email protected]
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