「環境教育は中立的ではなくイデオロギーに基づくものである。それは政治

「環境教育概論」講義まとめ
西村仁志
「環境教育概論」資料置き場
http://www.yosemite.jp/shudoee/
環境教育のシナリオ(西村)
生活・暮らし
個人
社会
自然
自
然
体
験
い
の
ち
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つ
な
が
り
の
実
感
生
活
体
験
環
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調
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型
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グ
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地
域
と
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プ
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成
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家庭内
社会で
社
会
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南
北
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視
点
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ン
自然
自然系環境教育
地球系環境教育
地球規模
地域
生活系環境教育
総合系環境教育
環境まちづくり
企業の社会的責任(CSR)
総合的な学習の時間
阿部治による
社会
環境教育は
• 環境教育は知識としての理解にとどまらず、
「持続可能な社会」を実現するために「参加と
行動」を求めています。
• 問題に実際にアプローチして、その構造を理解
し、解決に向けたアクションに身を投じていくこ
とがもとめられています。
環境教育は
• 「Environmental Education」
• 環境問題の解決を担う教育として登場した環
境教育であるが…たんに問題解決の手段とし
ての教育をさすだけではなく、それ以前にはな
んの接頭辞もなしにEducation、教育と呼ばれ
てきた事象にたいして、根本的な異議申し立て
を表明したもの」(原子栄一郎,1998)
20世紀
21世紀
社会の
パラダイム
産業の時代
環境の時代
教育の
パラダイム
産業教育
環境教育
環境教育は
• 「環境」と「教育」、両方のあり方を見直すこと
• 「環境問題を解決し、持続可能な社会を実現す
る」
• 「教育のあり方を環境的にすすめることを通し
て豊かな人間性・主体性を育むこと」2つの目
的の双方を満たすものでなければならない。
(降旗信一、2009)
日本環境教育学会編
『東日本大震災後の環境教育』
東洋館出版社 2013.3
2011.3.11後の環境教育
• 「環境教育にたずさわる私たちに、東日本大震災
が与えた課題は多く、いずれも極めて重い」→環
境教育の真価が問われている
• 環境教育は災害からの再生・復興に力を発揮す
るだけではなく、災害という緊急事態に即応する
力を有している。
• 福島原発事故が、差別・分断・数値による選別と
いう、まさに水俣病が辿った状況と極めて酷似。
• 放射能汚染地域においては、自然体験活動が制
限→環境教育の存立基盤すら危うい。
(阿部治会長による「まえがき」)
井上有一・今村光章編
『環境教育学:社会的公正と存
在の豊かさを求めて』
法律文化社 2012.4
<環境教育>と環境教育
• これまで環境教育だと思われて実践されてき
た取り組みの多くを統一して<環境教育>とカ
ギ括弧つきで記述
• きわめて不十分な段階にとどまっていたのでは
ないか
• 根底から見直され、新たな発想や価値に基づく
ものになる必要があるのではないか
エコロジカルな未来を実現する
3つの課題(井上有一)
• 「環境持続性」:人間の活動が環境の限界を超
えない社会
• 「社会的公正」:差別や抑圧がなく、人間が人
間として正当に扱われる社会
• 「存在の豊かさ」:生きることの豊かさ
(環境教育の目的はかならずしも自然の保護や環境の
保全にとどまるものではない)
• 環境教育の「脱政治化」「脱社会化」の
流れ
• 「家庭の心がけ」路線の推進(節電、省
資源、ごみ減らし…)
• 「社会の構造とわたしたち自身の価値観
という深い根源的なところに批判的な目
を向けていきたい」
「環境教育は中立的ではなくイデオロギーに
基づくものである。それは政治的行為なの
である。」
(NGOオルタナティブ条約:リオ会議1992)
ご清聴ありがとうございました
西村仁志
広島修道大学人間環境学部
[email protected]