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東京高裁判決(2012.4.28)の判決要旨
新薬事法36条の5が、店舗販売業者が行う第1類・第2類医薬品の郵
便等販売を一律に禁止することまでを委任したものと認めることは
できない。
本件規制の根拠となる委任の規定を新薬事法の条項中に見出すこと
ができない。
省令での本件各規定は、新薬事法の委任の趣旨の範囲を逸脱した違
法な規定。
国家行政組織法12条3項(法律の委任によらないで、国民の権利を
省令で制限することを禁止)に違反し、無効
控訴人らが第1類・第2類医薬品につき郵便等販売をすることができる
権利(地位)の確認を求める請求を認容する
参考:その他の指摘事項(抜粋)
◆改正薬事法の趣旨と解釈
「法の趣旨からすれば、一般用医薬品の販売の在り方は同時に、購入者の選択を前
提とする幅広い情報提供の方法が考えられるよう規定文言も解釈されるべきであ
り、
前記のとおり、新薬事法36条の6第1項が電磁的方法による情報提供を規定上禁止
しているものではないと解されることから、購入者の選択を前提とする適切な情報提
供の方法のあり方ないしその選択を制限するような解釈は相当ではない」
◆規制の合理性の不備
「郵便等販売の実態や販売等方法により生じた副作用についての実態把握や検証
がないか不十分な状況が認められる本件においては、店舗販売業者に対して、一律
に第1類・第2類医薬品の郵便等販売を禁止する省令による本件規制の合理性が裏
付けられているとも言い難い。」
◆規制の整合性の不備
「配置販売業者については法改正に当たって事業者や購入者への配慮がされてい
るものであるが、これに対し、インターネット販売業者に対しては、被控訴人の主張を
前提とすると、その配慮を排除したことになるのであって、新薬事法全体の解釈とし
ては、ややバランスを欠くという評価もできる。」