土木計画学 第7回(11月16日) 計画における予測1 担当:榊原 弘之 次回,パソコン持参のこと 本日の内容 計画における予測 1 ・変動の予測方法について説明する. ・二項分布,ポアソン分布, 指数分布による不確定事象のモデル化について 説明する Key Words: ベルヌーイ試行,二項分布, ポアソン分布,指数分布 ベルヌーイ試行(Bernoulli Trial ) 一定の確率 p で事象が発生する確率を多数回独立に実施 n 回試行したとき,x回事象が発生,(n - x)回非発生となる 確率 p (1 p) x n x n 回中,x回事象が発生するパターンの数 n! n Cx x!( n x )! p( x) n Cx p x (1 p) n x 二項分布 (binomial distribution) または n x p( x) p (1 p) n x x 例 ある河川において,年最大洪水流量が設計上の最大流量 を超過する確率を0.1とする.この現象をベルヌーイ試行 としてみた場合,今後5年間に年最大流量が 設計上の最大流量を1回だけ超過する確率はいくらか. またたかだか1回超過する確率はいくらか. 暗に仮定していること ・1年間を1回の試行とみなす. ・最大流量を越えるような降 雨が年に2回以上は発生し ないものとする. 今後5年間に年最大流量が 設計上の最大流量を1回だけ超過する確率 p (1) 5 C1 0.11 (1 0.1) 51 5(0.1)1 (0.9) 4 0.328 今後5年間に年最大流量が 設計上の最大流量をたかだか1回超過する確率 p(0) p(1) 5 C0 0.10 (1 0.1) 50 5 C1 0.11 (1 0.1) 51 5(0.1) 0 (0.9) 5 5(0.1)1 (0.9) 4 0.590 0.328 0.918 1回1回の試行はそれぞれ独立 次のような発想は無効 「もうずっと地震が起きていないから, そろそろ起きるだろう」 「去年地震が起きたから,今年は起きないだろう」 ベルヌーイ試行は時間だけでなく,空間に対しても適用 可能 例 道路を車で走っていて,ガソリンスタンドに出会う確率は p.x軒目までにガソリンスタンドに出会う確率は? 幾何分布(geometric distribution) ベルヌーイ試行において,ある事象が最初に生起する までの試行回数の分布 t 回目に初めて生起する確率 (t-1)回生起せず, t 回目に生起する確率 p(t ) p(1 p)t 1 幾何分布の期待値:平均再帰時間 E (t ) t p(1 p) t 1 t 1 p{1 2(1 p) 3(1 p) ...} 2 1 1 p 2 {1 (1 p)} p 先ほどの洪水の問題で 5年目に初めて超過洪水が生起する確率 (0.1)1 (0.9) 4 0.06561 平均再帰期間 1 10 0.1 ポアソン過程 ベルヌーイ試行を連続な時間・空間上に拡張 1.事象は時間軸,空間軸上の任意の点で発生 2.事象の生起は他の区間に対して独立 3.微小区間Δtにおける生起確率はΔtに比例する. 時間tにおける事象の生起回数の分布 (t ) x t p ( X t x) e x! t 平均発生率 時間tにおける平均的な発生数 指数分布 事象が初めて発生するまでの時間の分布 確率密度関数 分布関数 fT (t ) et FT (t ) 1 et ベルヌーイ試行とポアソン過程の関係 ・ベルヌーイ試行では一定の長さを持った区間における 発生数は1回限り ・区間が無限小になると,ベルヌーイ試行はポアソン 過程と一致 モデル 生起回数の 分布 初めて生起 するまでの 回数・時間 ベルヌーイ 試行 ポアソン過程 二項分布 ポアソン分布 幾何分布 (回数) 指数分布 (時間)
© Copyright 2024 ExpyDoc