2015/6/26 代表的な確率分布 • 離散型確率分布 – ベルヌーイ分布 – 二項分布 – 幾何分布 統計学1 確率分布 • 連続型確率分布 – 一様分布 – 正規分布 ベルヌーイ分布 ベルヌーイ分布の期待値・分散 起こりうる結果が2種類(S,F)である試行を考え、 Sが起こる確率p、Fが起こる確率を1-pとする。こ の試行はベルヌーイ試行と呼ばれている。また、 このような試行から得られる確率分布をベル ヌーイ分布という。 X S (X=1) F (X=0) 確率 p 1-p X S (X=1) F (X=0) 確率 p 1-p の計算 二項分布 • このベルヌーイ試行を同じ条件で独立にn回 繰り返すとき、Sがx 回でFがn-x 回起こる確率は 個のものから 個取り出すときの組み合わせを表す。 個のものから 個を選ぶ選び方は 通り で与えられる。この確率分布を二項分布という。 あり、これを で表す。 1 2015/6/26 二項分布 の計算 例 1,2,3,4,5と書かれたカードから3枚選ぶと 1 2 3 1 2 4 1 1 2 4 1 1 3 4 2 3 4 3 5 2 3 5 4 5 2 4 5 3 4 二項分布は試行回数nとSが起こる確率pを決め ると、具体的な確率計算ができるようになる。 5 の10通り 二項分布 二項分布の期待値・分散 二項分布の期待値は となり、分散は となる。 二項分布の期待値・分散 幾何分布 のとき p 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 期待値 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 分 散 0 0.9 1.6 2.1 2.4 2.5 2.4 2.1 1.6 0.9 0 二項分布はベルヌーイ試行から導いたが、同じ 問題を別の角度から考えてみよう。試行の回数 を決めずに、試行を続けSが起こるまでの試行 回数をXとする。このときXの確率は で与えられる。この確率分布を幾何分布という。 分散は確率pが0.5のとき最大となる。これは Sが起こるかFが起こるかが最も予測しにくい 状況であるということからも、直感と一致する。 2 2015/6/26 幾何分布 幾何分布は、Sが起こる確率pを決めると、具体 的な確率計算ができるようになる。 幾何分布の期待値・分散 幾何分布の期待値は となり、分散は となる。 幾何分布は、時間を1,2,3,・・・と離散的に考 えると初めてのSを得るまで待つ時間の長さの 確率分布であり、離散的な待ち時間分布と呼ば れることもある。 一様分布 区間[a,b]の間の値がどれも同じ確率で出現し そうな確率密度関数 例 ある災害は1年について確率0.04で起こる とする。このとき、この災害は 25年に1度ほど起こりそうである。(ただし、 分散も大きいので、予測しにくい) (その他) を持つ連続型確率分布を一様分布という。コン ピュータの中に組み込まれている乱数は[0,1] の一様分布の乱数である。 一様分布のグラフ のとき 一様分布の期待値・分散 期待値 分散 3 2015/6/26 正規分布 正規分布のグラフ(1) 確率密度関数が である連続型確率分布を正規分布という。 正規分布は統計学の重要な確率分布の1つで あり、生物に関するデータの多くは正規分布に 従っている場合が多い。また、正規分布の応用 が統計学の中には多々見られる。 正規分布のグラフ(2) 正規分布の期待値・分散 期待値 分散 正規分布の性質(1) 正規分布の性質(2) 1. 正規分布の確率密度関数は期待値を中心に 左右対称の曲線である。 2. の確率は 0.6827(約2/3)である。 3. の確率は 0.9545(約19/20)である。 4. の確率は 0.9973(約997/1000)である。 5. の確率は 0.9999(約9999/10000)である。 6. 正規分布の曲線は平均のところで最大にな り、 と のところが変曲点になっ ている。 変曲点 変曲点 4 2015/6/26 演 習 1つのさいころを4回投げるとき、3の倍数の目が出る回数 をXとする。Xは二項分布 に従う。下表の確率の欄を埋めなさい。 X 0 1 2 3 4 確率 /81 /81 /81 /81 /81 5
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