総合科学専攻 30116004 伊東祐二 『類聚国史』災異部地震編 菅原道真らが六国史をテーマごとに再編集した 書物のひとつ。 ・六国史とは? 奈良・平安時代に編纂された、六つの編年体の歴史書 日本書紀(神代~697年) 続日本紀(697年~791年) 日本後紀(792年~833年) 続日本後紀(833年~850年) 日本文徳天皇実録(850年~858年) 日本三大実録(858年~887年) 『日本後紀』のみ現存率が低い 『類聚国史』災異部地震編はその 期間の地震記録を補う貴重な資料 しかしながら、その記録特性は未調査で あり、本当に失われた六国史の代替とな りえるか、あるいは六国史から同様に抄 出されたとされる『日本紀略』との比較な ども検討されたことがない。 『類聚国史』災異部地震編の情報量や内容を検 討し、他史料と比較する それによってその記録特性を明ら かにし、古代の地震記録としての 有用性や限界を明らかにすること を目的とする。 1.『類聚国史』災異部地震編に含まれる内容をすべて 電子テキスト化した上で分類 2.文字数を数えることによってそれらの情報量をカウン 以上を総合的に判断し、『類聚国史』災異部 トし、整理する 地震編の記録特性を明らかにする。 3.各内容の元になった記述を六国史の本体ならびに 『日本紀略』と比較し、抄出の方法や基準を明らかにす る 『類聚国史』災異部地震編の内容をWordに入 力し、総記録量、記録されていた期間や日数、 地震の件数などをカウントし、それらをExcelに ン入力して、次の表を得た。 総記録量(文字数) 10273 文字 記録期間 416年~887年 記録日数 660日 記録されていた地震の数 690件 最も情報量の多い年 830年 629文字 最も多くの地震が記録されていた年 827年 57件 地震一件あたりの平均文字数(文字数/件数) 14. 89文字 記録されている地震のうち、特に情報が多く記 録されている地震についての内容分析 整理した内容を六国史の本体ならびに『日本紀 略』、参考資料などと比較・考察し、『類聚国史』 災異部地震編の記録特性を明らかにしていく
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