高機能・省力一発肥料 マイティコートシリーズ 地域・作物・品種にあった成分・銘柄の提案 福栄肥料株式会社 キーワード 1:ピンポイント 2:アミノ酸 <水稲向け銘柄の設定> 施 肥 模 式 図(ヒノヒカリ) 慣行(基肥+穂肥) 基 肥 16-16-16 30kg/10a 窒素4.8kg 根付肥 場合により施用 穂 肥 16-0-16 15kg/10a 窒素2.4kg 窒素合計7.2kg 設定銘柄(無機化成+アミノ酸入り有機化成+コーティング尿素) 一 発 14-14-14 50kg/10a 窒素計7.0kg 基 肥 目的: 生育促進(穂数の確保) 方法: *全層施肥(耕起前) ・施肥後、畑状態では硝酸態窒素 となり、流亡(10日以上は禁) *表層施肥(代掻き直前・直後) ・初期成育良・施肥効率劣 *側条施肥 ・生育促進 ・施肥減:施肥効率良 追 肥 (穂 肥) *一穂籾数の確保と穎花の退化防止 *登熟向上 *出穂18~20日前に施用 幼穂長が約5mm~10mmの時期 *早すぎると、第4・5節間が伸び 倒伏の原因 売れる米作りのために 食味 生産量 品質 品種・産地・栽培 産地 栽培法の統一 地域の特性を活かした銘柄の設定 産 土 成 地 品 種 作 型 壌 作付時期 作付面積 分 肥効溶出 パターン 高成分 オラが 肥料 での肥培管理 銘柄設定の考え方(1) 地域・品種にあった成分設定 チッソ・リン酸・カリの 成分構成が随意 施用量が多い チッソ成分高 火山灰土壌 リン酸成分高 堆肥多投入 カリ成分低 食味向上 苦土含有 増収・食味向上 ケイ酸含有 銘柄設定の考え方(2) 地域・品種・作型に適した 成分比率と肥効 *初期生育の確保 速効性部分(無機・有機化成)の効果 *穂肥の時期の適期肥効 緩効性部分(コーティング尿素)の効果 穂数、籾数確保で増収・品質向上 銘柄設定に必要な事項 1.品種及び移植予定月日 2.穂肥・出穂の推定時期 数年の平均的傾向により推定 3.慣行施肥体系における 基肥及び穂肥のチッソ施用量 4.要望されるチッソ、リン酸、カリの量 平成17年産ヒノヒカリの田植及び出穂時期 田 区分 始 植 期 出 穂 期 最盛期の 遅速(日) 最 盛 期 終 期 最 盛 期 期 平年 比較 前年 比較 鹿児島県 平均 6/9 6/18 6/27 2 0 内薩摩半島 6/12 6/21 6/25 4 内出水薩摩 6/9 6/20 7/1 内伊佐姶良 6/8 6/16 内大隈半島 6/6 6/14 最盛期の 遅速(日) 平年 比較 前年 比較 8/27 2 4 1 8/26 1 3 2 1 8/26 1 4 6/24 1 △1 8/28 1 4 6/23 1 0 8/24 1 3 注)△印は、平年又は前年より早いことを示す。 鹿児島県に於ける「ヒノヒカリ」の施肥基準 基肥 追肥 合計 (Kg/10a) (Kg/10a) (Kg/10a) N P K N P K N P K 4~5 6~7 5~6 2~3 0 2~3 6~8 6~7 7~9 鹿児島県内アメダス設置箇所(●印) コーティング尿素溶出シミュレーション(日置市、80,100,120日タイプ) (微分溶出率:日毎に溶出してくる割合、積分溶出率:日毎に溶出してくる割合を積算) 積分溶出曲線 80日タイプ 平均気温 80日タイプ 100日タイプ 100日タイプ 120日タイプ 積算温度 微分溶出曲線 120日タイプ コーティング尿素溶出シミュレーション(さつま町、80,100,120日タイプ) 積分溶出曲線 80日タイプ 平均気温 80日タイプ 100日タイプ 100日タイプ 120日タイプ 積算温度 微分溶出曲線 120日タイプ コーティング尿素溶出シミュレーション(大口市、80,100,120日タイプ) 積分溶出曲線 80日タイプ 平均気温 80日タイプ 100日タイプ 100日タイプ 120日タイプ 積算温度 微分溶出曲線 120日タイプ コーティング尿素溶出シミュレーション(輝北町、80,100,120日タイプ) 積分溶出曲線 80日タイプ 平均気温 80日タイプ 100日タイプ 100日タイプ 120日タイプ 積算温度 微分溶出曲線 120日タイプ コーティング尿素溶出シミュレーション(日置市、100日:120日=6:4) 100+120 100日タイプ 100+120 120日タイプ 100日タイプ 120日タイプ コーティング尿素溶出シミュレーション(さつま町、100日:120日=6:4) 100+120 100日タイプ 100+120 120日タイプ 100日タイプ 120日タイプ コーティング尿素溶出シミュレーション(大口市、100日:120日=6:4) 100+120 100日タイプ 100+120 120日タイプ 100日タイプ 120日タイプ コーティング尿素溶出シミュレーション(輝北町、100日:120日=6:4) 100+120 100日タイプ 100+120 120日タイプ 100日タイプ 120日タイプ 標準銘柄444(14-14-14)の設定手順 1.速効性N(含有機)と緩効性Nの割合設定 ・ヒノヒカリの施肥基準及びコーティング尿素の溶出 特性より判断して、緩効性N(コーティング尿素由来N) の割合は、TNの約45%と設定する。 2.使用するコーティング尿素の銘柄及び比率の設定 ・前述の様な鹿児島県下各地域における各タイプ のコーティング尿素単独及び組合せの溶出シミュ レーションから判断して、使用するコーティング尿 素は100日タイプと120日タイプとし、配合比率は 6:4と設定する。 注)上記の様な基本的な考え方をベースに種々の銘柄設定が可能 <野菜向け銘柄の設定> 施肥摸式図 1 慣行(果 菜) 基 肥 追 肥 追 肥 提案銘柄 基肥 追 肥 追 肥 施肥摸式図 2 基肥重点の利点 1:省力(追肥労力の省略) 2:肥効の増減による野菜のストレス回避 肥料濃度の過小によるストレス 3:野菜の安定成長 適期の養分供給 基肥重点の欠点 1:野菜の不必要な時期の肥効 作物にもよるが、不必要な時期は少ない 2:天候による、必要な時期の変化 温度の高低による生育の遅速 基 肥 重 点 天候の変化 省力 安定成長 増収 品質向上 適期の肥効 温度で溶出コントロール 野菜向け銘柄設定例(1) ・栽培期間:約2~3ヶ月 ・対象作物:葉・根菜類 ・窒素成分の内訳 速効性部分:50% 緩効性部分:50% ・設計成分例:16-12-12-2 <緩効性部分の内訳> 有機態窒素:2% コーティング尿素態窒素:6% (60日タイプ~100日タイプ) 野菜向け銘柄設定例(2) ・栽培期間:長期 ・対象作物:果菜類 ・窒素成分の内訳 速効性部分:30% 緩効性部分:70% ・設計成分例:20-10-8-2 <緩効性部分の内訳> 有機態窒素:2% コーティング尿素態窒素:12% (80日タイプ~140日タイプ) <お茶向け銘柄の設定> 有機配合主体の施肥基準 施肥時期 窒素 リン酸 加里 施肥 肥料 春肥① 有機配合 2月上旬 8.0 5.0 5.0 春肥② 有機配合 3月上旬 7.0 4.9 4.9 芽出し肥 化成肥料 3月下旬 7.0 0.0 0.0 夏肥① 有機配合 一茶直後 8.0 3.0 3.0 夏肥② 有機配合 二茶直後 10.0 5.0 5.0 秋肥① 有機配合 8月上旬 5.0 3.0 3.0 秋肥② 有機配合 9月上旬 5.0 3.0 3.0 50.0 23.9 23.9 合 計 お茶用銘柄設定例 お茶用銘柄設定例 1.一番茶芽出し肥時期に施用して、一 番茶及び二番茶に対する肥効を持 続させる銘柄 2.一番茶収穫後に施用して、二番茶 及び三番茶に対する肥効を持続さ せる銘柄 3.秋肥①時に施用して、秋肥②を省 略する銘柄 有 機 の 効 能 *有機質肥料 土壌微生物の活性向上 地下部の充実 *アミノ酸の効用 根の活力向上 生育安定 生育の充実 (特に天候不順 時) アミノ酸 葉から根に転流=生育初期 (光合成が生育の律速) 根からの吸収 光合成産物の転流代替 (根の生長促進・活性増) 利用 さ れ る アミノ酸 グルタミン酸・アラニン・ プロリン・アルギニン グリシン・プロリン 養分のプール源 耐寒性・ 耐霜性向上 マイティコート Q&A Q1.「マイティコート」とは、どんな肥料ですか? A. 早や効きの無機化成、やや遅効きのアミノ酸入 り有機化成に緩効性のコーティング尿素を配合 した高機能 の省力(一発型)肥料です。 Q2.コーティング肥料とは、どんな肥料ですか? A.1)肥料の表面を樹脂等の被覆資材で覆い、肥料成分 の溶出をコントロールして、作物の生育に応じて肥効 が現れるように調整した、緩効性の肥料です。 肥料成分の溶出は、温度による影響が大きく、地温 が高いと溶出も早くなります。 2)溶出のパターンとしては、施肥直後から直線的に肥 料成分の溶出が始まるリニア型と、初期の溶出が 抑えられ、一定経過後に山型の溶出を示すシグモ イド型に大別されます。「マイティコート」に使用している のはシグモイド型です。 3)肥料成分の溶出をコントロールすることにより、肥料 成分の利用率が高くなり、かつ肥料成分の溶脱を抑 え水質汚染も防ぎます。また、基肥重点の施肥が可 能で、追肥回数が減らせるなど省力化が可能になり ます。 Q3.コーティング尿素の肥効期間や効き方は? A.1)溶出のパターンとしては40~180日タイプまであり、 水稲向けには通常60、80、100,120日タイプの 種類が使用されます。 コーティング尿素の肥効日数は、肥料成分が25℃ の水中条件で80%溶出するのに要する日数で示し ます。(25℃は夏場の水田土壌中の平均温度相当) 2)肥料成分の溶出は温度により変化します。 溶出の変化は、10℃温度が高くなると約1/2に早 まり、10℃低くなると約2倍遅くなるのが目安です。 水田では、春田植えの時期は、平均気温は15℃前 後なので25℃で測定した日数の約2倍遅くなってい ることになります。従って、施肥直後の肥料成分の溶 出は抑えられていますので速効性の肥料と組み合 わせて使用する必要があります。 コーティング尿素(100日タイプ)の温度別溶出曲線(15、25、35℃) 35℃ 積分溶出曲線 25℃ 35℃ 15℃ 25℃ 微分溶出曲線 15℃ コーティング尿素のタイプ別別溶出曲線(25℃) 60日タイプ 80日タイプ 100日タイプ 120日タイプ A.3) 上記の様に、溶出速度は温度により変化しますが、 変動する温度条件で溶出量を推測するには、積算 温度(各日の平均気温を足した温度)を用います。 例えば100日タイプの80%溶出するのに要する積 算温度は、25×100=2,500℃ これを屋外条件に当てはめると、田植えから各日の 平均気温を足していって、2,500℃になる日が80 %溶出する推測日となります。 Q4.コーティング尿素の被覆資材は、どんなものです か? A.1)マイティコートに使用しているコーティング尿素の被 覆資材はウレタン樹脂を使用しています。 他社の使用している被覆資材には、ウレタン 樹脂の他ポリオレフィン樹脂、アルギッド樹脂、硫黄 ・ワックスの2重処理などがあります。 2)現在使用している被覆資材は、光と温度と 水により約10年で劣化し、崩壊します。 もう少し早く崩壊する被覆資材については、 現在検討中であり、3年後位には上市でき る予定です。 Q5.「マイティコート」の特長は? A. 通常、コーティング尿素と混合する化成肥料は、「無機 化成」が一般的ですが「マイティコート」は無機化成の他 に当社独自の「有機化成」を配合しています。 施肥の直後は無機化成の速効性のチッソが効き、 その後、有機質が効いて更にコーティング尿素が必要 な時期に溶出する肥効調節型の肥料です。 Q6.「マイティコート」の粒径は、比重は? A.1)コーティング尿素も配合する化成肥料も2~4mmの 粒径に揃えています。 2)比重は、銘柄によって微妙に異なりますが約0.9 です。 Q7.「マイティコート」に含まれる「有機」の働きは? A.1)土壌微生物の繁殖を高め、土壌の団粒化を促進し、 保水性・保肥力などを高めることで、「健康な土づくり」 ができます。 2)根の活力を高め、日照不足や低温・干ばつなどのス トレスに強い抵抗力のある「健全な作物づくり」がで きます。 3)水稲栽培では、アミノ酸が地温の低い初期より吸収 され、根の充実・稲体の健全化を促し、増収・品質向 上が期待できます。 4)果樹・園芸栽培では、アミノ酸の働きにより、色つや、 味、糖度などの品質が向上し、栄養価の高い作物の 収穫が期待できます。 Q8.水稲栽培での「マイティコート」の使用上の注意は? A.1)施肥量を正しく守って下さい。施肥量が多い場合、倒伏し 易く、後効きによる食味などの品質低下を招く恐れがあり ます。 2)施肥時期は、田植え前7日を限度として下さい。溶出が早 まり倒伏し易くなります。 3)均一散布を心がけ、なるべく早く土中に混ぜ込んで下さい。 (施肥後3日以上経過する場合は、必ず耕起して下さい。代 掻き時に浮上する恐れがあります。) 4)側条施肥では、機械の調節を念入りに行って、必要量を正 確に各条に均一に落ちるようにして下さい。 5)慣行の穂肥を施した田では肥効が一気に高まり葉色が濃く なりますが、「マイティコート」施用の田ではコーティング尿素から 肥料成分が緩やかに溶出してくるので、葉色は急に濃くは なりません。但し気象条件等によつて葉色の落ちが激しい 場合には追肥の必要がある場合もあります。
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