高機能・省力一発肥料 マイティコートシリーズ •地域・作物・品種にあった成分・銘柄の設定 平成22年10月15日(金) 農産アグリーン研修会資料 福栄肥料株式会社 「マイティコート」とは 数種類の無機化成 (速効性) (基肥的肥効) 計量 数種類の有機化成 (やや遅効き) (基肥的及び追肥的肥効) 計量 数種類のコーティング尿素 (緩効性) (穂肥的肥効) 計量 配合 被覆尿素について 1.樹脂系被覆尿素 1)熱可塑性樹脂被覆尿素 ポリオレフィン:LPコート、エムコート(ジェイカムアグリ㈱) キングコート(ユーコート、ポリオレフィン樹脂+アルカリ可溶樹脂 +アルカリ性物 質) (エムシー・ファーティコム㈱) 2)熱硬化性樹脂 ポリウレタン:セラコートR(植物油系、セントラル硝子㈱)、SRコート(住友化学㈱) タキコート(多木化学㈱) アルキッド樹脂:シグマコート(片倉チッカリン㈱)、コープコート(コープケミカル㈱) *日産マイルド、ゼット(BB肥料、サンアグロ㈱) 2.無機系被覆尿素 硫黄+パラフィンワックス:SCU(生分解性、サンアグロ㈱) 3.樹脂系被覆尿素の溶出メカニズム 溶出調節剤 尿素 (給水) 尿素 溶液 水(水蒸気) (溶解) 尿素 溶液 (溶出) 3 4.被覆尿素の溶出パターン 1)リニア型、放物線型 施肥直後から直線的、放物線的に尿素の溶出が始まる。 2)シグモイド型 施肥初期に溶出抑制期間(ラグ期)があり、その後に溶出を開始する。 溶 出 率 (%) 放物線タイプ リニアタイプ シグモイドタイプ 経過日数(日間) 4 5.被覆尿素の溶出期間(タイプ) 25℃一定温度の静止水中に放置した場合、被覆されている窒素成分の80%が溶 出するのに要する日数で表示する。 例えば、100日タイプの被覆尿素とは、25℃の水中に置いた場合 、被覆されてい る尿素の80%が溶出してくるのに100日要するということである。 おおよそ、水温が10℃高くなると溶出速度は約2倍速くなるし、10℃低くなると約 1/2倍に遅くなる。(次頁の溶出シミュレーション図参照) 5 コーティング尿素(100日タイプ)の地温別溶出シミュレーション 積分溶出曲線 1日当りの溶出率 の累計(0~100%) 35℃ 25℃ 15℃ 微分溶出曲線 1日当りの溶出率 (0~2%) 6 溶出シミュレーション、兵庫県三田市、南あわじ市、美方郡香美町 施肥:5月15日、100日タイプ 積分溶出曲線 1日当りの溶出率 の累計(0~100%) 南あわじ市 美方群香美町 三田市 微分溶出曲線 1日当りの溶出率 (0~2%) 7 溶出シミュレーション、兵庫県三田市 施肥:5月15日、80日、100日、120日、140日各タイプ 積分溶出曲線 1日当りの溶出率 の累計(0~100%) 平均地温 80日タイプ 120日タイプ 100日タイプ 140日タイプ 微分溶出曲線 1日当りの溶出率 (0~2%) 8 キーワード 1:ピンポイント 地域・小ロット対応 2:有機化成(アミノ酸) 有機質原料を特殊な製法でアミノ酸 レベル迄低分子化した加工有機質 原料(MAM)を原料として使用 マイティコートシリーズ銘柄設定の手順 対象地域、作物、作型に対応した施肥基準、栽培暦等の把握 窒素、リン酸、加里、苦土、微量要素等の成分比の選定 Nの基肥相当部分(速効性の無機化成)と 追肥相当部分(有機化成・コーティング尿素)の配合比率の決定 溶出シミュレーションソフトを利用して 使用するコーティング尿素の種類と組合せ比率を決定 <水稲向け銘柄の設定> 基 肥 目的: 生育促進(穂数の確保) 方法: *全層施肥(耕起前) ・施肥後、畑状態では硝酸態窒素 となり、流亡(10日以上は禁) *表層施肥(代掻き直前・直後) ・初期成育良・施肥効率劣 *側条施肥 ・生育促進 ・施肥減:施肥効率良 追 肥 (穂 肥) *一穂籾数の確保と穎花の退化防止 *登熟向上 *出穂25~15日前に施用 幼穂長が約1mm~20mmの時期 (耐倒伏性の弱い品種ほど、遅い時期に 施用する) *早すぎると、第4・5節間が伸び 倒伏の原因 地域の特性を活かした銘柄の設定 産 土 成 地 品 種 作 型 壌 作付時期 作付面積 分 肥効溶出 パターン 高成分 オラが 肥料 での肥培管理 銘柄設定の考え方(1) 地域・品種にあった成分設定 チッソ・リン酸・カリの 成分構成が随意 施用量が多い チッソ成分高 火山灰土壌 リン酸成分高 堆肥多投入 カリ成分低 食味向上 苦土含有 増収・食味向上 ケイ酸含有 銘柄設定の考え方(2) 地域・品種・作型に適した成分比率と肥効 *初期生育の確保 速効性部分(無機・有機化成)の効果 (速効性NのTN中の割合の決定) *穂肥の時期の適期肥効 緩効性部分(コーティング尿素)の効果 (コーティング尿素由来NのTN中の割合及び タイプ組合せ(1~複数タイプ)の決定 穂数、籾数確保で増収・品質向上 銘柄設定に必要な事項 1.品種及び移植(又は播種)予定月日 2.穂肥・出穂の推定時期 数年の平均的傾向により把握 3.慣行施肥体系における 基肥及び穂肥のチッソ施用量 4.要望されるチッソ、リン酸、カリの量 溶出シミュレーション、高知市、品種:早期コシヒカリ 施肥:4月15日、60日、80日、100日、120日各タイプ 積分溶出曲線 平均地温 60日タイプ 80日タイプ 100日タイプ 120日タイプ 微分溶出曲線 溶出シミュレーション、高知市、品種:早期コシヒカリ 施肥:4月15日、80日:100日=8:2,5:5,2:8,100日:120日=8:2 移植時期:4月中旬頃、出穂時期:7月5日頃、穂肥施用適期:6月17日頃 平均地温 80日:100日=8:2 80日:100日=2:8 80日:100日=5:5 100日:120日=7:3 特別栽培米対応一発銘柄内容例 銘柄名(仮称) 成分(%) N-P-K 原料構成 コーティング 尿素由来Nの TN中の割合 (%) 特栽用マイティコート 088 10-8-8 有機化成 無機化成 コーティング尿素 約34 特栽用マイティコート 355 13-5-5 同上 約40 特栽用マイティコート 344 13-4-4 同上 約45 特栽用マイティコート 266 12-6-6 同上 約37 特栽用マイティコート 255 12-5-5 同上 約38 <野菜向け銘柄の設定> 施肥摸式図 1 追 肥 追 肥 提案銘柄 追 肥 追 肥 施肥摸式図 2 基 肥 重 点 天候の変化 省力 安定成長 増収 品質向上 適期の肥効 温度で溶出コントロール 野菜向け銘柄設定例(1) ・栽培期間:約2~3ヶ月 ・対象作物:葉・根菜類 ・窒素成分の内訳 速効性部分:50% 緩効性部分:50% ・設計成分例:16-12-12-2 <緩効性部分の内訳> 有機態窒素:2% コーティング尿素態窒素:6% (60日タイプ~100日タイプ) 野菜向け銘柄設定例(2) ・栽培期間:長期 ・対象作物:果菜類 ・窒素成分の内訳 速効性部分:30% 緩効性部分:70% ・設計成分例:20-10-8-2 <緩効性部分の内訳> 有機態窒素:2% コーティング尿素態窒素:12% (80日タイプ~140日タイプ) 現在上市されている銘柄の対象作物 水稲、大麦、小麦、大豆、小豆、ネギ 野沢菜、レタス、キャベツ、ブロッコリー ニンニク、ショウガ、アスパラガス、トマト キュウリ、シシトウ、茶、ミカン、キク 赤紫蘇 注)この他、設計を手がけた作物は多岐に亘る。
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