小麦「きぬいろは」の栽培指針(平坦部・水田作用)

小麦「きぬいろは」の栽培指針(平坦部・水田作用)
◎きぬいろはの特徴:(数値は平成5~ 10 年播種の平均値)
①出穂期は4月 16 日頃、成熟期は6月2日頃の極早生種である。
②稈長は約 81cm と短稈で、耐倒伏性が強い。
③褐ふで穂長は約9 cm と長く、穂数はやや少ない。
④播性はⅡで、極早生のために凍霜害を受けやすい。穂発芽性は極難である。
⑤赤さび病に強く、縞萎縮病にやや強く、うどんこ病、赤かび病には中程度で、麦類萎縮病にやや弱い。
⑥製粉性がやや優れ、製麺適性では、食感、特に粘弾性が優れている。
月
11
旬
主な生育段階及び作業
上
圃場の選定・準備
中
〇 (播種期)
〇 施肥・耕起・播種
〇
雑草防除
〇
下
栽培管理のポイント
圃場の選定・準備…①麦は過湿に弱いため、排水可能な水田を選ぶ。また、早めに圃場周囲に
排水溝を作って水はけをよくしておく。
②雑草が多く、耕起作業の障害となる場合は、あらかじめ雑草防除をして
おく。
pH矯正…耕起前に、必要に応じて苦土石灰等を 70 ~ 100kg 施用する。
元肥(10a当たり成分量 窒素:リン酸:加里=8 kg:8 kg:8 kg)
耕起…稲わらや堆肥をすき込むため、土とよく混じるよう 10 ~ 15cm の深さで耕起、砕土する
排水溝設置…圃場条件に応じ3~5m間隔程度で排水溝を設ける。
播種…10 kg/10a(全面全層播き)。(播種前に種子消毒しておく。)
上
12
中
覆土…ロータリー耕によりおこなう。覆土深は3 cm 程度とし、深くなりすぎないように注意
するとともに、細かく砕いた土を均一に覆土する。
雑草防除…播種後、土壌処理剤をむらのないよう均一に散布する。
下
上
1
[麦踏み]
[雑草防除]
中
追肥1
[麦踏み]…徒長防止と凍霜害対策として、12月~2月の茎立ち前で、圃場が乾燥している
日に2回程度おこなう。ただし、土壌水分が高い条件では実施しない。
[雑草防除]…雑草が残った場合、雑草の種類、生育に応じて茎葉処理剤を散布する。
追肥1…1月20日頃。(10a当たり成分量 窒素:リン酸:加里=2 kg:0 kg:2 kg)
下
上
生育期間中、降雨後は圃場内に滞水がないよう排水に努める
2
中
追肥2
追肥2…2月20日頃。(10a当たり成分量
窒素:リン酸:加里=2 kg:0 kg:2 kg)
下
上
3
中
生育期間中、降雨後は圃場内に滞水がないよう排水に努める
下
上
4
中
□(出穂期)
□[病害防除]
□
病害防除…赤かび病の発生が予想される場合(出穂期前後から乳熟期にかけて曇天多雨が続き
高温の場合)、開花最盛期とその7~10日後に薬剤散布をおこなう。
下
上
5
中
下
上
6
中
下
(注)[
■(成熟期)
■ 収穫・乾燥・調製
■
収穫…成熟期は出穂後約45~50日。コンバインで収穫する場合、穀粒水分が30%以下に
なってからおこなう。
乾燥…速やかに乾燥をおこなう。乾燥機で乾燥させる場合、40℃以下でおこなう。
目標水分12.5%。
調製…粒選機(網目2.2mm)により選別し、屑麦や細麦を取り除き、良質麦に仕上げる。
]の作業は必要に応じて実施する。