10A・琉球=沖縄について

10A・琉球=沖縄について
2010.06.29. 青山・文化人類学
10A・琉球=沖縄について
2010/06/29 - [2]
琉球=沖縄をめぐる略史(1)

16c初 奄美~沖縄~宮古・八重山を版図とする琉球王
国が成立する


1609年 薩摩が琉球王府を襲い、奄美は薩摩に割譲




琉球は薩摩の附庸(属国)となった=「日支両属」状態
1853年


明(中国)への朝貢を行なっていた=間接的な支配関係
ペリーが沖縄を訪れて「開国」を迫る
「琉米修好条約」締結(1854年=不平等条約)
1871年 明治日本は琉球王国を鹿児島県の管轄とする
1872年 琉球王国に「琉球藩」を設置
1879年 琉球藩に代えて「沖縄県」を設置


1871年の「廃藩置県」後に「藩」が置かれたことに注意
日本国(大日本帝国)内に組み込む→清からの抗議→アメリカが
仲裁に乗り出す→資料3「宮古八重山分島改約案」(1880年)
10A・琉球=沖縄について
2010/06/29 - [3]
琉球=沖縄をめぐる略史(2)

1895年 清から日本への台湾割譲


1945年3月 アメリカ軍が沖縄に侵攻






まもなく住民を巻き込んだ地上戦が始まる cf. 次々スライド
6月23日に主力日本軍による組織的抵抗は終了、沖縄のほぼ全域が米
軍支配下に入る
1946年1月 北緯30度以南の南西諸島(=奄美を含む)を日
本本土から分離
1951年9月 サンフランシスコ講和条約で南西諸島(奄美を
含む)はアメリカの施政権下に置かれる


琉球=沖縄が日本であることは「自明」となる
日本の領土ではあるけれども、一切の権限はアメリカが握る
といって、アメリカ的な教育などが行なわれたりしたわけではない
1953年12月25日 奄美諸島は日本に復帰(鹿児島県)
1972年5月15日 琉球=沖縄は日本に復帰(沖縄県)
10A・琉球=沖縄について
2010/06/29 - [4]
琉球=沖縄とアイヌの比較

アイヌのような劣等民族としてよりは、「古代日本がま
だ目の前に残る日本のルーツ」的な扱いをされる


一方で、勝手に外部で決められた「地図の色分け」のは
ざまで「そこにいるひとびと」はやはり振り回された


cf. 資料4 田代安定
cf. 資料3「宮古・八重山分島改約案」
さらに、ほとんど外国語といってもよい日本語への同化
も推し進められた

cf. 方言札・方言スパイ嫌疑(次からのスライド参照)
10A・琉球=沖縄について
方言札


クラスの中で「方言札」と書かれた
一枚の札を回す。方言をしゃべった
者に手渡され、持っている者は別の
生徒が方言をしゃべっているのを見
つけ出して手渡す。終業時に持って
いた生徒が罰を加えられる、という
相互監視システム。
1900年ごろには存在が確認されて
いる。戦前・戦後を通じて用いられ、
1970年代までは使われていたこと
がわかっている。

なお、このようなシステムは、沖縄に限
らず東北などでも、方言を矯正するため
に用いられた
2010/06/29 - [5]
10A・琉球=沖縄について
2010/06/29 - [6]
方言スパイ嫌疑

1945年3月、米軍による沖縄本島中南部への総攻撃と日
本守備軍による消耗戦に巻き込まれる沖縄民間人、とい
う構図


映像資料『島クトゥバで語る戦世』(2005年9月10日・NHK教育
「ETV特集」)
1945.4.9.第三十二軍司令部命令「爾今軍人軍属ヲ問ハ
ズ標準語以外ノ使用ヲ禁ズ。沖縄語ヲ以テ談話シアル者
ハ間諜トミナシ処分ス」


「日本人」と「沖縄人」を区別する指標としてのことば
琉球王国の併合から70年を経ても、琉球語-沖縄語はまったくと
いってよいほど消えていなかった