オフ・バランス資産が重要に!

知的資産とオフ・バランス経営戦略
Business-IPR 伊原智人・柴田英寿
2001年5月23日
本日の予定
午前(伊原):オフ・バランスの意味、オフ・バ
ランス資産を活用した経営戦略(特に特許
戦略を中心に説明)など
『オフ・バランス経営革命』第1,2章
午後(柴田):資産のオフ化、オフ・バランス
資産の評価方法など
『オフ・バランス経営革命』第3~5章
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目次






2015/9/30
オフバランス経営時代
オフバランス資産で攻める
資産を減らす
オフバランス資産を計る
オフバランス資産を生かす
まとめ
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オフバランス経営時代
時価総額
ブランド
ノウハウ
負債
顧客
資産
資本
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「オフ・バランス経営」の2つの意味
「バランス」は、バランスシートの意味
 「オフ」は2つの意味がある
-バランスシートに載らない資産(オフ・バラ
ンス資産)に着目すべき。
-バランスシートから、バランスシートにある
資産(不動産や情報システムなど)を外す
(オフする)。

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オフ・バランス資産が重要に!


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株価総額に占めるオフ・バランス資産(バ
ランスシートではその価値が現れてこない
資産)の割合は急増。
それらの資産の価値は、工場や設備など
の有形資産の3~4倍に。(「Rembrandts
in the attic」 Kevin G. Rivette / David
Kline著参照)
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オフ・バランス資産とは?

オフ・バランス資産とは、バランスシート(BS)に載
らない資産。現在のBSで資産計上されているも
のは、原則として、有形資産。知的資産などの無
形資産(Intangible Assets)はBSの外。
(注)正確に言えば、無形資産であっても、取得した場合には、その取得
価格を資産に計上することあり。但し、自社で出願した特許などにつ
いては、原則、計上することは認められない。現在、これらの知的資
産をバランスシートに載せようという取り組みが会計の世界で行われ
つつあるが、どのように評価すればいいかについて議論あり。

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オフ・バランス資産の代表:知的財産権、ブランド、
人材
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なぜ、今オフ・バランス経営か
(1)
スピード化
-キャッシュフロー経営(1年を単位としたバランスシート経
営では世界のスピードについていけない)
-自前から連携へ(外部のリソースとのフレキシブルな関
係)
-迅速な意思決定(コンセンサス形式の限界、リアルタイム
の実態把握)
 ソフト化
-100円ショップから見るハードでの競争の限界
-知的資産・人材・ブランドといった目に見えないものが差
別化の鍵

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なぜ、今オフ・バランス経営か
(2)
ネットワーク化
-優秀な人材の囲い込みが困難に
-ネットワークコミュニティ、NPOとの距離感
↓
最近の流行語「キャッシュフロー経営」「ビジ
ネスモデル・ゲノム特許」「コーポレートブラ
ンド戦略」「ネットワークコミュニティ」「NP
O」などを総合すると、『オフ・バランス経
営』

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特許を例にとると...
オフ・バランス資産の中でも、特許の重要性は飛
躍的に高まっている。
→特許が支える技術力を、いかに迅速に、効率的
に向上できるか、いかに国際標準に持っていけ
るかが、企業の経営戦略上、重要になってきて
いることを意味している。
 国ベースで見ても、特許のライセンス料の日本と
海外とのやり取りは、2000年で、2兆3000億円に。
この5年間で8000億円も増加。

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特許が経営に与えるインパクト(1)

特許による光と影(特許侵害訴訟)
コダック社vsポラロイド社:コダック社が製品の回収費用と損害賠償で
15億ドル支払い
ミノルタ社vsハネウェル社:ミノルタ社は和解金として1億2750万ドル
支払い。ハネウェル社は、他社からの和解金も含め、2億5160万ド
ル取得。
H2ブロッカー訴訟(1998年東京地裁):日本の特許訴訟史上最高の
30億円の支払いを判示。

特許ライセンス収入の拡大
IBM社:$1.7b(2000年)(IBM社のAnnual Report 2000より)
デル社:PCの注文販売方式の特許で、IBMと160億ドルのクロスライセ
ンス契約。それまでのライセンス料負担をゼロに。
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特許が経営に与えるインパクト(2)

特許(知的財産権)の不備
花王: 1990年代半ば、ヒット商品が、知的財産権の確保
が不十分であった欧米、東南アジアで模倣される。
キャノン:米ゼロックス社に複写機の特許をかいくぐられた。
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オフバランス資産で攻める
時価総額
ブランド
ノウハウ
負債
顧客
資産
資本
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オフ・バランス資産で攻める経営
を実現するためには



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「作る」から「使う」へ:自前万能主義からの
脱却
柱を持つ:ビジョンや価値観が重要に
コミュニティとともに:ネットワーク化時代の
必須課題
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「作る」から「使う」へ
ブランド
-ブランドを買う
-社内ベンチャー
 知的財産権
-部品を買うように特許を買う
-知的財産権M&A
 人材
-「社内育成」から「外部調達」へ
-社内公募

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特許を「使う」経営戦略
特許を念頭においたM&A
-TI社によるDSL技術を持つ企業の買収
 他の企業との戦略的連携
-IBMとデルのクロスライセンス
 大学からの技術移転の活用
-サンマイクロシステムズ(スタンフォード大
卒業生)、ネットスケープ(イリノイ大)

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特許の「利用」を支えるインフラ
が整いつつある

特許流通・評価
Yet2:デュポンの事業部からスタートしたオンラインでの特許流通市場。
日本の企業(花王、トヨタ自動車など)もサポートメンバーに。
PL-X:1999年設立の特許評価を中心として、特許関係の業務を幅広く
展開。日本にも会社を設立。
パテックス:米国のIHI(インフォメーション・ホールディングス・インク)と英国の特許コ
ンサルティング会社BTGが2000年10月に共同設立した特許売買サ
イト。
プライスウォーターハウスクーパースアドバイザリー株式会社:知的資
産の担保評価を実施。テクノマートの事業者一覧にも掲載。

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特許を利用した技術移転
TLO:大学や研究機関における発明を特許化し、企業にライセンスした
り、その発明をもとにした起業化を支援。
リクルート:テクノロジーマネジメントディビジョンにおいて、TLOなどをサ
ポートし、技術移転を推進。
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柱を持つ
ブランド
-ブランドビジョン
-ブランドサイクル
 知的財産権
-特許に戦略を
-CIPO
 人材
-リーダーを育てる

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優れた特許戦略のポイント(1)

戦略的な特許取得
発明のうち、特許として出願すべきものを判断。
出願したものを特許取得するかどうかの判断。
どの国に特許出願すべきかを判断。
→特許マップ、特許ポートフォリオ
Cf. IBM社は、技術分野を7つに分類。各分野で、他社が使わざるをえな
いような市場価値のある特許を取得するため、各分野で特許戦略を指
導する管理者が存在。

特許リスクを勘案した戦略
関連分野の特許調査により、抵触特許のチェック、
その保有者の権利行使の可能性の確認によるリスク最小化
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優れた特許戦略のポイント(2)
特許についての意識改革
経営者が率先して特許戦略を練る。
研究者、商品開発担当、営業担当、経営企
画担当などが特許についての知識を持つ。
CIPOを置ければベスト。
 発明者がヒーローになるように
職務発明に対する報酬

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特許戦略構築を助けるビジネスの出現

特許情報提供・検索サービス
野村総合研究所:NRIサイバーパテントデスクは、国内外の特許情報、企
業の技術情報などを提供。
ダウエント・インフォーメーション:世界最大規模の特許データベースで、
NRIなどにもデータ提供。
Delphion:IBMの知的財産チームとICG(Internet Capital Group)が2000
年5月に作った新会社。無償特許情報と関連ソフトウェアを提供。
グリーンネット:国内外30社以上の協力で設立。国際的な特許情報を提供。
NTTデータ経営研究所:環境関係の特許情報提供サービス。

知的財産コンサルティング
松尾綜合法律事務所:知的財産権専門の弁護士を中心とした知的財産コ
ンサルティンググループを発足。
システムインテグレーション:特許コンサルティングの老舗的存在。
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コミュニティとともに
ブランド
-ブランドウィルスを放つ
-取引先や卒業生をブランドネットワークの一員に
 知的財産権
-オープン知的財産権ポリシー
 人材
-企業人をコミュニティ人材に
 究極のオフ・バランス資産
-NPO

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オープン知的財産権ポリシーとは
これまでの単純な囲い込み的な特許の使い方か
ら、グローバルスタンダードやマーケットニーズを
視野に入れたオープンポリシー。
 MPEG-LA(1996年正式発足)
MPEG2:唯一の中立的機関であったコロンビア大
学が推薦した弁護士による契約等のドラフティン
グとFuta氏(非営利企業の副社長)によるとりま
とめ。現在、80以上の特許をプール化して、世
界250社以上に対してライセンス。
MPEG4:M4IF(MPEG4 Industry Forum)
 次世代携帯:日欧韓19社
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
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(参考)個別企業の特許戦略の例(1)
ソニー:社内カンパニー毎に法務・知的財産
部を設置。2000年4月に「ビジネスモデル
特許室」と他社の特許の申請内容を調べ
る「ヴァンガード特許室」を設置。
日立製作所:1970年代以降、「強い特許戦
略」をスローガンに。1999年度の技術移転
収支は322億円の黒字。2000年10月には、
知的所有権部門に独立採算制を導入。
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(参考)個別企業の特許戦略の例(2)
花王:1997年に特許紛争の多発に備えた模
擬裁判の実施、2000年10月に特許が生
み出した利益に応じた個人への報奨金制
度の導入。
金融機関:2000年4月にさくら銀行、7月に三
和銀行、11月に富士銀行がそれぞれ特許
室を設置。特許出願数も増加。
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資産を減らす
時価総額
ブランド
ノウハウ
負債
顧客
資産
資本
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オフバランス時代の経営

「持つ経営」から「持たざる経営」へ
在庫は資産ではなく償却費用のもと
× 売掛は回収費用のもと
× 設備は償却費用のもと
× 社員は固定費用のもと
◎ ブランドは信頼のもと
◎ 情報は価値のもと
◎ 人事は働きがいのもと
×
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BS→CFS

バランス・シートの経営→
キャシュフロー・ステイトメントの経営

書店に山積みされるキャッシュフロー経営の書籍

本質が書かれていない

2000年4月からの制度改正への対応


BSには効果が1年以上にわたる投資が資産として計上される


1年以内に決着がつくビジネスが増えた
アメリカは80年代からキャッシュフロー経営に取り組んできた

2015/9/30
なぜ制度が変わったか?
外資との競争に勝てない!
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利益→キャッシュフロー、EVA

EVA←利益→キャシュフロー

EVAに関心を持っている経営者が多い

キャッシュフローでは短期的すぎる、長期の視点も含めて

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
研究開発費→資産計上

のれん代/ブランド→償却しない

リストラ費用→資産計上

cf.人件費は資産ではないか
会社の実態を表す評価指標を独自に作る
修正利益
ー利子
ー税金
ー配当
EVA
X EVAは利益から配当を引いた指標
◎ 時価総額で企業価値を評価した指標
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フレームワークの変化
売上
(Sales)
理論時価総額
利益
ROS
直材費
販管費
減償費
・
・
・
修正利益
CF
利益
ROA
資
産
資産
圧
(Assets)
縮
負債
修正利益
CF
利益
ROE
資本
損益計算書
(Equity)
貸借対照表
ブランド
ノウハウ
顧客
1982年:時価総額の62%がオンバランス
1999年:時価総額の30%以下がオンバランス
理論時価総額
理論時価総額
スキャンダル
発覚
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株式市場
の高騰
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価値を生み出す方法論

売上増加/資産、コスト削減/資産





売上を伸ばす
コストを下げる
資産(在庫、売掛、設備、etc)を増やさずに
売上/資産-コスト/資産=キャッシュフロ-
オフ・バランス資産の増加

ブランド価値



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お客さまにブランドを楽しんでもらう
社員のスキル
顧客との信頼関係
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実資産から
仮想資産へ
こ
れ
か
ら
の
経
営
体
質
強
化
施
策
資産圧縮の体系
現 金
これまで
棚卸資産
売掛債権
設備・建家
システム
売上拡大
利益剰余金
コスト削減
実資産から
仮想資産へ
こ
れ
か
ら
の
経
営
体
質
強
化
施
策
資産圧縮の体系
現 金
これまで
棚卸資産
売掛債権
設備・建家
システム
売上拡大
利益剰余金
コスト削減
資産を減らす


BSを小さくすることがCFにつながる
短期的に


キャッシュが手に入る
長期的に
資産回転率(ROA)が上がる
 格付けが上がる
 借入金利が下がる
 コストが下がる

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オフ・バランス資産

バランスシート(貸借対照表)に載らない資産

顧客資産



知的資産





2015/9/30
取引の実績
信頼関係
特許
営業秘密(ノウハウ)…特許より営業秘密が重要
従業員のスキル…会社の仕組みを知っているという価値
ブランド資産
どれだけ増えてもかまわない
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シナリオ

キャッシュフローを増やす



売上の増加/コストの削減
バランスシートを圧縮
↓
投資資金の捻出
↓

オフ・バランス・資産の増加のための投資


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人材育成投資
IT投資
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オンとオフのバランス


2015/9/30
オフィスありvsオフィスなし
自社システムvsアウトソーシング
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「資産を減らす」添付
時価総額
ブランド
ノウハウ
負債
顧客
資産
資本
2015/9/30
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バリュー(価値)

バリュー(価値)の尺度



キャッシュフローと時価総額の関係

0
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キャッシュフロー
時価総額
将来に渡る利益の割引現在価値=時価総額
今年
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キャッシュ・バランス
GE
単独総資産
連結総資産
連結現預金残高
単独有利子負債
連結有利子負債
連・単有利子負債倍率
連結現預金残高
総資産
単独有利子負債
単独総資産
連結有利子負債
総資産
シスコ
42,951
907
1,561
88
21,388
0
2.1%
5.6%
49.8%
0.0%
東芝
トヨタ
5,702 14,822
465 1,227
766
514
1,967 4,409
39%
12%
8.2%
34.5%
日立 キヤノン
702
9,837
2,728
1,170
480
730
74
1,787
464
41%
16%
8.3% 11.9%
29.7% 18.2%
松下
1318
7,938
1,534
323
1,359
24%
17.6%
19.3%
10.6%
24.5%
17.0%
17.1%
単位10億円
1US$=106円換算
各社1999年度アニュアルレポートより作成
ゼロ・バランス

期末現金残高



イン・ハウス・バンク




2015/9/30
キャッシュで借入金を返してしまう
資産を遊ばせていないか
グループ企業の資金バランスを監視する
グループ全体での借入金をミニマムにする
支払い利息をミニマムにする
グループ全体の資金を最適投資する
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イン・ハウス・バンク



個別決算→連結決算
連結シミュレーション→決算
連結決算日程の短縮



グループ会社
のバランス管理
何のための短縮か?
GE:
1999年度約7300億円
の金利圧縮
日産:
160億円の金利負担
現金
圧縮(2001年度予想)
2015/9/30
借入
現金 借入
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現金 借入
現金 借入
43
仮想在庫
計画立案
販推
売上実績
データ
イベント実績
データ
出荷実績
データ
需要係数シミュレーション
売上実績
データ
・販売企画
・市場情報
必要情報収集
イベントシミュレーション
・顧客規模別
・季節変動、月変動
・新商品
販売計画シミュレーション
イベント計画
顧客別/店舗別
/商品別
需要予測シミュレーション
・顧客別
・店舗別
・商品別
販売計画
顧客別/店舗別
/商品別
販売計画
営業会議
全社
POSデータ
受注~出荷
EDI注文
工場
顧客
営業拠点
受注情報
販売計画
納期回答
シミュレーション
マクセル
小売(通常)、OEM、輸出
小売(短納期)
注文
納期回答
月次生産計画
ノンストッ
ク補給計
画
生産計画シミュレーション
(MRP)
日次生産計画
生産指示
工場倉庫
前工程
後工程
受注~出荷のL/T短縮
化を図り、受注生産へ移
行
積送在庫
営業倉庫
補給枠
補給枠
受注紐付き
受注紐付き
小売、輸出分
納品
ネガティブ・キャッシュ・サイクル

運転資金


ネガティブ・キャッシュ・サイクル





2015/9/30
資材費をキャッシュ・アウトしてから売掛を回
収するまで
受注してから発注
回収してから支払い
回収までが短い(x20締め、翌月末払い)
調達が早い
組立が早い
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証券化

売掛債権



本社ビル



2015/9/30
売掛を売却する
手形割引より資金回転率が上がる
特別目的会社を作り、本社ビルを売却する
本社ビルの家賃収入を債権として販売する
日産、レナウン、ジャパンエナジー、東邦生命
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ビジネスモデル革新
自社の部門と社外のリソースを競争させる仕組みを導入することがねらい
管
理
部
門
福
経利
理厚
生
シェアード
サービス
サ
プ
ラ
イ
ヤ
ー
研
究
所
ベ
ン
ベチ
ンャ
ベチー
ンャ
チー
ャ
ー
A&D
サ
プ
ラ
サイ
プヤ
ラ
サイー
プヤ
ラ
サイー
プヤ
ラ
サイー
プヤ
ラー
イ
ヤ
ー
eMP
工
場
工
場
EMS
営
業
小メ
ー
売カ
りー
販
社
販
社
販
社
•市場原理の導入
→自社の工場と外注を競争させる
•客観的な評価基準の整備
→ITの役割
•パートナーをスイッチできる
情報インフラが理想
(cf. ロゼッタネット)
キャッシュフロー
売上
右肩上がりの時代は利益でもよかった
(Sales)
利益
営業
利益
+減価償却費
ー棚卸増加分
ー売掛増加分
ー買掛減少分
キャッシュフロー
営業キャッシュフロー
投資
直材費
販管費
減償費
・
・
・
キャッシュフロー
利
益
財務
キャッシュフロー
損益計算書
キャッシュフロー計算書
・キャッシュフローは1年間に会社
の外から中に取り入れた現金のこと
・ビジネスのスピード化に対応するには
キャッシュフローが最適
オフバランス資産を計る
時価総額
ブランド
ノウハウ
負債
顧客
資産
資本
2015/9/30
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無形固定資産

各社の無形固定資産
売上
資産
無形固定資産
のれん代
ブランド
無形/資産
償却
償却/売上
無形/償却
2015/9/30
GE(k$)
111,630
405,200
26,010
13,106
6.42%
7,124
6.38%
3.65
ペプシコ(k$)
ルイヴィトン(k$)
20,367
17,551
4,735
26.98%
183
0.90%
25.87
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
56,066
136,005
37,447
20,865
16,582
27.53%
667
1.19%
56.14
SONY(M\)
6,761
6,289
263
139
4.18%
n.a.
n.a.
n.a.
50
ブランド

インターブランド社のブランド価値評価

過去3年分の営業利益の加重平均のPV
→利益がブランドから生まれるものであると仮定

割引率でブランドの強さを評価

2015/9/30
強いブランドは割り引き率4%/year(係数=25)
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
51
ブランド

インターブランド社の評価項目
カテゴリー
リーダーシップ
%
項 目
25 市場シェア、認知、ポジショニング、競合環境
国際性
15 地理的広がり、国際的ポジショニング、相対的シェア
安定性
10 存続年数、凝集性、一貫性、アイデンティティ、リスク
トレンド
10 長期的シェアの実績、予想されるブランド実績、計画性、競合の対抗性
市場
支援
10 市場領域、市場の性格、市場規模、参入障壁
10 メッセージの一貫性、支出の一貫性、広告費、ブランドフランチャイズ戦略
防御
5 商標登録、法律/訴訟問題
2015/9/30
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
52
ブランド

インターブランド社のブランド評価
2000年度
(US$B)
ランク
ブランド名
ブランド価値
(A)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
Coca-Cola
Microsoft
IBM
Intel
Nokia
General Electric
Ford
Disney
McDonald's
AT&T
72.5
70.2
53.2
39.0
38.5
38.1
36.4
33.6
27.9
25.5
9.5
28.4
20.5
32.5
10.8
43.0
28.4
20.9
9.6
78.9
18.9
6.6
55.2
6.9
15
35
2015/9/30
Toyota
Pepsi-Cola
純資産額 時価総額 オフ・バランス
(B)
(C)
資産(D)
159.0
384
232
462
550
651
57
89
46
106
149
356
212
430
539
608
29
68
36
27
(A)/(C)
45.6%
18.3%
22.9%
8.4%
7.0%
5.9%
63.9%
37.8%
60.7%
24.1%
169
114
11.2%
67
60
9.9%
Copy Rights
All Reserved (C)
Aug-00
Business-IPR, 2001
営業利益
(E)
3.7
10.9
11.6
11.6
3.5
15.5
10.9
3.2
3.3
10.9
5.8
2.8
1999
(A)/(E)
20
6
5
3
11
2
3
11
8
2
3
2
53
知的財産権

伝統的手法



2015/9/30
DCF(Discounted Cash Flow)法
類似事例参照法
25%ルール(ライセンス収入の25%)
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
54
知的財産権

PL-X社(http://www.pl-x.com)




400分野において特許の基準価格を提示
単一の製品に特化した、特別な経営者をもた
ない公開企業のオフバランス資産を集計
特許の内容に関係なく一律に価値を算定する
公示価格ととしてとらえられる



2015/9/30
土地の上で何をするか(GS、CVS、SP、FF、)は別次元
事業がうまくいくかどうかは別次元
個別の取引価格は別次元
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
55
知的財産権

PL-X社(http://www.pl-x.com)



2015/9/30
12人の価値評価エキスパートによる
データベース開発(対象企業の選定)
投資銀行に近い手法
cf.評価に違いがあるから取引が成立する
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
56
知的財産権

特許庁特許評価指標

事業性評価


移転流通性評価


技術開発の継続性、侵害者への対抗力、無効取り
消しの可能性ほか
権利固有評価

2015/9/30
発明のベネフィット、製品化の実現性、販売ルート
の有無、他者特許との関係、事業への寄与度ほか
発明の上位概念への展開度、実施例の開示度、
代替技術に対する優位性ほか
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
57
人材の評価

労働時間尺度から付加価値尺度へ

ソフトウエアによる資産化



オフバランス資産との連動
(ストックオプション)
やめた人ほど重要(→オフバランス資産)


リクルート、IBM、SONY、マッキンゼー
リクルートの人事戦略


2015/9/30
売り上げ増進、経費削減の明確なもの
38歳で退職金MAX
中高年の肥大化/不活性化を防ぐことができる
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
58
Cf. 関係性


2015/9/30
顧客との信頼関係
サプライチェーンの統合力
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
59
足し算からかけ算へ

オフ・バランス資産の評価
→
足し算
かけ算
顧 客
特 許
ノウハウ
ブランド

cf.バランスドスコアカードの視点
財務パフォーマンス
↑
顧客へ提供する価値
↑
プロセス
↑
成長と学習
2015/9/30
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
60
オフバランス資産を生かす
時価総額
ブランド
ノウハウ
負債
顧客
資産
資本
2015/9/30
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
61
オフバランス時代のために

知識を価値へ

知識にもビジネスモデルが必要


調達、製造、販売cf.CASTI、リクルートTMDほか
研究開発、商品化、流通(知財制度では商品化、流通が弱い)



がんばった人が報われるように



職務発明(→特許流通、社内ベンチャー)
教官発明(→TLO)
発明以外にも価値の源泉はある

2015/9/30
cf.日本テクノマート
経営戦略としての取り組み
 買収、自社開発、クロスライセンス、標準化etc.
会社の仕組みを知っているという価値(社内の情シス部門)
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
62
オフバランス時代のために
ネットワーク・卒業生

共生の実現



知的資産→知的財産権
自由競争と共存共栄のバランス点(独占←→共有)
知識が価値になる長い道のりで何度も遭遇する交差点


知的財産権は知的資産の乗り物
オープン・アーキテクチャー化/ネットワーク外部性
(プロトコルの共有と協同による生産性向上)



2015/9/30
知財・人材・ブランド
現金・棚卸
土地・建物
Linux、Pl-X、MPEG2、ミスミ、プラネット
CMM、ISO、UML
←
KAIZEN(無理、無駄、斑の排
除)
(代替可能)
(代替不可)
(資源の冗長性要)
(最小資源)
(自立性大)
(自立性小)
人材の流動化→ソフトウエアへの置き換え
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
63
オフバランス時代のために

知的資産ポートフォリオ



メール、ML、NPO(情報源の多様化)
知的資産のポートフォリオ(多用な資産のマネジメントツール)
知的資産を増やす


社内より社外(異文化との交流が創造を生む)
NPOでのスキルアップ



2015/9/30
逆ピラミッド組織における機会の不足を補う(ex.リーダー経験)
企業、地域を越えた異文化交流
東京は巨大なシリコンバレー
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
64
オフバランス資産ファイナンス

知的財産権の証券化

著作権ファンド



特許ファンド



日本特許コンサルティング(事業化ファンド)
プリベチューリッヒ(訴訟ファンド)
ブランドファンド

2015/9/30
スクエア:FFの映画化資金の調達
David Bowie, Metallica
新光証券:ブランドに着目した投資ファンド
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
65
NPOビジネスインフラモデル

Linux:




メドライン:米国医学関連情報DB
MPEG-LA:



2015/9/30
オープンソースであるLinuxの上に関連サービスが
開花
Red Hat、VA-Linux等がリーナスらに株式を提供
分散した必須特許群の集中管理を実現
ライセンスコスト等を飛躍的に圧縮
Profit Neutralという価値
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
66
IPRベンチャリング


特許を押さえることによる事業化力を強化
ISP→ASP→IprP



ISP:Internet Service Provider
ASP:Application Service Provider
IprP:Intellectual Property Rights Provider


無限の顧客資産(orコミュニティー資産)

2015/9/30
ex.自動車を売るか自動車の作り方を売るか
ネットスケープ社vsワン・グローバル社
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
67
まとめ
時価総額
ブランド
ノウハウ
負債
顧客
資産
資本
2015/9/30
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
68
オフバランス経営革命

価値を生み出す源泉の変化


オフバランス資産の重要性の高まり



インターブランド社、PL-X社、資産を資本へ
オフバランス資産を生かす

2015/9/30
「作る」から「使う」へ、柱を持つ、コミュニティーとともに
資産を減らす
オフバランス資産を計る


38%→ 70%
オフバランス経営のために


スピード化、ソフト化、ネットワーク化
資金調達、Profit Neutral、知的財産権ベンチャー
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
69
オフバランス経営革命

オフ・バランス資産の評価
足し算
→
かけ算
顧 客
特 許
ノウハウ
ブランド

資産は企業の支配力が及びやすい順の同心円上に
ネットワーク・卒業生
知財・人材・ブランド
現金・棚卸
土地・建物
2015/9/30
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
70
オフバランス経営革命
マーケットの
ポートフォリオ
資産の
ポートフォリオ
資産の目利きの
ポートフォリオ
2015/9/30
Copy Rights All Reserved (C)
Business-IPR, 2001
71