2003年春学期 Term Project

2003s Term Project
機器の切り替えにおける
時間的連続性を目的とした
サービスローミング機構
B3
mics
所属KG move!
目指す世界
テレビ電話やストリーミング番組などのリア
ルタイム性サービスが機器間を移動。
その移動時間を皆無とし、ユーザは視点を
切り替えるような感覚でサービスを移動さ
せられる世界を目標とする。
Term Project 2003s
目標に向けての今期のアプローチ
問題点の明確化
• ブランクタイム
 ユーザにサービスが提供されない時間と定義
• 時間的連続性の必要性
 ブランクタイムがないことと定義
NAGORIモデルの提案
実験用ストップウォッチと評価
• 本モデルの有効性
NAGORIモデルを用いたマルチメディアアプリケー
ション「BREEZE」β版の作成
想定する環境
現在の問題点
サービスが端末間を移動する際の時間
移動する際にサービスは一度停止されるため、
停止から再開までの無駄な時間(ブランクタイ
ム)がある。
もし時間軸に大きく関係するサービスであった
場合、ブランクタイムがユーザの活動を妨害し
かねない。
端末の切り替えにおける時間的連続性が必要!!
解決案
1. サービスが移動し終わるまで、元のサー
ビスを継続させる
Copy:移動させるサービスを、元サービスの
コピーにすることで可能
2. ライブ性サービスでなかった場合、移動
時間分の誤差を考慮する
Synchronize:移動元と移動先でサービスの
再生や受信開始時間を同期
NAGORIモデル(名残モデル)
5:Resume
3:Prepare
6:Destroy
1:Copy
Object A
Object B
Object B
2:Move
4:Synchronize
実装
実験・評価用ストップウォッチ
Java1.4.1
移動型マルチメディアアプリケーション
「BREEZE」
Java 1.4.1 & JMF 2.1.1e
今回は試作版
評価(計測)
ブランクタイムがどれだけ減らせたか
オブジェクトの大きさによる移動時間の変
化
ブランクタイムと時間軸の誤差(1)
現実の時間と、ストップウォッチが刻む時
間を計測。
ストップウォッチを開始するとともに現実の時
間を計測開始
移動前と移動後の時間を比較。
ブランクタイムと時間軸の誤差(2)
NAGORIモデルを用いない
移動の場合
NAGORIモデルを用いた
移動の場合
ブランクタイムと時間軸の誤差(3)
本モデルを用いた場合、ブランクタイムと
誤差を大幅に抑えることが可能
時間的連続性を実現する場合に、
NAGORIモデルは有効な手段であると言
える
オブジェクトのサイズ変化による
移動時間増加率(1)
オブジェクトが大きくなるにつれて、オーバーヘッド
がどれほど増えるか。
CopyとShynchronizeが本モデルによって加えられた機能
計測方法
ストップウォッチに1KBずつ、10KBまでの重さをつけて
端末間を移動させた。(500回の平均値)
Copyからresumeまでの各シーンにおける時間を計測
•
•
•
•
•
copy
writeObject(=move)
readObject(=move)
arrive(=prepare)
resume
オブジェクトのサイズ変化による
移動時間増加率(2)
オブジェクトのサイズ変化による
移動時間増加率(3)
シリアライズとデシリアライズ時間
オブジェクトのサイズ変化により変化
copyとsynchronizeに必要とされる時間
サイズの大きなオブジェクトでも、それほど所
要時間は変化しない。
→ある程度固定のオーバーヘッドでブランク
タイムをなくすことができる。
応用例
時間的連続性をもった移動型マルチメディ
アアプリケーション「BREEZE」
β版を作成
• 各端末のローカルファイルの再生。
前提:ローカルに同じファイルがある
• ビデオのようなストック型ファイルのストリーミング
への対応策の例示
デモ
応用例での評価
移動時間:1.5秒
アプリケーションのサイズが大きくなることに
よって移動時間も増えていく
動画のズレ:0.7秒
ファイルをシークして再生するにかかる時間と
考えられる
アプリケーションサイズが大きくなっても、この
ズレはあまり大きくならない
結論
NAGORIモデルのようなシンプルな構造で、
サービスの時間的連続性を実現すること
が可能である。
今回のストップウォッチの場合、移動前後
の誤差は、わずかな差まで減らすことがで
きた。
終わり