日本語教育学研究法

日本語教育学研究法
研究計画の設計と方法
細川 英雄
早稲田大学大学院日本語教育研究科
http://www.f.waseda.jp/hosokawa/
研究計画の設計と方法
 1.設計のための二つの視点
 2.テーマの把握
 3.テーマの提示
 4.結論の見通しへ
1.設計のための二つの視点
 1 自分のテーマを把握する
テーマを一つに絞る
問題関心を意識化する
 2 テーマを他者に提示する
インターアクションの活用
意識化から問題提起へ
2.テーマの把握
 テーマを一つに絞るため手順
 ①動機(なぜ) 自分がそのテーマを選んだ理由
を書く。小さな物語から大きな物語へ。
 ②具体例(だから) テーマを説明するための具
体的な例。エピソード、用例など。
 ③当面の結論(と考える) 自分の考えのまとめ。
↓
 問題関心の意識化 自分の問題として捉える。
テーマを一つに絞ることは、自分のテーマを他者
に提示するための準備。
問題関心を意識化する
問題関心
〈テーマ〉
「なぜ」
 問題関心
 なぜこのテーマか。
自分の問題として捉える。
具体例の提示
「だから」
 具体例の提示
 用例・データなど、テーマの
根拠を具体的に示す
 当面の結論(問題意識)
結論
「と考える」
問題意識化
 具体例を踏まえ、自分の
意見(仮説)をまとめる
3.テーマの提示
 問題意識(仮説)
↓
 インターアクションの活用
1.データの収集と検討
データを収集・検討し、仮説の根拠を問い直す
2.先行研究とのすり合せ
従来の研究を探索し、自分の仮説の位置づけを考える。
3.他者との議論
自分の意見を他者にぶつけ、他者からも意見をもらい、そ
れを比較しながら、もう一段階上の自分の立場を形成する。
↓
 問題提起へ(他者への提示)
意識化から問題提起へ
〈テーマ〉
問題意識
 問題意識(仮説)
 テーマに関する自分の立場
 インターアクションの活用
インターアクションの活用
 データの収集・検討
 先行研究とのすり合せ
 他者との議論
結論
問題提起
 結論への見通し(問題提起)
 インターアクションを経て、結
論の見通しを立てる
4.結論の見通しへ
 結論の見通しのための手順
 1.自分の考え(立場)をつくる(仮説)
↓
 2.インターアクション(考え方のグレードアップ)
データ/先行研究/他者との対話
↓
 3.問題提起へ 他者と共有する論理の獲得
 研究のための循環スパイラル
仮説→インターアクション→結論(新しい仮説)・・・
日本語教育学研究法
研究計画の設計と方法
研究のための循環スパイラル
この循環の繰り返しが研究の基本姿勢
仮説→インターアクション→新しい仮説・・・
問題関心の意識化から問題提起へ
 自分の問題として捉える(問題関心の意識化)
 インターアクションの活用(仮説から問題提起へ)
 他者と共有する論理の獲得(他者への提示)
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 「大学院に行こう」
(「月刊日本語」アルク2003・4-2004・3)
 細川 英雄 早稲田大学大学院日本語教育研究科
 http://www.f.waseda.jp/hosokawa/