第5回 独立2群の差の検定 教科書p72~89 問題例1 健常人5名(N群)、バセドウ病患者7名(B群)に糖負荷検査を 行い、負荷後30分血糖上昇値を求めた。両群間に差があると 言ってよいか。(但し、両群は等分散とみなせるとする。) N群 54 49 42 40 35 B群 68 65 60 56 52 47 44 帰無仮説:両群に差はない=> 同一母集団からのデータ 正規分布(母平均、母分散は未知) N群の平均値:μ1 B群の平均値:μ2 H0:μ1=μ2 対立仮説:両群の血糖上昇値に差はある H1:μ1≠μ2 有意水準5%で検定 n1 求められる統計量 N群の平均値m1、標準偏差s1 B群の平均値m2、標準偏差s2 s1 2 x m Ni 1 i 1 n1 1 m1の標準誤差: m1 m2の標準誤差: s1 n1 期待値<m1 –m2>=0:正規分布(標準偏差s) m1 –m2の標準誤差Δm=(Δm1 2 +Δm2 2)1/2 2 s1 s2 1 1 m s n1 n 2 n1 n 2 m1 –m2を標準誤差Δmで標準化する m1 –m2 Δm m1 –m2 :正規分布 Δm:統計量 n1 2 s2 n2 2 x m y m i 1 i 2 2 i 1 i 1 n1 n2 2 自由度n1+n2-2のt分布 n1 s1 2 x m Ni 1 i 1 n1 1 s1 n1 1 s2 n2 1 2 s n1 n2 2 2 2 s1=s2=s 2 2 s1 s2 1 1 m s n1 n 2 n1 n 2 |tα=0.05|=2.228 m1 m2 t m = 44-56 4.93 自由度df=n1+n2-2=5+7-2=10 m1 –m2 Δm =t m1 –m2 :正規分布 Δm:統計量 m1 m2 44 56 t 2.44 m 4.93 tα=0.05=2.228 π|t|≧2.44<α 帰無仮説を棄却 t=2.44 期待値の合成 正規分布N(μ1,σ12)とN(μ2,σ22)の母集団から、それぞれn個の 標本を取り出した。i個目の標本同志の和zi=xi1+xi2も正規分布 に従う。 測定値: 平均値 不偏分散 x11, x12,・・・, x1n m1 s1 2 x21, x22,・・・, x2n m2 s2 2 z1, z2, ・・・, zn m s2 平均値の期待値 <m1>=μ1 <m2>=μ2 <m>=? n=∞ 分散の期待値 <s12>=σ12 <s22>=σ22 <s2>=? <m>=<m1 + m2>=<m1>+<m2>= μ1 + μ2 n s2 z i m i 1 x n i 1 n 1 2 x x m m i1 i 2 1 2 i 1 n 1 i1 m1 2 x i1 m1 x i 2 m2 x i 2 m2 2 2 n 1 n n 2 x i 1 i1 n 2 i 1 i 1 n 1 s1 s2 2 n m1 x i 2 m2 2 x i1 m1 x i 2 m2 2 2 s 2 s1 s2 2 2 1 2 2 2 問題例2 糖負荷検査を行い、負荷後30分血糖上昇値の標準偏差は 健常人で7.5、バセドウ病患者で9.0と分かっている。ある負荷検査で 健常人5名の平均値44、バセドウ病患者7名の平均値は56であった。 両群間に差があると言ってよいか。 帰無仮説:両群に差はない=> 2つの正規分布の母集団 (平均、分散は既知) H0:μ1=μ2 対立仮説:両群の血糖上昇値に差はある 有意水準5%で検定 H1:μ1≠μ2 σ 人数 平均 2 2 健常人 σ1=7.5 n1=5 m1=44 sm1 1 n1 患者 σ2=9.0 n2=7 m2=56 平均値m1,m2の合成分散 sm sm1 sm 2 2 2 2 (m1-m2)をsmで標準化 m1 –m2 sm =z m1 –m2 :正規分布 sm :母標準偏差 z:標準正規分布N(0,1) sm 12 n1 m1 m2 44 56 z 2.5157 sm 4.777 22 n2 7.52 9.02 4.777 5 7 zα=0.05=1.96 π|z|≧2.52<α 帰無仮説を棄却 z=2.52 問題例3 血中中性脂肪の正常値を求めるため、健常成人男性30例、 女子40例を測定した。 平均 標準偏差 例数 男 120 s1=21 n1=30 女 135 s2=30 n2=40 男女別設定値を設定する必要があるか。有意水準5% 分散s12、 s22は等しいか? s22 s12 =u F分布;自由度(n2-1,n1-1) mn m m n 自由度(m,n)のF分布; m 2 m 2 2 1 m 2 f (u : m, n) u 1 u n m n n 2 2 n1=39,n2=29 uα=0.05(df1=40,df2=30)=1.79 302 u 2 2.04 21 π|u|≧2.04<α 帰無仮説を棄却 分散s12、 s22は等しくない F分布表 分子 分母 m1 –m2 Δm =t m1 –m2 :正規分布 Δm:統計量 2 2 s1 s2 212 302 m 37.2 6.099 n1 n 2 30 40 m1 m2 120 135 t 2.459 m 6.10 2 s12 s2 2 n n 37.212 1384 1 2 df 67.7 2 2 2 2 2 2 21 30 20 . 43 s1 s2 30 2 29 40 2 39 n n 1 2 n1 1 n2 1 tα=0.05,df=67=1.995 π|t|≧2.46<α 帰無仮説を棄却 t=2.459 演習5.1 A,B2種類の野菜を同じ条件で栽培し、収穫時に地上部分の 重さを測定した。A,Bの収穫量に差があるといえるか。 有意水準5%で検定しなさい。 野菜A 3.6 3.1 3.7 3.3 3.2 kg 野菜B 3.1 2.3 2.9 2.4 3.3 3.0 kg 演習5.2 ある大学のA,B 2つのクラブ員の身長を測定した。 A 178 165 168 152 175 175 165 162 164 170 169 155 153 162 168 B 180 168 173 156 177 175 169 165 167 173 171 158 両クラブ員平均身長に差があるといってよいか。 有意水準5%で検定しなさい。
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