応用統計学第4回

第4回 関連2群と一標本t検定
教科書p28~49
問題例1
6人の高血圧の患者に降圧剤(A薬)を投与し、前後の収縮期血圧
を測定した結果である。
血圧(投与前):pi
138 128 140 136 147 154
血圧(投与後):ai
126 113 135 132 139 156
前後の差:di= pi-ai
12 15
5
4
8 -2
帰無仮説:A薬の効果はない=>dの母集団は平均値0の正規分布
分散は未知
対立仮説:A薬の効果による差d≠0
有意水準5%で検定
標本平均dm=42/6=7
dの不偏標準偏差
6
sd 
2


d

d
 i m
i 1
n 1

184
 6.0663
5
平均値dmの標準誤差Δd
6
d 
sd

n
2


d

d
 i m
i 1
nn  1
dの平均値を標準誤差で標準化(規格化)する
dm
自由度n-1のt分布
Δd
 p 1
p 1


2  2
2   t 
1  
f (t : p)  
p
p
 
p   
2
dm:正規分布
Δd:統計量


k    x e dx   x e
0
k 1  x
 k  1k  1
k 1  x


0
:自由度pのt分布

(1)  1
0
1
   
2
 k  1 x k 11e  x dx
(k=1,2,3,・・・)
k   k  1k  1  k  1k  2k  31 1
1 
1 
1 
1 
1 
1 1 1

 k     k  1   k  1     k  1   k  2   k  3     
2 
2 
2 
2 
2 
2 2 2

t分布(W.G.GossetのStudent分布)
df P=0.05 P=0.01
1
12.706
63.655
2
4.303
9.925
3
3.182
5.841
4
2.776
4.604
5
2.571
4.032
6
2.447
3.707
7
2.365
3.500
8
2.306
3.355
9
2.262
3.250
10
2.228
3.169
t
自由度(df)
Degree of Freedom
P
2
P
2
-t
df=5, tα=0.05=2.571
t
dm
Δd
dm:正規分布
Δd:統計量
dm
7
7
t


 2.83
sd
6.0663 2.477
6
n
tα=0.05=2.571
πt≦α
帰無仮説を棄却
t=2.83
問題例2
8人の高血圧患者で、臥位と立位で昇圧ホルモンの値Aを比較した。
体位によってAの値は変動するといってよいか。有意水準5%
臥位 0.1 0.3 0.1 1.7 0.4 0.3 0.2 0.8
立位 0.2 0.5 0.8 2.3 0.1 0.7 0.8 1.3
差
0.1 0.2 0.7 0.6 -0.3 0.4 0.6 0.5
測定値Aの母集団は正規分布とは言えない ノンパラメトリック法
帰無仮説:体位によってAの値は変動しない
差が正になる確率p=0.5
対立仮説:立位の方が大きくなる(p>0.5)
差が正になるデータ数rは2項分布に従う
データは差が正になった回数r=7
符号検定
8
確率P(i≧7) =∑8Cipi(1-p)8-i =8C7p7(1-p)1 +8C8p8(1-p)0
i=7
=0.0313+0.0039=0.0352
確率P(i≦7)≦α=0.05
対立仮説を採択:体位によって
昇圧ホルモン値は変動する。
確率P(i≧7)
=0.0313+0.0039
=0.0352
問題例3
30人の医師が、2種類の鎮痛剤A、Bの効果を5段階評価した。
効果に差があるといってよいか。有意水準5%
A 4 4 5 5 3 2 5 3 1 5 5 5 4 5 5 5 2 3 1 5 2 3 4 5 4 3 4 3 4 2
B 2 3 3 3 3 3 3 3 2 3 2 2 5 2 5 3 4 4 3 1 1 1 2 3 3 3 2 1 3 3
- - - - 0 + - 0 + - - - + - 0 - + + + - - - - - - 0 - - - +
無効 1---5 著効
測定値A、Bの母集団は正規分布とは言えない
帰無仮説:鎮痛剤A、Bの効果に差はない
差が負になる確率p=0.5
対立仮説:鎮痛剤A、Bの効果に差はある(p≠0.5)
B-Aが正:7ケース
負:19ケース
0:4ケース
(7+19)の標本:2項分布の母集団
7
確率P(i≦7) =∑26Cipi(1-p)26-i
i=0
=0.014479637
x=r+0.5 連続性の補正
2項分布:B(x;n,p)
n>25
測定値r=7
P(r≦7 or r≧19)=0.028959
P(|z|≧2.16)=0.0308≦α=0.05
帰無仮説を棄却
:鎮痛剤A、Bの効果に差はある
正規分布:N(x;μ=np,σx2=np(1-p))
μ=13、σx=2.5495
標準化 z= (r+0.5)-μ
σx
=
(7+0.5)-13
2.55
z=-2.16
P(|z|≧2.16)=0.0154×2=0.0308
標準正規分布表
2項分布:B(x;26,0.5)
正規分布:N(x;μ=np,σx2=np(1-p))
μ=13、σx=2.5495
演習4.1
2通りの方法で10個の容器の体積を測定した。2通りの方法に
何らかの偏りがあるか。有意水準5%で検定しなさい。
方法1 10.5 11.6 10.4 11.7 12.2 11.7 11.4 12.8 10.1 10.2 ml
方法2 8.9 10.3 10.5 10.6 10.8 10.6 10.4 11.0 9.2 12.3 ml
演習4.2
30人の医師が、新開発の貼り薬A、疑似薬Bを半々にしたシップを
臨床試験している。医師はどちらが疑似薬かは知らされていない、
カルテに有効性を5段階で記入してもらい、整理した結果が次の
データである。新薬は有効と言ってよいか。有意水準5%
A 4 4 5 5 3 2 5 3 1 5 3 4 4 4 4 2 2 3 1 5 2 3 4 5 4 3 4 3 4 2
B 2 3 5 3 4 3 3 4 2 3 4 2 5 4 5 3 4 4 3 5 3 4 2 3 5 4 2 4 3 3