輸血の歴史

病原体の不活化
鹿児島大学輸血部
古川良尚
感染性因子の不活化技術の導入
• 効果・安全性・実用性について、評価を継続中
ソラレン59、メチレンブルー、リボフラビン
• 評価チームを中央血液研究所内に結成予定
• 血小板製剤への不活化導入: 平成20年度以降?
ソラレンS-59
• 分子中の2箇所の反応部位
(矢印)において病原因子の
DNAあるいはRNAの2重螺旋
を紫外線を用いてクロスリンク
させる事でその機能を阻害。
• 血小板と血漿を対象としたシステム
• 長期毒性、発癌性、生殖毒性については安全が
確認されている。
• ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ギリシャ、イタリア、
ルクセンブルク、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、ノルウェー
で承認されている。
リボフラビン(ビタミンB2)
• リボフラビンが可視光及び紫外
線を吸収し、DNA、RNAの塩基
を酸化させて不活化する
• 血小板を対象としたシステム
• 毒性がない点が特徴
• 処理により血小板の機能(回収
率と生存率)に影響を与える点
が難点。
メチレンブルー
• メチレンブルーが核酸に侵入し
て増感後に生じた一重酸
素がグアノシンを酸化する事
で螺旋が崩壊。
• 古くからメトヘモグロビン血症の治療薬として使われて
おり安全性が高い。
• 大部分導入済:スペイン、スコットランド
• 一部導入: イタリア、イングランド、ベルギー、ギリシャ、ドイツ、
ノルウェー
• 準備中: フランス