3 経済活動別市内総生産(生産側) (1)名 目 平成 24(2012)年度の市内の生産活動によって生み出された財貨・サービスの合計(産出 額)は 10 兆 6,298 億円、生産の過程で必要となった物的経費、サービス経費等(中間投入) は 5 兆 5,494 億円でした。この結果、新たに生産された付加価値(市内総生産)は差し引き 5 兆 804 億円であり、対前年度増加率は 0.9%減となりました。 産業別に市内総生産の構成比をみると、最も高い産業は製造業の 21.1%となっており、次 いで不動産業の 20.7%、サービス業の 15.4%となっています。また、製造業などの第 2 次産 業の割合は前年度より低下して 26.0%、サービス業などの第 3 次産業の割合は前年度より上 昇して 73.2%と高い割合を占めています。(表 3、図 4) 経済活動別の対前年度増加率は、電気・ガス・水道業 15.1%増、運輸業 4.6%増、サービ ス業 1.8%増など 11 分類のうち 5 つの産業で増加しました。一方、金融・保険業 7.3%減、 製造業 6.9%減、建設業 4.6%減など 6 つの産業で減少しました。 市内総生産(生産側)の対前年度増加率△0.9%に対する寄与度をみると、電気・ガス・水 道業 0.39%や不動産業 0.35%などが増加に寄与し、製造業△1.55%や卸売・小売業△0.26% などが減少に寄与しています。(表 3) 表3 実 数 (100万円) 項 目 産 農 林 水 産 業 鉱 業 (2) 製 造 業 (3) 建 設 業 (4) 電 気・ガ ス・水 道 業 (5) 卸 売 ・ 小 売 業 (6) (7) 金 融 ・ 保 険 業 不 動 産 業 (8) 運 輸 業 (9) (10) 情 報 通 信 業 (11) サ ー ビ ス 業 平成22年度 平成23年度 平成24年度 政 府 サ ー ビ ス 生 産 者 電 気・ガ ス・水 道 業 (2) サ ー ビ ス 業 公 務 (3) 2 (1) 対 家 サ ー 計 ビ 民 間 ス 非 生 対前年度増加率(%) 23 市内総生産増加に対する寄与度(%) 24 業 4,795,142 4,721,597 4,677,130 △ 1.5 △ 0.9 3,497 3,535 3,485 1.1 △ 1.4 154 217 149 40.9 △ 31.3 1,268,274 1,152,636 1,072,984 △ 9.1 △ 6.9 242,547 260,905 248,918 7.6 △ 4.6 163,947 132,778 152,803 △ 19.0 15.1 485,345 515,814 502,614 6.3 △ 2.6 146,116 142,864 132,480 △ 2.2 △ 7.3 1,011,136 1,033,938 1,051,994 2.3 1.7 330,833 332,480 347,718 0.5 4.6 383,892 378,500 382,315 △ 1.4 1.0 759,401 767,930 781,670 1.1 1.8 1 (1) 3 経済活動別市内総生産(生産側、名目) 営 産 利 者 283,652 39,247 75,565 168,840 284,406 40,062 76,269 168,075 275,087 38,441 74,538 162,108 83,867 89,297 91,099 構成比(%) 23 24 23 24 △ 1.42 0.00 0.00 △ 2.23 0.35 △ 0.60 0.59 △ 0.06 0.44 0.03 △ 0.10 0.16 △ 0.87 △ 0.00 △ 0.00 △ 1.55 △ 0.23 0.39 △ 0.26 △ 0.20 0.35 0.30 0.07 0.27 92.1 0.1 0.0 22.5 5.1 2.6 10.1 2.8 20.2 6.5 7.4 15.0 92.1 0.1 0.0 21.1 4.9 3.0 9.9 2.6 20.7 6.8 7.5 15.4 0.3 2.1 0.9 △ 0.5 △ 3.3 △ 4.0 △ 2.3 △ 3.6 0.01 0.02 0.01 △ 0.01 △ 0.18 △ 0.03 △ 0.03 △ 0.12 5.5 0.8 1.5 3.3 5.4 0.8 1.5 3.2 6.5 2.0 0.10 0.04 1.7 1.8 1.1 △ 1.4 △ 6.4 △ 6.5 0.8 1.1 △ 1.3 △ 1.0 15.4 1.2 10.6 △ 10.2 △ 1.2 △ 0.9 0.00 △ 1.87 0.57 △ 1.30 0.15 0.05 △ 1.19 △ 0.00 △ 1.79 0.78 △ 1.01 0.01 △ 0.05 △ 0.95 0.1 27.6 71.7 99.3 1.2 0.5 100.0 0.1 26.0 73.2 99.3 1.2 0.5 100.0 ( 再 掲 ) 第 1 次 第 2 次 第 3 次 小 産 産 産 業 業 業 計 輸 入 品に 課される 税・ 関税 (控除)総資本形成に係る消費税 市 内 総 生 産 ( 生 産 側 ) 3,497 1,510,975 3,648,189 5,162,661 52,260 24,076 5,190,845 3,535 1,413,758 3,678,007 5,095,300 60,303 26,619 5,128,984 3,485 1,322,051 3,717,780 5,043,316 61,015 23,900 5,080,431 注)第1次産業は農林水産業。第2次産業は鉱業、製造業、建設業。第3次産業はその他。 6 図4 農林水産業 市内総生産(生産側、名目)の経済活動別構成比 電気・ガス・水道業 金融・保険業 建設業 卸売・小売業 不動産業 製造業 鉱業 平成20年度 26.2 21年度 4.2 22.9 22年度 4.5 24.4 23年度 22.5 24年度 21.1 0% 10% 3.4 4.7 5.1 4.9 20% 2.7 10.1 10.5 3.2 2.6 3.0 10.1 17.6 2.9 19.2 2.8 19.5 9.4 2.8 9.9 30% 2.7 政府サービス生産者 情報通信業 運輸業 サービス業 対家計民間非営利 6.5 6.4 20.2 2.6 6.5 20.7 40% 50% 6.8 60% 14.3 5.6 1.5 7.6 14.8 5.6 1.6 7.4 14.6 5.5 1.6 7.4 15.0 5.5 1.7 7.5 15.4 5.4 1.8 7.7 6.5 70% 80% 90% 100% 注)輸入品に課される税・関税、総資本形成に係る消費税を除いたため、内訳の合計は100%にならない。 また、産業別構成比を特化係数 ※ でみると、製造業、電気・ガス・水道業、不動産業、運 輸業、情報通信業が 1 を超えており、川崎市がこれらの産業に特化していることがわかりま す。一方、農林水産業、鉱業、建設業、卸売・小売業、金融・保険業、サービス業などは 1 より低くなっています。(図 5) ※特化係数…「構成比(市値)/構成比(国値)」で算出しています。産業構造が全国と比べて どの程度偏りがあるかを表すもので、1 を超えていれば全国に比べ相対的に特化 しています。 図5 経済活動別市内総生産(生産側、名目)特化係数<市−国> 農林水産業 対家計民間 非営利 政府サービ ス生産者 2.0 構成比(%) 川崎市 全国 (年度値) (暦年値) 項 目 鉱業 特化係数 1 産業 (1)農林水産業 (2)鉱業 (3)製造業 (4)建設業 (5)電気・ガス・水道業 (6)卸売・小売業 (7)金融・保険業 (8)不動産業 (9)運輸業 (10)情報通信業 (11)サービス業 2 政府サービス生産者 3 対家計民間非営利 製造業 1.0 サービス業 建設業 0.0 電気・ガス・ 水道業 情報通信業 運輸業 卸売・小売業 不動産業 金融・保険業 0.1 0.0 21.1 4.9 3.0 9.9 2.6 20.7 6.8 7.5 15.4 5.4 1.8 1.2 0.1 18.1 5.6 1.7 14.4 4.5 12.0 5.0 5.5 19.8 9.2 2.3 0.06 0.05 1.17 0.87 1.77 0.69 0.57 1.73 1.37 1.36 0.78 0.59 0.76 注)川崎市は年度値、全国は暦年値を使用している。 7 −製造業の動き(名目)− 構成比の最も高い製造業の総生産は 1 兆 730 億円で、対前年度増加率は 6.9%減となりま した。 業種別では構成比が最も高いのは石油・石炭製品の 5,385 億円(構成比 50.2%)であり、 次いで電気機械の 1,093 億円(同 10.2%)、食料品の 1,024 億円(同 9.5%)となっています。 製造業総生産に対する寄与度は、増加に寄与している順に、電気機械 1.53%、食料品 1.09%、 輸送機械 0.83%などとなっています。一方、減少に寄与している化学△6.31%、一般機械△ 1.81%などにより、製造業全体の総生産は 6.9%減となりました。このうち化学は、原材料 使用額、燃料使用額の上昇などにより総生産の対前年度増加率が 47.9%減と前年に続き大き く減少しています。 また、製造業の業種別構成比を特化係数でみると、1 を超えているのは石油・石炭製品の 8.92、次いで鉄鋼の 1.10 となりました。(表 4、図 6) 表4 製造業の業種別総生産(名目) 実 数 (100万円) 対前年度増加率(%) 項 目 23 24 23 24 △ 6.9 △ 9.12 △ 6.91 100.0 (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) 食料品 繊維 パルプ・紙 化学 石油・石炭製品 窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 一般機械 電気機械 輸送機械 精密機械 その他の製造業 100.0 6.1 △ 9.1 △ 10.6 △ 43.0 3.3 △ 33.8 △ 30.3 △ 13.3 △ 39.4 9.1 14.6 25.3 36.6 △ 2.6 14.0 136.7 △ 31.4 △ 47.9 △ 3.2 70.2 0.5 26.8 35.6 △ 47.8 19.3 20.2 △ 17.7 △ 32.5 0.41 0.00 0.05 9.04 1.39 0.32 2.75 0.04 0.77 0.29 0.92 0.75 0.19 0.11 1.09 0.00 0.16 6.31 1.54 0.48 0.03 0.07 0.46 1.81 1.53 0.83 0.14 1.44 7.8 0.0 0.5 13.2 48.3 0.7 7.0 0.3 1.3 3.8 7.9 4.1 0.8 4.4 9.5 0.0 0.4 7.4 50.2 1.2 7.5 0.4 1.9 2.1 10.2 5.3 0.7 3.2 1,268,274 1,152,636 1,072,984 84,633 33 6,492 266,383 538,627 11,890 115,168 3,469 24,792 40,053 79,909 37,693 6,669 52,463 図6 89,827 30 5,801 151,730 556,299 7,876 80,261 3,007 15,022 43,709 91,602 47,244 9,112 51,116 102,382 71 3,979 78,978 538,524 13,405 80,627 3,814 20,375 22,803 109,251 56,777 7,499 34,499 23 △ △ △ △ △ △ △ △ 24 構 成 比 ( % ) △ 9.1 平成22年度 平成23年度 平成24年度 製 造 業 製造業総生産増加に 対する寄与度(%) △ △ △ △ △ △ 製造業(名目)の特化係数<市−国> 10.0 ※特化係数=構成比(市値)/構成比(国値) 8.92 9.0 … 8.0 2.0 1.0 1.10 0.85 0.67 0.0 食 料 品 0.01 0.14 繊 維 パ ル プ ・ 紙 0.42 化 学 石 油 ・ 石 炭 製 品 窯 業 ・ 土 石 製 品 鉄 鋼 0.80 0.18 0.37 非 鉄 金 属 金 属 製 品 8 0.18 一 般 機 械 電 気 機 械 0.39 0.40 0.28 輸 送 機 械 精 密 機 械 そ の 他 の 製 造 業 (2)実 図7 市内総生産(生産側)の増加に対する産業別寄与度 質(連鎖方式) 農林水産業 鉱業 名目 製造業 実質 物価変動の影響を除いた実質市内総生 産は 5 兆 4,131 億円となり、対前年度増加 建設業 率は 0.3%増となりました。増加率に対す 電気・ガス・水道業 る主な寄与度をみると、不動産業が 0.48%、 卸売・小売業 金融・保険業 不動産業 サービス業が 0.23%、運輸業が 0.21%と 運輸業 なっています。(表 5、図 7) 情報通信業 サービス業 政府サービス生産者 −各産業の動き(実質)− 対家計民間非営利 △ 2.00 実質市内総生産の対前年度増加率は、第 △ 1.50 △ 1.00 △ 0.50 0.00 0.50 1.00 (%) 2 次産業では、建設業が 5.7%減、製造業が 0.8%減となりました。第 3 次産業では、運輸 業が 3.4%増、不動産業が 2.4%増、情報通信業が 1.9%増となった一方、金融・保険業が 3.2%減、電気・ガス・水道業が 2.0%減、卸売・小売業が 1.6%減となりました。(表 5) 表5 経済活動別市内総生産(生産側、実質) 平成17暦年連鎖価格 実 数 (100万円) 対前年度増加率( %) 項 目 産 農 林 水 産 業 (1) 鉱 業 (2) 製 造 業 (3) (4) 建 設 業 電 気・ガ ス・水 道 業 (5) 卸 売 ・ 小 売 業 (6) 金 融 ・ 保 険 業 (7) 不 動 産 業 (8) 運 輸 業 (9) (10) 情 報 通 信 業 (11) サ ー ビ ス 業 平成22年度 平成23年度 平成24年度 業 1 政 府 サ ー ビ ス 生 産 者 電 気・ガ ス・水 道 業 サ ー ビ ス 業 (2) (3) 公 務 2 (1) 3 対 家 サ ー 計 ビ 民 間 ス 非 生 営 産 利 者 4,970,406 4,978,199 4,995,150 3,786 3,992 3,650 98 137 97 1,373,142 1,282,477 1,272,309 236,207 257,929 243,190 171,885 156,362 153,206 482,854 509,762 501,693 172,504 172,133 166,601 1,037,364 1,072,429 1,098,521 332,413 339,177 350,757 404,452 405,679 413,430 759,081 773,777 786,059 294,807 38,868 80,512 175,424 295,749 39,465 81,459 174,815 291,233 38,223 81,174 171,887 89,141 95,905 99,111 23 24 市内総生産増加に対する寄与度(%) 23 24 0.2 5.4 39.7 △ 6.6 9.2 △ 9.0 5.6 △ 0.2 3.4 2.0 0.3 1.9 0.3 △ 8.6 △ 29.6 △ 0.8 △ 5.7 △ 2.0 △ 1.6 △ 3.2 2.4 3.4 1.9 1.6 0.14 0.00 0.00 △ 1.69 0.40 △ 0.29 0.50 △ 0.01 0.65 0.13 0.02 0.27 0.3 1.5 1.2 △ 0.3 △ 1.5 △ 3.1 △ 0.3 △ 1.7 0.02 0.01 0.02 △ 0.01 △ 0.08 △ 0.02 △ 0.01 △ 0.05 7.6 3.3 0.13 0.06 5.4 △ 4.1 2.1 0.3 6.4 10.9 0.3 - △ 8.6 △ 1.7 1.1 0.3 △ 0.7 △ 9.0 0.3 - 0.00 △ 1.22 1.45 0.29 0.06 0.05 0.30 - △ 0.01 △ 0.49 0.75 0.29 △ 0.01 △ 0.05 0.33 - △ △ △ △ △ △ △ 0.31 0.01 0.00 0.19 0.27 0.06 0.15 0.10 0.48 0.21 0.14 0.23 ( 再 掲 ) 第 1 次 第 2 次 第 3 次 小 産 産 産 業 業 業 計 輸 入 品に 課される 税・ 関税 (控除)総資本形成に係る消費税 市内総生産(生産側、連鎖価格) 開 差 3,786 3,992 3,650 1,609,575 1,544,194 1,517,859 3,745,337 3,823,335 3,864,014 5,354,530 5,369,868 5,385,380 49,668 52,833 52,437 24,630 27,306 24,838 5,379,487 5,395,552 5,413,092 94 172 △1 注)連鎖方式では、各項目の小計と全体の合計が一致しない(=加法整合性が成立しない)ため、その差額として「開差」項目を 設けている。なお、同様の理由で構成比は掲載していない。 9
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