資料-1「かわまちづくりとは」 - 国土交通省 東北地方整備局

「かわまちづくり」とは
「かわまちづくり」とは
※平成19年3月「かわまちづくりシンポジウム」話題
提供 国土交通省河川局久保田河川環境課長が使
用した資料にオリジナル資料を追加した資料
かつての川と人との関わり
かつての川と人との関わり
暮らしの場としての川
洗濯などをする暮らしの場とし
ての川の様子
(瀬田川/昭和20年代)
コウノトリと人々が共生している様子
( 出石川/昭和35年)
かつての川と人との関わり
かつての川と人との関わり
水上交通網としての川
食料や物資を運ぶため川を往来する
高瀬舟の様子 (利根川/大正時代)
舟運とまわりの河川状況
(太田川/大正時代)
かつての川と人との関わり
かつての川と人との関わり
子供の遊び場としての川
川内川下流部/昭和初期
大和川(王寺町)/昭和30年頃
川と人との関わりの減少
川と人との関わりの減少
効率的な治水整備により、
三面張にされた河川。
建物も河川から背を向けた。
コンクリートの排水路になっ
た河川
川と人との関わりの減少
川と人との関わりの減少
直線化された河川
高い堤防で街と分断された河川
川と人との関わりの減少
川と人との関わりの減少
スカム
昭和50年頃の綾瀬川
ゴミやスカム(浮きかす)
が浮いていた
大量にゴミが投棄された河川
河川環境施策の変遷
河川環境施策の変遷
河川法改正 年(
政策レビュー)
生態系の重視
多自然川づくり基本方針
昭和50年
まちづくりとの
一体化
平成19年
環境用水の取扱いの明確化
親水性向上
直轄総合水系環境整備事業、
統合河川環境整備事業の創設
昭和40年
14
平成17年
河川環境整備事業調査費
【世界の動き】
昭和30年
自然再生事業の創設(
H 新規施策)
【
社会の動き】
〈S45水質汚濁防止法〉
平成14年
河川環境管理の
基本的考え方の確立Ⅱ
・高度経済成長 ・オープンスペースの減少 ・河川環境施策の推進
・急速な都市化 ・親水性へのニーズ
・理念の確立の必要性
・公害問題
〈S33水質の保全に関する法律〉 〈S47自然環境保全法〉
〈S33工場廃水の規制の法律〉 〈S46環境庁設立〉
〈S42公害対策基本法〉
河川整備基本方針・
河川整備計画の策定
オープンス
ペースの確保
21
平成9年
河川法改正
水質汚濁
改善
清流ルネッサンス
魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業
「
河川水辺の国勢調査」
実施
ラブリバー制度
桜づつみモデル事業
マイタウン・
マイリバー整備事業
ふるさとの川モデル事業
河川整備基金
河川環境管理の
基本的考え方の確立Ⅰ
平成7年
今後の河川環境のあり方について
河(川審議会答申)
平成2年~
「
多自然型川づくり」
の推進
昭和58年
河川敷地占用許可準則の改正
昭和56年
河川環境管理基本計画の策定
河川環境管理のあり方について
河(川審議会答申)
砂防環境整備事業
ダム周辺環境整備事業
直轄流況調整河川事業
河道整備事業
河川浄化事業
河川敷地占用許可準則の制定
昭和40年
隅田川の浄化
水質汚濁防止連絡協議会設置
【
河川行政の対応】
水質調査の実施
昭和33年~
10
河川環境の整備と保
全を河川法の目的化
安全でおいしい水
への期待
自然再生の要請
・まちづくりの展開
・自然愛護思想の高まり
・歴史・景観・文化の重視 ・地球環境問題への関心
・うるおいのある
・安全でおいしい水へのニーズ
水環境への関心
〈H4絶滅の恐れのある野生動物の種の保存に関する法律〉
〈H4アジェンダ21〉
〈H9環境影響評価法〉
〈H5環境基本法〉
〈H6環境政策大網〉
〈H15自然再生推進法〉
〈H6環境基本計画〉
昭和60年
平成元年
平成10年
平成15年
〈H9気候変動枠組み条約
〈S60ウィーン条約採択
〈S47ロンドン条約
(オゾン層保護)〉 〈H4環境と開発に関する 第3回締約国会議(京都)〉
〈H14ヨハネスブルクサミット(持続可能な
〈S47国連人間環境会議、 (廃棄物海洋投棄防止)〉
国連会議(地球サミット)〉
〈S48マルポール条約
開発に関するヨハネスブルク宣言)〉
人間環境宣言採択〉
〈S63気候変動政府間
〈H4気候変動枠組み条約、
(船舶汚染防止)〉
〈H13残留性有機汚染物質
パネル(IPCC)発足〉
生物多様性条約等採択〉
〈S47国連環境計画(UNEP)発足〉
ストックホルム条約採択〉
〈S46ラムサール条約採択〉
地域整備と一体となった川づくり
地域整備と一体となった川づくり
桜づつみモデル事業
ふるさとの川づくり整備
堤防整備にあわせて、自治体が桜並木を植栽
(多摩川/羽村市)
マイタウン・マイリバー整備事業
区画整理と河川改修を一
体的に行い、公園内に河
川を整備
(腰巻川/弘前市)
沿川の市街地整
備とあわせて、水
辺環境の向上に配
慮した河川改修
(紫川/北九州市)
地域と連携した川づくり
地域と連携した川づくり
水辺プラザの整備
水辺の楽校
水辺の魅力を最大限に引き出す整備に
より、地域交流の拠点となる「にぎわいの
ある水辺」を創出。
「水辺プラザ」のイメージ
地域の身近な水辺における環境学習や自
然体験活動を推進するため、安全に水辺に
近づけるような水辺等を整備。
「水辺の楽校」のイメージ
小学校
川の資料館 多目的広場
川の港
潜り橋
堤防の緩傾斜化
親水護岸等
渡り石
ワンド
川の港・カヌー
キャンプ場
ボート乗り場
緑地
乗馬場
遊歩道の整備
水辺に近づける河岸整備
秋鹿なぎさ公園 全景
イベントの様子
(水辺プラザ「秋鹿なぎさ公園」/斐伊川水系斐伊川)
小学生によるワンドの水生生物調査の実施の様子
(滝合水辺の楽校/多摩川水系浅川)
かわまちづくりによる地域の賑わいの創出
かわまちづくりによる地域の賑わいの創出
3.清澄な水が豊かに流れる川の復活
1.「川の森」づくり
・地下空間からの湧水や下水の高度処理水等
の未利用水源を積極的に活用
・緑のネットワークを
構築することにより、
安らぎのある木陰を
提供
・風の通り路として
ヒートアイランドの緩
和、優れた景観の創
出など多様な効果を
もたらす空間を形成
・水環境改善のために河川の水を導水
植樹を行った堀込河川(高田川)
多摩川上流水再生センターから千川上水等に高度
処理した下水処理水を1日約38,000m3導水。
2.都市の川を活用した賑わいの創出
4.地域の風土・文化に触れるかわづくり
・舟運、オープンカフェ、
イベント等の展開し、都
市の賑わいを創出
・河川及びその周辺地域
の自然、歴史、文化の発
掘や拠点整備
・地域の自治体や住民
等と河川管理者が協力
して、河川の利活用に
関する計画を策定
・川沿いの連続する遊歩
道(フットパス)の整備
京橋川オープンカフェ
・リバーガイドを支援する
システムの構築
最上川のフットパス
歴史的街並みを活かしたかわづくり ~小野川(千葉県香取市)~
小野川は香取市(旧佐原市)の中心市街地を貫流する一級河川(千葉県管理)。
かつては利根川舟運の交通拠点として繁栄し、沿川には歴史的建築物が多数存在。
三菱館(元銀行)
伊能忠敬旧宅
H3 市民団体(小野川と佐原の町並みを考える会)発足
→町並み保存基本計画を市に提案(H5)
H4 小野川ふるさと川づくり開始
県市が連携して親水護岸、遊歩道整備、沿川
建築物保存等を実施
H9 町並み案内ボランティア開始(市民団体)
H14 まちおこし会社((株)ぶれきめら)発足
市、市民団体の出資による。
まちおこし会社による「小野川舟めぐり」(H15~)
歴史的街並みを活かしたかわづくり ~勢田川(三重県伊勢市)~
・勢田川は伊勢市の中心市街地を貫流する一級河川。
・かつて「河崎」は、勢田川の水運を利用し、参宮客の台所として繁栄。
・参宮船が陸上交通にかわり沿川商業地区が衰退。水質も悪化。
・水質の改善とあわせ、船参宮の歴史ある舟運の復活・歴史的建築物を
活かしたまちづくりを推進。
伊勢神宮
河川管理者:
底泥浚渫、浄化用水導入、
環境護岸・船着場設置
伊勢市:
旧家、土蔵を買い取り改修
地域のNPO:
歴史的街並みと調和した環境
護岸整備(H12~:河崎地区)
市の委託により川の駅、商
人館を運営、イベント開催
河崎川の駅(H15~)
船参宮の復活に向けて
海の駅・川の駅整備全体構想
(伊勢市とNPOが協力で策定)
伝統技術で建造した木造船を
用いて地域のNPOが運航開始
(平成17年2月~)
伊勢河崎商人館(H14~)
地域と連携した賑わいあるかわづくり ~新町川(徳島県徳島市)~
・徳島市内を流れる新町川では、パラペット堤により親水性が欠如し、市街地と川が分断。
・中心市街地との一体化、回遊性確保のため、県市が連携し、親水護岸整備と水際公園
整備を実施(S61~)。
水上ステージでのイベント
憩いの場となっている水際公園
市民団体「新町川を守る会」の活動
H2~
河川清掃を開始。
H7~
無料で周遊船の
運航を開始。
商店街組合が整備したボードウォーク
はパラソルショップで賑わう(H10~)。
地域の風土・文化に触れるかわづくり ~最上川フットパス~
・最上川の美しい自然と、沿川の観光資源をつなぐ「フットパス」(歩くことを楽しむための小径)を整備し、
観光地としての魅力を高め、地域の活性化を図る。
・計画の段階から市民団体等と連携し、地域単位で順次整備を推進し、最上川を軸とした広域的観光
交流空間を形成する。
あやめ公園
置賜
日本一の規模を誇る
最上川河川緑地公園
野川
花と水がテーマの公園
駅
舟運時代
の舟場跡
文教の杜
撞木橋 駅
堤防千本桜
ウォーキングイベントでの利用
桑島記念館
やませ蔵
舟運で栄えた商家跡
菜の花畑
最上川
地元ボランティアガイド
(まちなか散策)
(川辺ルート)
既設ルート
合流地点のビューポイント
わらしっ子広場
川で泳いだり、林の中で
自然体験
地元住民による散策路等維持
凡 例
フットパス整備箇所
2つの川が交わる美しい景観
駅
置
賜
白
川
地域の風土・文化に触れるかわづくり ~狩野川コリドー構想~
・地域を貫く狩野川を軸に、住民・民間・行政が一体となっ
て地域全体の魅力向上と情報発信を図り、活力ある地域
づくりを推進。
富士山
推進体制 : 狩野川コリドー利用促進協議会(H15.7設立)
・協働して河川空間を身近に活用できる空間に整備。
・狩野川を軸に連続性を活かしたまちづくりを推進。
狩野川
協議会メンバー
国土交通省
静岡県、沼津市、三島市、伊豆市、
伊豆の国市、清水町、函南町
沼津青年会議所
中伊豆青年会議所
静岡新聞社
伊豆箱根鉄道
狩野川倶楽部
中伊豆観光連盟
静岡県サイクリング協会
東静歩こう会
日本サイクリング協会
「狩野川コリドー」を構成する2つの軸
コリドー軸
・狩野川(堤防、高水敷等)を活用し、上下流を連続して
散策、自転車利用できる空間として整備。
・軸上には休憩施設、トイレ、案内のある「拠点」を配置。
コリドー回遊軸
・「コリドー軸」と沿川の観光施設、公園、鉄道駅、公共
施設などを結び、回遊するネットワークとして整備。
・沿川の市町・団体がルートを設定。
・狩野川とまちとのアクセス性を高め、一体感を向上。
「狩野川コリドー構想」に基づく取り組み事例
ソフト施策
レンタサイクルによる沿川観光施設巡り
「サイクリング&ウォーキング」イベント(毎年開催)
カヌー体験教室
「サイクリング&ウォーキング」イベント時のサイクルトレイン社会実験
ハード整備
・コリドー軸の整備(通路の連続性確保、サイン整備)
・コリドー回遊軸の整備
・拠点整備
拠点整備の例
(カヌー乗降場)
地域の風土・文化に触れるかわづくり ~阿武隈川(福島地区)~
「舟運を利用した観光開発構想」(福島市)
・歴史・文化の色濃く残る福島市中心市街地と、多くの観光客が訪れる「花見山」
を舟運で結び、観光客の回遊による賑わい創出と、河川利用の推進を目指す。
■舟運社会実験(福島市、国土交通省)
H18(4/15~16:2日間)
行政、観光業者等関係者で検証。
H19
対象を一般に広げ、社会実験を実施
し、遊覧船の可能性を検証予定。
舟運コースの概要
・渋滞する花見山周辺や
中心市街地を避け、荒川
河川敷の仮設駐車場に
駐車し、舟下りと散策で
花見山を訪れる。
河畔の桜や水辺景観を
楽しみながら舟運実験
荒川(支川)の散策路へ続く
船着場
「花見山公園」
3~5月のシーズンに
は25万人もの観光客
で賑わう。
福島中心市街地
桜並
木
渡利水辺の楽校
花見山へ 船着場(仮設)
阿武隈川
阿武隈川河畔の桜並木と石積護岸
九州におけるリバーツーリズム、リバースクールの取り組み
・地域が協働して日常的に川に親しみ、川の魅力を再発見する取り組みを通じて、
河川を軸とした地域づくり、持続的な流域管理を目指す。
各流域
九州内11水系で活動中。
遠賀川:リバースクール
筑後川:リバーツーリズム
・リバースクール
嘉瀬川:リバーツーリズム
リバーツーリズム
番匠川:リバーツーリズム
・流域内の自然、歴史、文化を親子で体験。
・国土交通省と流域内の住民団体、NPOが連携して
実施。
リバースクール
・子供たちの環境学習、自然体験活動を推進。
・流域内の住民団体、NPOが主催。
白川:リバースクール
菊池川:リバーツーリズム
・国土交通省、地方公共団体も協力。
九州全体
緑川:リバーツーリズム
・リバースクール
NPO法人「九州流域連絡会議」
・九州の全一級水系(20水系)で活動する住民団体、
NPOにより組織。
川内川:リバースクール
五ヶ瀬川:リバースクール
大淀川:リバースクール
・各流域の活動団体を支援。
・河川管理者(国、県、市町村)とのパートナーシップ。
肝属川:リバースクール
緑川リバーツーリズム、リバースクール
リバーツーリズム
リバースクール
キャンプ体験
石橋の散策
川下り
炭焼き体験
エビ釣り
ユニバーサルデザインの川づくり(子吉川癒しの川づくり)
・病院や保育園に近接する河川敷を誰もが利用しやすい水辺に
整備し、医療、福祉、地域と一体となった河川の利用を実現。
子吉川せせらぎパークと本荘第一病院
本荘第一病院では河川空間を患者の
リハビリ活動、患者同士の交流の場と
して利用
緩勾配で車イスでもすれ違える幅の広い歩道
「子吉川市民会議」
・子吉川の利活用や、河川愛護、清掃活動などを話し合い、実践
する会。由利本荘市内の団体、住民が参加(総勢約500名)。
せせらぎ水路で遊ぶ子どもたち
・子吉川を「全国一の癒しの川」にすることが目標。
ユニバーサルデザインの川づくり(その他の河川の事例)
神通川(富山市)
・河川沿いの病院では2階部分と桜づつみ公園を結ぶ
歩道橋を設置し、直接堤防上に出られるよう工夫。
・河川敷には休憩施設(ベンチ、あずまや)を設置。
手摺付き階段、観覧席にも利用可
車イスにもやさしい緩傾斜坂路
富山赤十字病院(右側)から歩道橋を渡って川沿いへ
荒川下流部(東京都・埼玉県)
・荒川は都市の貴重なオープン
スペースとして、大勢の人が
散策やスポーツに利用。
・下流部両岸60km内の坂路
及び階段(約700箇所)のうち
約6割がユニバーサルデザイ
ンにより整備済み。
多くの人で賑わう荒川河川敷
字が大きく、車イスの目線に配慮した案内板
大阪 道頓堀川 とんぼりリバークルーズ
【オリジナルの追加資料】
鴨川での取り組み例
鴨川の夏の風物詩
川床(納涼床)
暑き秋田の夜は河床で
冷たいビールをグイッと!!
【オリジナルの追加資料】
川と橋を中心とした
【かもがわマップ】
地域のシンボル、観光名所としての川・橋。
これを中心に観光マップとして