第1問

NO
1/2
「見守る保育」
5つのポイント
(保育環境セミナー 2日目)
これから問われること
• ECEC(乳幼児期の教育と養護)の「教育」の意
味 保護者や国民への情報発信を急いで強める
必要があること
• 子どもを人間としてみること 保育の対象として
みない 主体性をもつ一人の尊厳性
• 5つのポイントのうち、子どもについて3つ(個性・
意欲・関係性)、保育者について2つ(見守る・チ
ーム保育)
• これをGTの理念としたときのマネジメント(経営)
の将来 組織風土 自己評価 第三者評価 世
界への向けたGT保育コミュニティの形成
教育の三者関係
教師
学習指導
生活指導
教材研究
教育の三角形
学習
子ども
教材
保育界に足りないもの・・
それは「環境研究」(遊具研究)
もう一つは、少子
時代の中の子ども
援助
同士の関係経験
保育者
環境研究
保育の三角形
遊具
子ども
遊びと生活
環境
環境は「教材」である
• 環境を通して行うとは、子どもの身近な環境
である幼稚園(保育園)において、さまざまな
ものが置かれ、子どもの活動を誘発すること
で成り立つもの。
• そのものとは教材と呼んでもよくて、保育者が
あらかじめ潜在的な可能性を検討し、子ども
がかかわることでその価値が引き出せるよう
なもののこと。
• それを子どもが選び、かかわる活動の仕方を
工夫することで、ものの価値を感じとり、学び
へと進めることが可能となる。
(無藤隆)
幼稚園教育要領
第1章 総説
第1節 幼稚園教育の基本
(1)幼児は安定した情緒の下で自己を発揮するこ
とにより・・・幼児の主体的な活動を促し・・
(2)幼児の自発的な活動としての遊びは・・発達
の基礎を培う重要な学習である・・
(3)幼児の発達は・・多様な経過をたどって成し遂
げられ・・・幼児一人一人の特性に応じ、発達の
課題に即した指導を行うように・・・
平成21年度 保育所保育指針
第1章 総則
1.趣旨
2.保育所の役割
(1)保育所保育の目的
(2)保育所の特性
(3)子育て支援
(4)保育士の専門性
3.保育の原理
(1)保育の目標
(2)保育の方法
(3)保育の環境
4.保育所の社会的責任
(1)子どもの人権の尊重
(2)地域交流と説明責任
(3)個人情報の保護と苦情解決
3.保育の原理
(1)保育の目標
(2)保育の方法 (今日のポイント)
ア 子どもの主体性の尊重
イ 一人ひとりの生活リズムと自己発揮
ウ 発達にあった保育・個人差への配慮
エ 子ども同士の関係づくり
オ 子どもが自発的、意欲的に関われる環境
カ 保護者の子育て支援
(3)保育の環境
ア 子どもが自ら関わり多様な経験を積む環境
イ 子どもの豊かな活動・保健・安全の確保
ウ 温かな親しみとくつろぎの場
エ 子どもが周囲の子どもや大人と関われる環境
教育・保育要領
平成26年4月告示
総則
第1章
第1 教育および保育の基本及び目標
1 教育および保育の基本
乳幼児期の特性及び保護者や地域の実態を踏まえ,環境を通して行う。・・・保育教諭等は,園児
との信頼関係を十分に築き,園児が自ら安心して環境にかかわりその活動が豊かに展開される
よう環境を整え,園児と共によりよい教育及び保育の環境を創造するように努める・・
(1) 乳幼児期は周囲への依存を基盤にしつつ自立に向かうものであることを考慮して,周囲との信
頼関係に支えられた生活の中で,園児一人一人が安心感と信頼感を持っていろいろな活動に
取り組む体験を十分に積み重ねられるようにすること。
(2) 乳幼児期においては生命の保持が図られ安定した情緒の下で自己を十分に発揮することにより
発達に必要な体験を得ていくものであることを考慮して,園児の主体的な活動を促し,乳幼児期
にふさわしい生活が展開されるようにすること。
(3) 乳幼児期における自発的な活動としての遊びは,心身の調和のとれた発達の基礎を培う重要な
学習であることを考慮して,遊びを通しての指導を中心として第2章の第1に示すねらいが総合
的に達成されるようにすること。
(4) 乳幼児期における発達は,心身の諸側面が相互に関連し合い,多様な経過をたどって成し遂げ
られていくものであること,また,園児の生活経験がそれぞれ異なることなどを考慮して,園児一
人一人の特性や発達の過程に応じ 発達の課題に即した指導を行うようにすること。
その際,保育教諭等は,園児の主体的な活動が確保されるよう園児一人一人の行動の理解と予想
に基づき,計画的に環境を構成しなければならない。この場合において,保育教諭等は,園児と
人やものとのかかわりが重要であることを踏まえ,物的・空間的環境を構成しなければならない。
また,保育教諭等は,園児一人一人の活動の場面に応じて,様々な役割を果たし,その活動を
豊かにしなければならない。
5つのポイント
個人差
チーム
保育者
自発性
関わり
ポイント1
一人ひとりを大切にした保育
個の尊重/自己肯定/信頼感
○ 一人ひとりを大切にする保育は、発達を保障する保育であり、保
育の形に表れやすい(広い意味での異年齢児保育や保育環境にその
特徴がみられる)。
○ ホンモノの遊びや文化参加としての生活のなかで、自己肯定力や
探究心が育まれ、それが意欲や自発性となって現れる。
○ 大人との関係を起点に基本的な信頼感が培われ、さらに子ども同
士の関わりを通じて、人が意図や心をもつことを理解し、人間の生活
への参加を果たす。
発達にあった保育
個人差への十分な配慮「発達の連続性」
■ 21世紀型保育のすすめ 第1巻
「子どもが必要としている援助に
応じて保育者の関わりを変える」
⇒ 個々の発達を保障するから「異年齢児保育」になる
⇒ 年齢別クラスではなく発達に応じた生活空間になる
⇒ 発達援助、生活援助、環境構成がポイント
一人ひとりの生活リズムと自己を十分に
発揮できる環境「生活の連続性」
• 遊びと食事と昼寝の場所が独立
– 充実感・達成感をもった遊び(遊び)
– 楽しい食事・適量・時間(食事)
– 眠りにつくタイミング・心地よい目覚め(睡眠)
■ 見学園紹介、実践報告を参照
• 家庭生活と園生活の連続性
• 養護を保障する保育
写真
適切に満たす → 情緒が安定する
情緒が
安定する
さまざまな
欲求
適切に満たす
ポイント2
自発的な遊びや活動
自発性/意欲/探究心
○ 自発的な遊びほど、発達に必要な体験が含まれている。それは子
どもの成長に不可欠なもので、学びでもある。
○ 思わず遊びたくなるような環境、子どもが遊びを選択できるような
環境、多様な遊びを誘発する可能性を秘めた環境などが必要。
○ 好奇心や意欲が環境を通じて探究心や思考力を培う。
5つのポイント
個人差
チーム
保育者
自発性
関わり
子どもが自発的、意欲的に関われる環境
■ 21世紀型保育のすすめ シリーズを参照
子どもが「選ぶ」ということ
<自発的遊びの時間の様子>
「何をして遊ぶかを自分たちで決める」
「誰とするかを決める」
(例)同じ発達の子ども同士が楽しい遊び
こども自身の見通し、判断、自己認知を育てる
子どもが自発的、意欲的に関われる環境
• 思わず遊びたくなるような環境
(子どもの心も身体も興味を刺激する)
• 遊びを構成する資源・リソース(制作・見立て・関わり・
物語・模倣・身体の運動欲求(木のぼり)・場や空間
• 遊びの意味の理解 遊び込む 興奮と沈静のリズム
– 子どもにとって・・没頭や集中、自発性や積極性、解放性、自己表現・・
– 保育者にとって・・身体的発達、知的発達、社会性の発達・・
• モノや空間、状況、世界との豊かな関わり(言葉・数・
機械・制作・音楽・生き物・五感)
写真
保育の選択性
1.一人ひとりの発達課題にあった活動になる
→ 「現在を 最もよく 生きる」
2.成就の欲求・承認の欲求・所属の欲求
→ 自己肯定感や自信につながる
3.自分で選んだという前向きな心情・意欲・態度
→内発的な動機、探究心へ
*他者との関係のなかで責任がうまれる
課題保育と自由遊び
選択肢として保育士が用意すべきこと
↓
①自由遊びを通じて見られる発達課題の幅
→個人別の発達経過記録を活用すること。
②興味や関心などの、偏りの修正
→遊びが偏らないように、新しい遊びや生活
の経験の機会を増やす。個性を固定化しない
③生活や遊びのなかの「学び」を意識する。
自発的使用の原理
「子どもは自分の個々の能力が発達しようとしてい
るとき、その能力を自発的に使おうとする欲求が
非常につよい」
(A.T.ジャーシルド)
↓
その遊びのなかに、その子どもの今伸びようとして
いる発達課題がある。
子どもは、発達に会っていないことは要求しない。
「遊びこんでいますね」
「発達にあっているんでしょうね。自分で選んでいますからね」
熱中転移の原理
「特定の活動に熱中して、その活動に必要とされ
る能力が十分に身につくと、自然に次の発達課
題に即した活動へと移行していく」
(A.T.ジャーシルド)
↓
1.その能力が身につくまでは、熱中して遊び続け
ることが多い。
2.熱中している活動の次にくる遊びは、発達段階
的にも次の段階である。
「保育の過程」にみられる判断
また新たに生起した
状況のなかで、子ど
もの行為や育ち(学
び)をどう読みとり振
り返るか
省察・
評価
どんな環境を準備
あるいは再構成し実
践するのか=子ども
が選び取る経験
乳幼児
理解
判断
保育の
実践
子どもの姿や関わり
からどんな意味をよ
みとるのか(課題保
育のテーマ)
指導計
画
その姿からどんな援
助内容が必要なの
かの予想(教育上の
意図=発達の保障)
例1 すごろくのサイコロに注目
運動会のすごろくであそぶ4歳
児クラスの子が3人
6までのサイコロを振って数えて
いる
遊びの中の学びを発展させたい
さあ、どうなるだろう?
もっとほかのサイコロ
づくりになるかも!!
省察・
評価
正四面体のサイコロ
じゃなくて、面がもっ
と多いサイコロだっ
たら??
乳幼児
理解
判断
保育の
実践
すっげー、6と6!
1,2,3,4・・・12!
この姿からな
にかアイデア
を思いつきま
すか?
指導計
画
この姿から話し合って
みました!先生同士
で。ゾーン日誌。
先生と相談してOK!
(参考)数の4者
ふつうのサイコロ
(抽象のサイコロ)
絵で描いてあるサイコロ
(具体のサイコロ)
(参考)数の4者
よみがなで書いてあるサイコロ
(数詞のサイコロ)
数で書いてあるサイコロ
(数のサイコロ)
こんなサイコロを作りました!
表記を変えてみた!先生作品
正八面体 子どもと共に製作
実習の指導案ってこんなのどう?
• 子どもがすごろくで遊んでいる。先生に聞くとこれまで、
こんな保育経過があった。だから、こんな風に楽しん
でいる。そうか・・・それなら!!
• 満五歳の子たちが数をこんな風に数えているのか。
環境の内容に「簡単な数の範囲で、物を数えたり、比
べたり、順番をいったりする」というのがあるな。そうか、
抽象的な●印だけど、それを変えてみるとどうなるだ
ろう。そういう違いに気づくと楽しいかもしれない。先
生と相談すると「数には4つ種類がある。それを4者関
係という」と教わった。それを取り入れたサイコロを作
ることにした。
• すごろくのサイコロを二種類作って、遊んでみよう。そ
のあとで、4者でつくったカード20枚で遊んでみたらど
うだろうか。
4者のカードでゲームはじまり!
例2「氷ができた!つめたい」
「保育の過程」にみられる判断
????
子どもの
願いは?
やってみ
らたどう
だった?
ペットボトル?ばけ
つ?色水?場所
は?何人やりたが
る。明日の朝の気
温は?
判断
何をどう
準備す
る?
水が凍ったことに強
い興味をもっている
なあ!どうしたいの
かな?子ども「これ
でやってみたい」
先生の
意図は
別の物で凍らせたら
どうなるかな。水以
外のものも興味もつ
かな?