注意欠陥動性障害(ADHD) (Attention Deficit / Hyperactivity Disorder) <ADHDの診断基準> ・不注意 ・多動性 ・衝動性 <診断のポイント > ・7歳未満の発症 ・学校や家庭などの「2つ以上の」状況(場面)で 不注意、多動性、衝動性の困難さがある ADHDのタイプ分類 (1) 混合型:ADHDの多くがこのタイプ (不注意、多動性、衝動性という三つ) (2) 不注意優勢型:不注意が顕著なタイプ (不注意のみ) (3) 多動性-衝動性優勢型:低年齢児に多い (多動性、衝動性) 原 因 ・基本的な原因は中枢神経系の障害 <環境要因などによる社会性の障害や二次障害 (精神障害や行動障害)もあわせて起きてくること がある> 出現率 ・学齢期で3~5%(米国では14~19%) ・男子に多い 理解して! 「わかっているけど実行できない」つらさ (1) (2) (3) (4) (5) 不注意(注意力の低下 多動性(落ち着きのなさ) 行動抑制能力の低下(衝動性) ルールや指示に従えない 作業パフォーマンスの一貫性のなさ 一定レベルで作業を行うことが難しい ● 技術や知識の欠如ではない。それら知識を用いて、計画を 立てたり、系統立てて考えたり、行動を管理する「実行機 能」の欠如である ● 新奇な刺激・場面では行動上の問題は目立たない 気づき・発見のポイント 子どもの観察や面接で把握しておくべき点 ・どのような場面で、何分くらいで活動に飽きたり落ち着きがなくなるのか ・学校や園での行動はどんな様子であるか (具体的に落ち着かない行動とは何か) ・これまでの生育歴と家族構造 (幼少期の様子や家庭でのしつけの仕方など) ・最近家庭内で大きな変化があったかどうか (親子やきょうだい関係など含めて) ・対象児の心理検査と認知特性 (知能検査など) ・学力面での問題があるかどうか ・身体疾患および障害の有無と現在の健康状態 ・衝動性や感情の起伏の激しさはあるか ・どんな遊びや学習活動ならば比較的長続きするか ADHDへの薬物療法 ADHDにみられる「行動の抑制や 制御」を目的とする薬物療法の導入 が現在では盛んにおこなわれている ADHDへの支援の枠組み ① 周囲の環境の整備 (なるべく困難さをつくらないように) ・気が散りそうな物を片づける ・座席の位置 ② 注意集中をコントロ-ルする (注意を引きつけてあげる) ・声かけしてから指示をだす ・興味ある教材・話題で注意の持続を促す ③ 本人の集中力にあわせながら活動を設定 ・始まりと終わりの時間や課題を提示する ・時間や課題を本人の集中力にあわせて設定 ・集中力が途切れたら、リフレッシュさせる ADHDの対応の原則 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ すぐほめる たくさんほめる 大げさにほめる 罰より、ごほうびを与えるように心がける 一貫性をもって取り組む (どんな時間、場所、状況でも) 問題が起こりそうな状況を予測して、 常に予防に努める ADHD児の二次的な問題を 引き起こさないために 低下している自己評価を高めるため、仲間からの孤立をさけるために ① 子どもへの誉め方を色々工夫して、 頻繁に誉めてあげる ② 子どもを誉める場面を設定する 理解しよう! □保護者の抱える問題をさぐる ・我が子の特性を受け入れられない ・他の保護者からの無理解に苦しむ ・家庭の問題や親の心理的不安定さ ・ 「平等」「公平」などを過剰に訴える 取り組もう! 面接相談の進め方と専門機関などとの連携 教育相談の進め方には、「本人」→「保護者」→「専 門機関との連携」がある。各々との面談のポイント を以下にあげる 本人との相談 ● 保護者との相談 ● ● 他の教師や他機関との連携の進め方 取り組もう! 医療機関や専門機関との連携のとり方 保護者との面談を重ね、連携がとれた後 に、専門機関をすすめる (早計に病院や専門機関を紹介しない) ● 専門的な検査結果を説明してもらう (知能検査や医学的検査など) ● ● 学校での具体的な指導について助言を もらう
© Copyright 2024 ExpyDoc