第11回授業(6/19)の学習目標 分散の等質性の検定の後の、平均値の差の 検定の具体的手順を学ぶ(この途中から) 平均値の差の検定の一連の手順を復習する。 岩原テキストの pp.445-446 で、各自の学籍 に対応するそれぞれの位置からデータを20 個づつ取り出し、2群のデータとし、平均 値の差の検定の実習を行う。 両群の分散が異なるとみなされる場合の 平均値の差の検定の是非 (1) 両群の分散が異なるとみなされる 場合は、テキスト p.20 に書いたよ うに、べーレンス・フィッシャー 問題と呼ばれており、 そのような場合に平均値の差の検 定を行うこと自体に無理があると 言われている。 両群の分散が異なるとみなされる場合の 平均値の差の検定の是非 (2) また、この場合、F-統計量と t’-統 計量は互いに独立ではないので、 2つの検定を続けて行う場合の全 体としての危険率の計算は困難で あり、 t’ 検定では、危険率のコントロー ルは行わず、次善の策として、 α%の危険率で行うこととする。 両群の分散が異なるとみなされる時の、 平均値の差の検定の手順(1) 両群での分散が異なるとみなされる場合は、テ キスト pp.22-23 の t-統計量と対応する自由度を 計算する。すなわち、 t' X Y , Wx Wy (5.9) ここで、 2 x Uy S y2 Ux S Wx , Wy . Nx N x 1 Ny N y 1 両群の分散が異なるとみなされる時の、 平均値の差の検定の手順(2) つぎに、この場合の t’-分布の自由度は、テキスト p.23 の下方にいろいろな方法が紹介してあるが、 その中で、SAS が標準として用いているところの (b) Satterthwaite (1946) の方法による自由 度を計算すること、すなわち: (Wx Wy ) 2 2 Wx2 Wy N 1 N 1 x y . (5.12) 両群の分散が異なるとみなされる時の、 平均値の差の検定の手順(3) t’-統計量を計算し、自由度を計算したら、 最後に岩原の副読本の p.434 を開き、 と (1)授業中に指定された危険率 α (2) (5.12) 式で計算した自由度に 対応する棄却点の値を 読み取る。 両群の分散が異なるとみなされる時の、 平均値の差の検定の手順(4) 標本での t’-値がこの棄却点の 値未満ならば、等平均仮説を 採択する。この場合、平均値 の差がないことを意味する。 両群の分散が異なるとみなされる時の、 平均値の差の検定の手順(5) それに対して、標本での t’-値が この棄却点の値以上ならば、等 平均仮説を棄却する。この場合、 両群の平均値に差があることを 意味する。 平均値の差の検定の一連の手順 平均値の差の検定の一連の手順は、つぎのとお り: (1)最初に、分散の等質性の検定を行う。 (2)その結果、両群の分散が等しいと見な さ れる場合は、(5.9) 式の t の値を計算する。 (3)もし、両群の分散が等しいとみなせな い 場合は、(5.10) 式の t’ の値を計算する。 分散の等質性の検定の手順 平均値の差の検定に先立つ、分散の等質性の検 定を行うには、テキスト p.26 の上部にあるよう に、 (1)2組の標本の平均を、それぞれ求める。 (2)2組の標本の分散を、それぞれ求める。 (3)テキスト p.22 の (5.6) 式により F-値を 計算する。 (4)テキスト p.24 の下方の、危険率に対応 する棄却点の値と上の F-値を比較する。
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