会計学基礎 5月18日 仕入・生産活動 アウトライン 営業循環 棚卸資産の範囲と区分 営業活動 獲得された資産を用いて利益の追求を行う日常 的な活動 いわゆる「本業」 例:材料を購入する 例:製品を販売する 営業活動がカネにはじまり、カネに終わる一連 の流れを営業循環と呼ぶ 企業におけるキャッシュ(カネ)の流れ 土地・建物・工場 原材料 証券投資 仕掛品 現金 完成品 銀行借入 株主 売上債権 営業活動 投資活動(資金投下) 財務活動(資本調達) 棚卸資産の範囲と区分 棚卸資産とは 売上収益を得るために払い出すことを予定して保有して いる財貨であり、短期のうちに数量的に減少する項目 原材料:販売目的の財貨や用役を生産するために短期間 に消費する予定の財貨 半製品・仕掛品:販売を目的として現に製造中の財貨や 用役 商品・製品:通常の営業過程において販売するために保 有する財貨や用役 貯蔵品:販売・管理活動において短期間に消費する予定 の財貨 棚卸資産の取得原価 棚卸資産は、期中に消費される部分と、期末ま でに消費されずに来期に繰り越される部分に分 けられる 期中に消費された部分は売上原価(費用) 来期に繰り越される部分は棚卸資産(資産) 1年間の棚卸資産の数量の変化は次式 +期首棚卸数量+当期受入数量-払出数量=期末 棚卸数量 棚卸資産の取得原価 直前スライドの式を金額であらわすと(小売業の 例) +期首棚卸(B/S)+当期仕入高-売上原価=期末 棚卸(B/S) 直前スライドの式を上の式に直すためには、 (1)来期に繰り越される棚卸資産の原価と、 (2)当期に仕入れた(製造した)商品(製品)の原価を 知ることが必要 棚卸資産の取得原価 購入の場合(テキスト p69~) 購入した棚卸資産の取得原価は、購入代価に付随 費用(副費)を加算する 副費:運賃、手数料、検収費、保管費など 仕入値引(品質不良などによる単価の切り下げ分)や 仕入割戻(多額の購入をしたことによる代金の減額 分)は購入代価から差し引く 仕入割引(代金の早期支払による支払免除額)は営 業外収益とする 金利の性質を持っているため 棚卸資産の取得原価 自社生産の場合、製品の製造に要した原価(製 造原価)を取得原価とする 財務会計上、認められている取得原価の算定方 法は(1)実際原価計算と(2)標準原価計算の2 種類(テキスト p74) 実際原価計算:(財貨や用役の実際消費量)*(実際 または予定取得価格) 標準原価計算:(財貨や用役の標準消費量)*(予定 または正常価格) 棚卸資産の取得原価 製造原価の流れ(テキスト 図4-1) 製造原価明細書(テキスト 図4-2) この授業では製造原価にはこれ以上立ち入らな い 管理会計論で多少取り扱うが、これだけで十分に一 科目分の内容がある 簿記検定(1級・2級)の半分はここから出題される 従業員給付 企業は従業員が提供する労働サービスの対価 として様々な形の対価を支払う 給与、賞与、福利厚生、退職金、年金、ストックオプシ ョンなど 勤務の場所や内容による分類 工場:労務費=>製造原価の一部へ 営業所=>販売費 本社=>一般管理費 従業員給付 支払う時期による分類 毎月:基本給、諸手当、法定福利費 半年ごと:賞与 退職後:退職金、年金 (いつ?:ストック・オプション) 労働サービスの提供and/orその成果を獲得した タイミングと対価の支払いタイミングが一致しな い場合に、会計上いつ費用を認識するのかが大 きな問題 従業員給付 退職後に支払う場合、考え方は半年ごとの場合 と同様に引当金を用いるが、実際の適用はさら に困難 将来の支払金額に関する不確実な要素が大きく、金 額を決定することが困難 (確定拠出型の年金の場合は支払金額が現時点で 定まるので会計上は簡単) 従業員給付 毎月支払う場合:支払った月に計上、もしくは月 末に「未払給料」等で計上 いずれにせよ、損益計算に対して大きな影響はなさ そう 半年ごとに支払う場合、半年分の労務に対応す る賞与を見積もり、引当金を計上する テキスト図4-4 引当金 引当金とは何か 当期の収益に対応する費用・損失を損益計算書に計 上した結果、貸借対照表に計上される貸方科目 将来の資産の減少を負債として認識することになる 費用収益対応の原則のあらわれ 引当金設定の要件 将来の特定の費用または損失(資産減少) 過去または現在の収益に対応 高い発生確率 客観的な測定可能性 引当金の種類 評価性引当金 負債性引当金 条件付債務 債務以外の経済的負担 (費用性引当金) (損失性引当金) B/S上の区分 P/L上の区分 評価性引当金 債権の回収可能額を評価するために設定される 引当金 貸倒引当金が該当する B/S上、資産から控除する 負債性引当金 短期 負債性引当金のうち、決算日から1年以内に使用さ れる見込のもの 賞与引当金、修繕引当金、工事補償引当金、製品保 証引当金、返品調整引当金、売上割戻引当金など 長期 負債性引当金のうち、通常1年を超えて使用される見 込のもの 退職給付引当金が代表例 次回への準備 次回は販売活動。予習はテキスト5章
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