1.1 鳥獣の保護及び管理の現状

1.1 鳥獣の保護及び管理の現状
1.1.1 ニホンジカ、イノシシ等の鳥獣の増
加と被害の深刻化
1.1.2 主な鳥獣の生態と捕獲の留意点
1.1.3 科学的・計画的な鳥獣の保護及び
管理の必要性
1.1.4 鳥獣の捕獲の担い手にかかる現
状
テキスト 8ページ
主な鳥獣の生態と捕獲の留意点 1
•(1) ニホンジカ
• 個体数低減には、いかにメス成獣を捕獲するかが
ポイント
• 多種類の植物を利用している。
• 通常は1産1仔
テキスト 8ページ
主な鳥獣の生態と捕獲の留意点 2
•(2) イノシシ
• メス成獣を捕獲することが
ポイント
• 警戒心の弱い幼獣は捕獲しや
すいが、
警戒心の強い成獣は難しい場
合もある。
• 毎年1回出産、平均産仔数は4
~5頭。
テキスト 8ページ
主な鳥獣の生態と捕獲の留意点 2
•(3) ニホンザル
• 加害する群れ等を特定し、群れ毎に管理方針
を決め、計画的に捕獲することが求められます。
• 例: 加害個体の選択捕獲、 加害群れの一斉
捕獲等
テキスト 9ページ
主な鳥獣の生態と捕獲の留意点 2
•(4) ツキノワグマ・ヒグマ
• 秋季は堅果類が不作の年は、人里付近への出
没が多くなる。
• 出産は2年から3年おきに1回、平均の出産数
は1.7頭程度。
• 出産後約1年半の間、母子ともに行動します。
• シカやイノシシを捕獲する
わなに錯誤捕獲されることも
あり、注意が必要
テキスト 9ページ
主な鳥獣の生態と捕獲の留意点 2
•(5) カワウ
• 夜は樹上のねぐらなどで集団ですごし、昼間は、
河川、湖沼、海で魚等を採食します。
• 集団を効果的に捕獲する際には、発砲音等で
一斉に飛翔させないなどの工夫が必要です。
環境省:特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン及び保護管理の手引き(カワウ編)より
1.1 鳥獣の保護及び管理の現状
1.1.1 ニホンジカ、イノシシ等の鳥獣の増
加と被害の深刻化
1.1.2 主な鳥獣の生態と捕獲の留意点
1.1.3 科学的・計画的な鳥獣の保護及び
管理の必要性
1.1.4 鳥獣の捕獲の担い手にかかる現
状
テキスト 10ページ
鳥獣保護管理の基本的な考え方
鳥獣保護管理の三本柱
個体群管理 (→捕獲の強化が不可欠)
生息環境管理
被害防除対策
鳥獣保護管理はPDCAプロセスに沿って進める
P(Plan) 計画をたてる
D(Do)
計画を実行する
C(Check) 計画を評価する
A(Act)
評価を計画に反映する
テキスト 12ページ
第二種特定鳥獣管理計画におけるPDCA
目的
農林業被害の軽減
生態系被害の軽減
地域個体群の存続
狩猟資源の持続的利用
など
現状確認
被害状況、生息状況(個体数推定
及び将来予測を含む)、被害と個
体数の関係の把握
計画期間と対象地域の設定
P
計画の策定・見直し
A
目標値の設定
被害指標、生息密度指標、捕獲頭
数など
実施する管理の方策
D
管理事業の実施
C
計画の評価・検証
(現状の再確認)
規制等の緩和や強化、個体群管
理、被害防除、生息環境管理
被害状況や生息状況(推定個体数
等)の変化等から、管理業務の成
果を確認
テキスト 12ページ
全体のPDCAの中での
個々の捕獲事業におけるPDCA
捕獲目標の設定
計画へ
反映
A
P
指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画の策定
D
事前調査
管 計画へ
理 反映
業
a
務
の
実
施
p
d
c
業務計画の策定
業務計画の実施
捕獲手法や作業手順、安全管理方法の見直し
C
捕獲事業や被害対策の効果検証
1.1 鳥獣の保護及び管理の現状
1.1.1 ニホンジカ、イノシシ等の鳥獣の増
加と被害の深刻化
1.1.2 主な鳥獣の生態と捕獲の留意点
1.1.3 科学的・計画的な鳥獣の保護及び
管理の必要性
1.1.4 鳥獣の捕獲の担い手にかかる現
状
テキスト 13ページ
狩猟者の減少と高齢化
• S50年の52.8万人からH25年は18.4万人に
• 60歳以上が66%、20 ~30歳台は10%以下。
狩猟者の減少(免許種別)
• 主体であった銃猟免許所持者は減少し、
• わな免許所持者の割合が増える傾向にある。
テキスト 14ページ
捕獲数の増加
• 捕獲数の増加
• 有害捕獲や個体数調整のための捕獲の割合が増加
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集落に設置された箱わなによる捕獲状況
捕獲わなを導入した460集落の年間捕獲頭数
0頭の集落:全体の36%
2頭以下の集落:全体の52%
(兵庫ワイルドライフモノグラフ7号より)
• 捕獲は簡単にできるものではない。
テキスト 15ページ
銃猟狩猟登録者の捕獲頭数
0頭の狩猟者:全体の37%
2頭以下の狩猟者:全体の55%
のべ7350人の捕獲頭数53,408頭の分析結果(兵庫県H22年~24年)
(兵庫県森林動物研究センター調べ)
• 捕獲は簡単にできるものではない。
1 科学的・計画的な鳥獣の保護及び管理
• 1.1 我が国の鳥獣の保護及び管理の現状
• 1.2 鳥獣の管理の強化
テキスト 16ページ
認定鳥獣捕獲等事業者制度導入までの経緯
捕獲等をはじめとする対策強化の必要性
「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」および「被害対策強化の考え方」(環境省・農林水産省)より
平成35年度までに
・ニホンジカ・イノシシ:生息数を半減
・ニホンザル・カワウ:加害群・加害個体の半減
鳥獣保護管理の人材育成と体制構築
「鳥獣の保護及び狩猟の適正化につき講ずべき措置について」(中央環境審議会)より
都道府県による捕獲の強化
鳥獣管理体制の強化
認定鳥獣捕獲等事業者の制度を含む
鳥獣の管理を促進する措置の導入
認定鳥獣捕獲等事業者に求められること
・必要な捕獲頭数の増加と狩猟者の負担増
・担い手の確保と維持の必要性
■社会の要請に沿った捕獲事業の実施
■事業実施のための体制作り
テキスト 16ページ
認定鳥獣捕獲等事業者制度の概要
認定鳥獣捕獲等事業者とは?
都道府県知事の認定を受けた事業者
安全管理体制を確保し、
適正かつ効率的に鳥獣の捕獲を実施できる。
公的な鳥獣捕獲等の業務を契約を結んで受託
 契約を適切に遂行する義務がある。
指定管理鳥獣捕獲等事業以外の捕獲の担い手と
しても期待される
地域の鳥獣保護管理の総合的な担い手となること
が期待される
テキスト 17ページ
認定鳥獣捕獲等事業者制度の概要
社会の要請に応じた捕獲事業の実施
目標を達成するため、効果的な捕獲を行う
法令を遵守し、安全かつ適正に捕獲を行う
費用対効果を考慮し、効率的な捕獲を行う
テキスト 17ページ
認定鳥獣捕獲等事業者制度の概略
従事者が適切に捕獲事業を行える
体制づくり
安全管理体制を確保すること
従事者の技能や知識の維持向上
従事者が捕獲に専念できる労働環境
や待遇を確保すること
継続的に事業を実施するため、従事者
を育成・確保すること
テキスト 18ページ
認定を受けるメリット
 「認定鳥獣捕獲等事業者」の名称使用が
可能
 狩猟免許更新時の適性試験の免除
 法人としての捕獲許可の取得
 事業被害防止目的のライフル銃所持許可
 狩猟税の免除
写真・資料 提供 兵庫県森林動物研究センター