T分布 自由度調整済み分散 T分布の定義 T分布の特徴と性質 T分布表の使い方 T分布の意味: 標準偏差の置き換え 未知であるのに、 の値が既知であることが実際に殆どない。 そこで母集団標準偏差 を標本の標準偏 差でおきかえることを考えよう。 自由度調整済み分散 母集団の分布は正規分布であるとする。 標本分散の実現する前の統計量を n 1 S 2 ( xi x ) 2 n i 1 とし、その自由度調整済み分散 n 2 1 nS 2 s ( xi x ) n 1 i 1 n 1 2 自由度とは自由に動ける偏差の数 xi xi x 158 -7.2 161 162 -4.2 -3.2 x 165 .2 n 1 (x x) 0 i 1 i 170 4.8 175 9.8 n (x x) 0 i 1 i m n 1 Σ 0 2 S と s の区別 2 S も標本分散であるが、不偏推定量でない標 2 本分散であり。nが小さい(20以下)とき、母集団 2 分散 の過小評価が起きる。 s 2 は不偏標本推定量。 n個の偏差のうち任意のn-1を与えると、残りの1 n 個が ( xi x ) 0、偏差の自由度はn-1となる。 i 1 T分布の定義 Z に対応して x x Tm s / n S / n 1 この Tm は確率変数であり、t 統計量を定義する (Student’s T-statistic)を定義する。 その確率分布は、自由度m=n-1のt分布という。 T分布の密度関数と特性値 密度関数 t 2 ( m1) / 2 f (t ) c(1 ) m m 3 のとき 特性値 E(Tm ) o m V (Tm ) m2 t 分布の形 t distribution 1.2 1.0 0.8 f(x,5) f(x,10) f(x,15) F(x,5) F(x,10) F(x,15) 0.6 0.4 0.2 x 3.0 2.6 2.2 1.8 1.4 1.0 0.6 0.2 -0.2 -0.6 -1.0 -1.4 -1.8 -2.2 -2.6 -3.0 0.0 T分布と正規分布の比較 0.45 0.4 0.35 0.3 norm f(x,5) f(x,10) f(x,15) 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 0 -4.0 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 T分布の特徴と性質 T分布は標準正規分布の“代用品” 密度関数はx=0について対称である T分布の形は標本の大きさnに依存し、 未知の母集団パラメータには一切依存しな いことである。m=n-1をt分布の自由度 (degrees of freedom)という。 分布の形は自由度さえ与えれば一意的に 決める。 T分布関数 標本nが大きくなるにつれて、標準正規分 布に近づく。mが30を超えると、ほぼ標準 正規分布で考えてよい。 T分布関数 Gm (t ) P(Tm t ) 1 T分布表の使い方 T分布の対称性から P( Tm t ) 2Gm (t ) 1 1 自由度mと を与えて、t を t 分布表 から求めればよい。 tの選択 P( Tm t ) 2Gm (t ) 1 通常 1 の形で与えて、t を求めるほうが 多い。 2Gm (t0 ) 1 1 より、即ち G m (t 0 ) 1 から t を求める。ただし 2 PTm tm ( ) であることに注意する。 両側分布 P(| Tm | t0 ) 2Gm (t0 ) 1 1 t0 t m ( 2 f(x,5) ) 1 -3.0 2 2 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 片側分布 PTm t0 f(x,5) t0 tm ( ) 1 -3.0 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 練習問題 P(| T10 | t ) 0.95 なる t を求めよ P(T5 t ) 0.05 なる t を求めよ P(| T10 | t ) 0.95なる t を求めよ P(| T10 | t ) より 2G10 (t ) 1 0.95 G10 (t ) (1 0.95) / 2 0.975 t 分布表より、 自由度m=10, のとき、 G10 (t ) 0.975 t =2.228 P(T5 t ) 0.05 なる t を求めよ P(T5 t ) 1 P(T5 t ) 0.05 P(T5 t ) 0.95 G5 (t ) 0.95 t 分布表より, t =2.015
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