6.6 T分布

T分布




自由度調整済み分散
T分布の定義
T分布の特徴と性質
T分布表の使い方
T分布の意味:
標準偏差の置き換え
 未知であるのに、
 の値が既知であることが実際に殆どない。

そこで母集団標準偏差 を標本の標準偏
差でおきかえることを考えよう。
自由度調整済み分散


母集団の分布は正規分布であるとする。
標本分散の実現する前の統計量を
n
1
S 2   ( xi  x ) 2
n i 1
とし、その自由度調整済み分散
n
2
1
nS
2
s 
( xi  x ) 

n  1 i 1
n 1
2
自由度とは自由に動ける偏差の数
xi
xi  x
158
-7.2
161 162
-4.2 -3.2
x  165 .2
n 1
 (x  x)  0
i 1
i
170
4.8
175
9.8
n
 (x  x)  0
i 1
i
m  n 1
Σ
0
2
S と s の区別
2
S も標本分散であるが、不偏推定量でない標
2

本分散であり。nが小さい(20以下)とき、母集団
2
分散 の過小評価が起きる。


s
2
は不偏標本推定量。
n個の偏差のうち任意のn-1を与えると、残りの1
n
個が  ( xi  x )  0、偏差の自由度はn-1となる。
i 1
T分布の定義



Z に対応して
x
x
Tm 

s / n S / n 1
この Tm は確率変数であり、t 統計量を定義する
(Student’s T-statistic)を定義する。
その確率分布は、自由度m=n-1のt分布という。
T分布の密度関数と特性値

密度関数
t 2 ( m1) / 2
f (t )  c(1  )
m
m  3 のとき

特性値
E(Tm )  o
m
V (Tm ) 
m2
t 分布の形
t distribution
1.2
1.0
0.8
f(x,5)
f(x,10)
f(x,15)
F(x,5)
F(x,10)
F(x,15)
0.6
0.4
0.2
x
3.0
2.6
2.2
1.8
1.4
1.0
0.6
0.2
-0.2
-0.6
-1.0
-1.4
-1.8
-2.2
-2.6
-3.0
0.0
T分布と正規分布の比較
0.45
0.4
0.35
0.3
norm
f(x,5)
f(x,10)
f(x,15)
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
0
-4.0
-3.0
-2.0
-1.0
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
T分布の特徴と性質
T分布は標準正規分布の“代用品”
 密度関数はx=0について対称である
 T分布の形は標本の大きさnに依存し、
未知の母集団パラメータには一切依存しな
いことである。m=n-1をt分布の自由度
(degrees of freedom)という。
 分布の形は自由度さえ与えれば一意的に
決める。

T分布関数


標本nが大きくなるにつれて、標準正規分
布に近づく。mが30を超えると、ほぼ標準
正規分布で考えてよい。
T分布関数
Gm (t )  P(Tm  t )  1  
T分布表の使い方

T分布の対称性から
P( Tm  t )  2Gm (t ) 1  
  1

自由度mと  を与えて、t を t 分布表
から求めればよい。
tの選択

P( Tm  t )  2Gm (t ) 1  
通常  1  の形で与えて、t を求めるほうが
多い。

2Gm (t0 ) 1  1   より、即ち
G m (t 0 )  1 

から t を求める。ただし
2
PTm  tm ( )  
であることに注意する。
両側分布
P(| Tm | t0 )  2Gm (t0 ) 1  1  
t0  t m (

2
f(x,5)
)
1
-3.0


2
2
-2.0
-1.0
0.0
1.0
2.0
3.0
片側分布
PTm  t0   
f(x,5)
t0  tm ( )
1
-3.0
-2.0
-1.0
0.0

1.0
2.0
3.0
練習問題
P(| T10 | t )  0.95 なる t を求めよ
P(T5  t )  0.05 なる t を求めよ
P(| T10 | t )  0.95なる t を求めよ
P(| T10 | t )
より
 2G10 (t )  1  0.95
G10 (t )  (1  0.95) / 2  0.975
t 分布表より、 自由度m=10,
のとき、
G10 (t )  0.975
t =2.228
P(T5  t )  0.05 なる t を求めよ
P(T5  t )
 1  P(T5  t )  0.05
P(T5  t )  0.95
G5 (t )  0.95

t 分布表より, t =2.015