4.環境対応型製品開発 - カルソニックカンセイ

4.環境対応型製品開発
カルソニックカンセイは、
 中期経営計画GX4 T10で宣言した新しい技術開発を推進し
 技術と製品で、お客さま、社会に貢献する取り組みを
 さらに強化していくことをコミットメントしています
収益体質の強化とモノづくり力の基盤強化
2009年からモノづくり世界No1を目指す全社活動を推進し、「収益体質の強化」「モノづくり力の基盤強化」
と同時に、「将来の成長を実現するための技術開発力の大幅な強化」を推進してきました。
 MTCR: Monozukuri TdC Revolution
 海外拠点への活動拡大、モノづくりノウハウの標準化、人財育成
将来に向けた技術開発投資の拡大
技術開発に対するリソース投入を増大(額、率共に
100
大幅に増大)させて、開発力の強化を図ってきました。
 先行技術開発投資額は2009年度比で約5倍
 技術開発費に占める先行技術開発投資額の割合は
約4倍
効果的グローバル技術開発投資マネジメント
Global Formation Shift(GFS)を推進しています。
 グローバル開発機能の強化
 米、メキシコ、欧、中、等すでにある開発セン
ターの育成強化により日本からの技術開発業務の
移管を促進
 オフショア開発センターの活用、グローバル情報
プラットフォームの構築
 日本の開発機能の付加価値向上
先行技術開発投資額
80
対開発費割合
60
40
20
0
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
 研究・先行開発等の高付加価値業務を大幅増加
•
高付加価値業務量は1.7倍に拡大と予測
R&AE
2011
適用開発
 GFSを推進し、LCCエンジニアリングリソースの活用促進
で過剰な開発費総額の増加を防止
LCC
R&AE
2017~
GFS
適用開発
LCC
2011
2017~
GFS
HCC
HCC
0
4.環境対応型製品開発
4つの価値/12の戦略的技術領域を特定
新たな価値の創造領域
フロントエンドの革新
キャビンの革新
パッケージング技術
HMI技術
モジュール技術
キャビン温熱技術
空質技術
デザインクオリティ技術
モジュール技術
熱エネルギ
マネジメントの革新
電気エネルギ
マネジメントの革新
空調省動力技術
電源マネジメント技術
PT効率化技術
パワーコントロール技術
高効率放熱技術
環境技術領域
環境技術領域
サーマルマネジメントの革新

カルソニックカンセイが保有する全ての
車両の廃熱エネルギーを制御する技術シ
ナジーを活用して実現する
電力マネジメントの革新

パワーディバイス(インバータ、バッテ
リコントローラ)の部品技術を保有、さ
らにパワエレシステム制御を含めて進化
Electric Power Managementの例
Inverter
バッテリ状態推定技術
空調との協調制御技術
EDC※
Battery
management system
・・・・・・
Water heater
Battery thermal
control module
※EDC : Electric Driven Compressor
1
4.環境対応型製品開発
新たな価値の創造領域
キャビンの革新

フロントエンドの革新
キャビンの価値創出 (HMI、温熱、
デザイン、空質) をCPMの構造、
生産技術の革新とともに実現可能

魅力的なデザイン、ダウンサイジン
グの実現
運転しやすいコックピット、快適な
キャビン、魅力的なデザインの実現
HMI最適配置、ユニット搭載性など
HMI
フロントエンドの価値創出 (パッ
ケージ) を、放熱マネージメントの
機能革新とともに実現可能
【車両フロントの縦断面イメージ】
温熱
放熱構造の革新
モジュール構造を
活かして実現
デザイン
Quality
Packagingの革新
空質
モジュール構造の強化で実現
中期経営計画GX4 T10 実行状況
 GX4T10 期間中に世界をリードする環境対応新製品を10製品創出
~FY14の目標を達成
FY11~12
2
世界最小の
EGRクーラー
FY13~14
5
FY15~16
3
Post
GX4 T10
Target
FY17~20
クラス世界最軽量
コンプレッサー
EGRクーラー
インジェクションスキンIP
ソフトフィール・ハードIP
ブラシレスモータファン
12~
水系塗料
CRコンプレッサー
バッテリ冷却用ブロワモータ
市場投入済
世界初の射出
成型表皮
最高効率&最静粛のバッテ
リ冷却ブラシレスモーター
受注済
ソーシング中
2
4.環境対応型製品開発
GX4 T10 環境技術開発成果の例
VG-FIN Ⓡ


(Vortex Generator フィン)を製品化
最も効率的な熱交換効率を実現可能にする「縦渦」を発生する世界初の台形VG-FIN
Ⓡを開発
GX4 T10 環境技術開発成果の例

世界最小・最軽量 EGRクーラーを製品化

熱交換製品技術と排気製品技術のシナジー効果で製品化を
実現
世界最小、最軽量 (従来品より21~29%の軽量化)
性能向上(従来品より12~36%向上(同一ガス抵抗時の比
確))
新技術 「VG-FINⓇ」の採用
NOx生成抑制、燃費改善
※EGR(Exhaust Gas Recirculation = 排出ガス再循環)クーラー
エンジンの排気ガスの一部を燃焼室に戻す際に、排気ガスを冷却するための熱交換器。
GX4 T10 環境技術開発成果の例

長寿命・低騒音・超小型のブロアファン用、新軽量ブラシレスモーターシリーズを製品化

電動パワートレイン車両で求められる要求特性に対応
可能な軽量・小型 新型ブラシレスモーターを開発、製
品化を実現
 充電の時や駐車時のバッテリー冷却時間も考慮し一層
の長寿命化
 超軽量△ 45%、 超薄型△50%、 超低騒音( △4dB)
 信頼性とパッケージングでベンチマークトップのブラ
シレスモーターを実現
<技術開発力の大幅な強化に伴う成果の一端>
技術開発投資の拡大に伴い様々な賞を受賞
1.独自のバッテリー制御技術開発
●計測自動制御学会制御部門大会技術賞
<2012年3月>
カルマンフィルタを用いたHEV/EV向け電池の内部状態推定
2.SLIM COOL(薄型統合冷却システム)
●自動車技術会論文賞
<2013年5月>
熱交換器のシステム効率を向上する薄型統合冷却システムの開発
3.射出成型機によるインスツルメントパネル表皮成型技術
●SPE Automotive Innovation Awards
<2013年11月>
●自動車技術会技術開発賞
<2014年5月>
4.アメリカ暖房冷凍空調学会への技術的貢献
●アメリカ暖房冷凍空調学会 ジョージ B.ハイタワー賞
<2014年1月>
5.低炭素社会を実現する次世代パワーエレクトロニクスプロジェクト
●IMPAS2014 Best of Session 賞
<2014年10月>
<産学共同研究の実施>
●国家プロジェクト
2014年度 34件(18大学、4研究機関)
「未利用熱エネルギー革新的活用技術研究開発」受託
他
3
4.環境対応型製品開発
大気汚染防止-車の排気ガス浄化
 ガソリン車-排気システム
近年環境問題に対する関心がますます高まり、各国における排気規制も強化が続いています。これらにより排気シス
テムに要求される機能も高度になり、高い開発技術力が求められています。
カルソニックカンセイは排気システムサプライアとして高い要求機能にこたえるため、最適な製品を開発・製造して
います。
カルソニックカンセイ製品の主な特長
・エキゾーストマニフォールド:
SUS材を使用し軽量・コンパクトかつ低熱容量化
(触媒の早期活性に貢献)
・マニフォールドコンバータ:
エキゾーストマニフォールド一体型、
別体型ともに開発。特に一体型では締結用の
フランジをなくし軽量・低熱容量化に貢献
・触媒コンバータ(床下)
必要な触媒容量を確保しながら最適な位置に設定。
特にスピニングコンバータは遮熱版を廃止し、
部品点数を削減することで製造時間を大幅に短縮
・振動吸収装置
排気系の振動遮断を行い、音振性能向上・排気
系の耐久性向上に貢献
振動低減代、車両レイアウトより最適な部位に
適切な振動吸収装置を選択(2種)
(フレキシブルチューブ、スフェリカル
ジョイント)
排気システム例
エキゾースト
マニフォールド
マニフォールド
コンバータ
振動吸収装置
フロントチューブ
触媒コンバータ
(床下)
センターマフラー
リアマフラー
騒音防止-排気系部品の排気騒音低減
 センターマフラー、リアマフラー
排気システムにおいて排気騒音を低減させる因子
の感度解析(パラメータスタディ)を行っていま
す。マフラー容量、構造、位置および排気通路径
に対する背圧と吐出音の影響を明確にし、排気騒
音性能と高性能化(高出力)を高次元に両立させ
ています。
排気マフラーシステム例
センターマフラー
リアマフラー
LCA*の取り組み(製品の環境影響評価) *LCA=Life Cycle Assessment
カルソニックカンセイでは、製品における環境影響負荷を定量的に評価、把握することにより、製品企画の妥当性
や開発計画の要否判断、及び製品の開発設計や生産工程での環境配慮の優先順位の設定等、今後の環境対応
について適切な対応を図っていきたいと考えています。
今までの取り組みとして、既に製品別一台当りの工場別自社内製造環境負荷量を算出し、内製製品製造LCAデータ
としてデータベース化を図りました。
また、車種製品で対象を決め、LCAを算出しています。
06年度より、製品の環境面での評価を開発プロセスのなかでどのように評価し、位置付け運用していくのかの検討
を行なう“製品環境指標WG”を立ち上げ、LCA指標等の運用方法の検討を本格的に開始し、07年度に製品ごとに
製造段階、使用段階で発生するCO2排出量算出システムを構築しています。
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4.環境対応型製品開発
幅広いコンピューターシミュレーションの活用による開発品質の向上
 当社では開発品質の向上や効率的な開発の為に、様々なコンピューターシミュレーション(CAE)の技術開
発を行い、様々な場面で活用しています。製品の性能開発のシミュレーションだけではなく、樹脂流動や鋳
造・塑性加工などモノづくりの領域でもシミュレーションを開発・活用しています。当社のCSR重要課題で
ある環境対応型製品の開発促進にも大きく寄与しています。
コンプレッサーの振動解析
CPMの下肢障害値解析(衝突解析)
インパネ樹脂型の冷却解析
熱交換器の熱応力解析
パワーモジュールの半田熱疲労解析
メーター電子基板のEMC解析
シロッコファンの気流騒音解析
空調システムの冷熱性能解析
車室内窓晴れ性能解析
高い製品信頼性を確保する最新鋭実験設備
 お客さま視点による『安全・環境・快適』技術分野において、世界の市場環境を調査し、最新鋭の設備と実
験技術により市場環境を再現し、『車両・システム・コンポーネント』3つの階層で高い信頼性を確保して
います。 信頼性保証プロセスを確実に実行し、安全性や耐久性が高く、お客さまが満足される商品開発を
追及しています
車両
車両適合設計
実車電波暗室
システム
実車環境風洞
システム
適合設計
インバーターテストベンチ
システム
評価
下肢障害評価試験設備
部品
コンポーネント
設計
コンプレッサー性能評価
車両性能
評価
コンポーネント
評価
熱疲労評価排気シミュレーター
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