物理化学 5-5_6章 FUT 原 道寛 名列___ 氏名_______ 5-5 浸透圧を自分の言葉で例をあげて、述べよ。他者 と同じの場合は減点(1文字:0.1pt=10pt) 2 3 4 5章溶液の性質 5.1 • 溶液の濃度 5.2 • 蒸気圧降下-ラウールの法則 5.3 • 沸点上昇 5.4 • 凝固点降下 5.5 • 浸透圧 5.6 • 液体混合物の相平衡 5 5.5浸透圧 生物の機能を支えるのに大事な役割を 果たす浸透(osmosis)という現象 浸透とは, • 溶媒と溶液が 半透膜(semipermeable membrane)で隔てられている 時に,溶媒が溶液側に通り抜ける現象 半透膜は • 溶媒は通すが,溶質は通さない性質を持つ膜である。 6 たとえば, 5.5浸透圧 • 水分子は通すほどのサイズの孔はあっても, 嵩高い溶質やあるいは 水分子で水和されたイオンは通さないもの 半透膜としては • 酢酸セルロース膜,セロファン膜, ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸銅膜など 細胞膜 • 自然がつくった半透膜であることから, 生物学では浸透が重要 • 水が植物の根の組織により吸い上げられるのも, 細胞膜を半透膜とする浸透作用による。 7 溶媒を半透膜を境にして 濃厚な溶液に接触させる 浸透圧 溶媒側から溶液側に液が 流れ込み,溶液側の高さが増す 高さが増すことにより 逆向きの圧力が生じる さらに浸透が進めば, 逆向きの圧力も大きくなる つり合うような圧力に達する。 膜の両側は平衡状態となる。 8 平衡状態で余分に 加わっている圧力 浸透圧 • 浸透圧(osmotic pressure) 得られる浸透圧 • はじめの溶液の浸透圧とは異なるものになる。 そこで,この欠点を補う方法 • 溶媒が流れ込まないように 溶液側に圧力をかけること(図5・3(b))。 • この圧力が浸透圧となり,Πで表す。 9 浸透圧 溶媒側から溶液側に 液が流れ込む浸透の現象 • 前に述べた乱れの役割が大きい。 • 純溶媒の状態は溶液の状態よりも乱れが少ない • 溶液側に移動することにより,より乱れた状態に向う 平衡状態にある濃厚溶液側に 大きな圧力をかければ, • 溶媒は逆向きに移動する:逆浸透(reverse osmosis) • 海水の淡水化に利用 10 浸透圧 浸透圧Π • 束一的性質である • 溶質の粒子数だけに依存しその性質には無関係 物質量nBの溶質が溶けている体積Ⅴの 溶液が,ある温度Tで純溶媒と接している とき • 浸透圧Π •式 11 浸透圧 ファントホッフの式(van’t Hoff equation) • R:気体定数 • 溶質のモル濃度cBはcB=nB/V •式 希薄溶液の場合でも • 浸透圧はかなり大きい。 •式 2.5 mの水中の高さの圧力に匹敵。 • 濃度差がわずかな溶液の間でも,その浸透圧はかなり大きくなる • タンパク質のような巨大分子のモル質量を求める際にも使う 12 13 5.6液体混合物の相平衡 2成分からなる液体混合物の相平衡 2成分系の平衡状態を表すため • 温度と圧力以外にも,成分の組成が必要 • したがって,温度,圧力,組成の3種類を 座標軸にとって, • 各相の間の平衡関係を図示する。 平面図を用いる • 圧力一組成図(温度一定) • 温度一組成図(圧力一定) • 圧力ー温度図(組成一定) 14 理想溶液と圧力-組成図 温度一定で溶液がその 蒸気と平衡にあるとしよう。 • 溶液に含まれるそれぞれの成分 の蒸気分圧,全組成範囲にわたって ラウールの法則が成立するような溶液を仮定。 理想溶液(ideal solution)とよぶ。 成分1と2がともにラウールの法則に従う。 15 理想溶液と圧力-組成図 理想溶液 • 成分1と2の溶液中でのモル分率をx1, x2 • 気相中における分圧をそれぞれp1, p2 •式 ここで, p1と, p2は 成分1と2の純粋液体の同じ温度での蒸気圧である。 全蒸気圧Pは分圧の法則から •式 16 理想溶液と圧力-組成図 各成分の分圧と 全圧を成分2のモル分率に 対して プロットしたものが 図5・5であり、 それぞれ直線的に 変化していくこと 図の左端は純粋な成分1の, また, 右端が純粋な成分2の 蒸気圧に相当。 17 ファンデルワールス相互作用や大 きさが似ている分子からなる液体ど うしは,理想溶液に近い溶液。 理想溶液と圧力-組成図 ベンゼンートルエンの系(図5・6) 多くの溶液はラウールの法則から 多少はずれる傾向 特に大きくはずれるときは ・全圧曲線に極大or極小が現れる 極大の例として ベンゼンーニ硫化炭素(図5・7) 18 液相と気相が平衡にある時 理想溶液と圧力-組成図 の気体の圧力が蒸気圧であり, その蒸気圧が外圧と等しくなるときに沸騰が起こる。 そのときの温度が沸点である。 いま,外圧を一定として(通常は大気圧), その外圧と同じ蒸気圧になるときの温度, すなわち沸点と溶液の組成をプロットしたもの 温度一組成図(沸点図)図5・8べンゼンーニ硫化炭素。 19 下側の曲線 • 液相の組成と沸点の関係 =液相線(沸騰曲線) 上側の曲線 • 気相の組成と沸点との関係 =気相線(凝縮曲線) 図中のa点は a’点 この2点を結ぶ 直線 • 液相のある組成での沸点 • 同じ温度で溶液と平衡にある 蒸気の組成 • 連結線(tieline) a’点の蒸気の 組成は • もとの溶液よりも二硫化炭素の 組成に富む蒸気 分離するには • この蒸気を冷却し引き続き沸騰させること を繰返すことにより,二硫化炭素を分離 繰返して成分を 分離すること 理想溶液と圧力-組成図 • 分別蒸留,略して分留 (fractional distillation) 20 沸点図 理想溶液と圧力-組成図 • 極大と極小が現れる2成分系 例 • 図5・9と図5・10 極大は • 2成分の分子間で強い引力的相互作用が働き ⇒各成分よりも沸点が高くなるためである。 極小値は • 逆に,2成分の分子間での相互作用が, それぞれの成分の分子間よりも小さくなり ⇒沸点が下がる 21 蒸気の成分は 理想溶液と圧力-組成図 • 極大点や極小点の組成の溶液を 沸騰させると, • 溶液と同じ組成の蒸気が発生してく る。 組成の溶液を • 共沸混合物(azeotropic mixture) という。 共沸混合物例 • 表5・2に示した。 22 23 24
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