医薬品素材学 Ⅰ 相平衡と相律 (1) 1成分系の相平衡 相律 クラペイロン・クラウジウスの式 (2) 2成分系の相平衡 液相―気相平衡 液相-液相平衡 液相-固相平衡 (3) 3成分系の相平衡 平成26年5月9日 S L G ○ ○ ○ ○ 気相 G 液相 L 固相 S 融解曲線 AT 昇華曲線 BT 蒸気圧曲線 CT 三重点 T 臨界点 C 臨界状態 超臨界流体 1) 相律: F CP2 F:自由度、 C:成分の数、 P:相の数 ○ 1成分系の最大自由度 = 2 (圧力と温度) ○ 曲線 AT, BT, CT 上の自由度 = 1 (圧力または温度) ○ 点 T の自由度 =0 2) クラペイロン・クラウジウスの式 d p trs H d T T trsV (相境界の熱力学) クラペイロンの式 l→g vap H vap H dp >0 d T T (Vm( g ) Vm( l ) ) T Vm( g ) s→l fus H dp d T T (Vm( l ) Vm( s ) ) dG V d p S dT > 0< 0 ○ 気体を理想気体とみなして Vm( g ) RT / p d p p trs H dT RT2 trs H ln p C RT クラペイロン・クラウジウスの式 相律: 自由度の最大数は 3 (圧力、温度、成分組成) 1) 液相―気相平衡 蒸留、分別蒸留、共沸 2) 液相―液相平衡 相互溶解、臨界共溶点 3) 固相―液相平衡 3-1 固溶体を形成する場合 3-2 共融混合物を形成する場合 3-3 分子化合物を形成する場合 液相―気相平衡 1) ラウールの法則 ベンゼンの 蒸気圧 12.7 kPa ベンゼン-トルエン溶液 X : 0.6 pX: 3.8×0.6+12.7×0.4=7.4 kPa この蒸気におけるトルエンのモル分率は、 ドルトン分圧の法則より Y : (3.8×0.6)/7.4=0.31 Y X タイライン トルエンの 蒸気圧 3.8 kPa トルエンのモル分率 0.6 の混合溶液 トルエンのモル分率 0.31 の混合蒸気 ○ 圧力-組成図では、液相線は常に気相線より上にある。 液相―気相平衡 (b) 温度-組成図 (沸点図) (a) 圧力-組成図 L 分別蒸留 pB* Tbp ,A G pA* G A B L B A Tbp ,B B 液相―気相平衡 共沸混合物 実在溶液のラウールの法則からのずれ 正のずれ 同種の分 子同士が 強く会合 ↓ 溶液になる と会合が弱 まる(逃散 傾向) ↓ 負のずれ 異種の分 子同士が 溶液中で 安定化 ↓ 気体として 逃げ出し にくくなる ↓ 気化しやす くなる ↓ 気体の分 子が減る ↓ 蒸気圧が 高くなる 蒸気圧が 低くなる 液相―気相平衡 共沸混合物 正のずれを有する溶液(メタノール―クロロホルム) 蒸気圧曲線に極大点、 沸点図には極小点 (水―エタノール) 液相―気相平衡 共沸混合物 負のずれを有する溶液(水-ギ酸) 蒸気圧曲線に極小点、 沸点図に極大点 液相―液相平衡 相互溶解 1液相 2液相 上限臨界共溶点 sol H 0 てこの原理 フ ェ ノ ール層の重量 ef = 水相の重量 fg 液相―液相平衡 相互溶解 下限臨界共溶点 上と下部に臨界共溶点 sol H 0 例) 非イオン系活性剤と水 低温では水素結合 高温では熱運動 固相―液相平衡 3-1 固溶体を形成する場合 固溶体:化合物(あるいは元素)と して存在する物質が固相 で完全に溶け合ったもの 固相―液相平衡 3-2 共融混合物を形成する場合 寒剤 共融点 B 共融混合物 Ⅰ: 溶液 Ⅱ: 溶液+ショ糖 Ⅲ: 溶液+氷 Ⅳ: ショ糖と氷 固相―液相平衡 3-2 共融混合物を形成する場合 融点効果による湿潤 共融混合物 重量比 50% (モル比 3:2 ) 固相―液相平衡 3-2 共融混合物を形成する場合 固相―液相平衡 3-3 分子化合物を形成する場合 Ⅰ:溶液 Ⅱ:分子化合物と溶液 Ⅲ:スルファニルアミド と溶液 Ⅰ 分子化合物の融点 B スルファニルアミド と分子化合物との 共融点 Ⅲ Ⅳ AⅡ Ⅳ:スルファチアゾール と溶液 スルファチアゾールと 分子化合物との共融点 モル比 1:1 の分子化合物 3成分系の正三角形座標 A のモル分率: cA B のモル分率: cB C のモル分率: cC cA = 0.3 cB = 0.5 cC = 0.2 cB C のモル分率 0.6 の B と C の溶液に A を加えていく cC cA C のモル分率 cA cB cC 1 酢酸-クロロホルム-水の3成分系の相図 てこの原理 液相 Y の重量 XZ fg f'g' 液相 Z の重量 XY eg e'g' タイライン: ef, e'f', e''f'' 1液相 タイラインが BC と平行にならないのは、 A酢酸が Bクロロホルムよりも C水に溶 けやすいからである。 g' 2液相 g もうひと少し頑張りましょう!!
© Copyright 2024 ExpyDoc