制度経済学Ⅰ②

制度経済学Ⅰ①
2008年までの好景気がつづいた
世界経済が現在同時不況
日本経済?
評価の方法
• 1 DVD上映→質問に回答
• 2 15本のDVDについてノートを作成
• 3 レポート作成
講義のテーマ、DVDの内容について質問
・評価の3要素 ディベート・小テスト・レポート
DVD質問
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Q1
Q2
Q3
Q4
Q5
現在の日本の平均所得の水準?
安売りスーパーの3戦略?
日本のデフレの背景?
デフレ・スパイラルとは何か?
デフレ脱出の方法?
• ク・現代 2010.4.9.
質問解答
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•
•
•
A1
A2
A3
A4
A5
制度経済学とは?
• 経済学といえば、市場メカニズムが中心
• だが、実際には市場は制度なしに機能せず
• 制度とは、法律、契約、合意、ルール、慣習
などの全体を示すことば
要するに、
• 制度経済学とは、市場プラス制度の重要性
• 市場がうまく機能するために、さまざまな制度
が必要
• これを日本経済について考えてみよう
2008年夏までの日本経済?
• 変化は急激におこった 大地震 大津波
• 2004-2008の時期 世界同時好景気
• 1990-2004 「失われた10年」日本経済
• 1980-1990 バブル好景気
• 1945-1990 日本型フォーディズム
• 日本経済のマクロ的な調整(レギュラシオン)
の変化を分析する
日本型フォーディズムの時期
・大量生産・大量消費
・賃金所得の規則的な上昇(賃金=需要)
・そのための労働生産性上昇の実現
・高賃金=高生産性=高成長の好循環
• このフォーディズムの時期からバブル好景気
(不動産市場の投機化)、バブル崩壊をへて
2004-2008の世界同時好況は・・・・
・ 日本経済にとって、輸出主導による景気
回復が中心 賃金=コスト
質問力
• Q フォーディズム(高賃金、インフレ、高成
長)から現代(賃金抑制、デフレ、低成長)へ
の移行、変化の原因は何か。現在のヨーロッ
パのインフレ国の特徴は何か?
• 耐久消費財の生産・消費を中心とする高度成
長(1945-1990)からポスト・フォーディズムへ
• 労働側の攻勢、攻めの戦略⇒企業が受容
• なぜ? 企業にとって生産コストアップを売上
高アップによって吸収する
• ポスト・フォーディズム(1990-)では労働側
は守勢、守りの戦略⇒企業の論理が強い
• なぜそうなったのか?
• 製造業から金融業へ、リーディングインダスト
リーの交替(アメリカ合衆国)
• そして、株主利害の重視、短期的利益の重視
• さらに、企業の収益率重視⇒コスト重視
そして、ヨーロッパ
EUのなかで英、独、仏はデフレ経済。
• それに対して、EU加入によって高度成長に入った
国々、スペイン、アイルランド、ギリシアは、インフレ
をともなう高い成長を記録した。
⇒一定のキャッチアップ効果
→ ギリシアの財政破綻、IMF出動
制度経済学Ⅰ②
Q1 日本自動車産業の貿易黒字額?
2000年、2007年
Q2 日本の自動車生産台数(2007年)?
Q3 自動車の異なる二つの需要とは?
Q4 生き残ることのできる企業とは?
DVD クローズアップ現代2009.3.30
回答
Q1
Q2
Q3
Q4
制度経済学Ⅰ③
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•
DVD質問
Q1 日本経済にとり中国経済がもつ意味?
Q2 中国中流世帯の特徴?
Q3 中国市場でいかに生き残るか?
DVD ク現代 2009.3.31
• DVD質問回答
• Q1
Q2
Q3
中国経済の成長
• 1978年の改革開放に始まる市場経済化
• 「市場移行経済」の中国的特徴 漸進的
• 1990年代以降、USAの好景気とリンク
• 中国輸出主導型成長⇒アメリカ巨大市場
• そのアメリカ市場が2008年秋バブル崩壊
• 中国輸出産業 大打撃 輸出主導から
• 国内市場、内需へ転換 57兆円(2009年)
• 巨大政府投資が意味するもの
• 「公共投資増⇒生産増⇒所得増⇒消費増
⇒中流階級の登場、クルマ社会へ」
これは、中国版フォーディズムの実現へ?
中国国内市場
• タフなマーケットにどう食い込むか?
• もはや沿岸部ではなく、西部市場が中心
• 人材の育成、地道な営業力、顧客の囲い込
み、 アフターサービス、技術指導など f
制度経済学Ⅰ④
• DVD質問
• Q1 日本の新産業は何か?
• Q2 日本の製造業の得意技は何か?
• Q3 なぜ国際標準の取得が重要か?
• ク現代 2009.4.1.
• DVD質問回答
• Q1
• Q2 日本の製造業の得意技は?
• Q3 なぜ国際標準の取得なのか?
• 日本の企業システム 技術力の形成
• 本社と下請けの関係はどの市場経済にも
• 見られる
• 日本の場合、両者の間に強い信頼関係が
• 存在 日本的モノづくりの中心
•
•
•
•
なぜか?
たんなる価格関係であれば、本社と下請け
企業の間にはスポット契約だけが存在する
一回ごとの契約で終わり
• これに対して、日本の長期相対関係は異なる
• 日本型フォーディズムを支えた企業システム
• さらに、雇用関係も異なった 長期雇用
• 内部労働市場の発展 終身雇用 昇給制度
• 企業内労働組合制度、年功序列制度
• 数々の制度によって支えられた日本経済
•
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•
•
そうした日本型フォーディズムのゆらぎ
終身雇用制度の衰退
年功序列制度から成果主義へ
企業別労働組合の限界
• いずれも1990年代以降、衰退が鮮明
• それに代わる安定的制度が不在:現在
安定的な制度の不在とは・・・
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•
フォーディズムの制度⇒規制にもとづく競争
別名、「仕切られた競争」
その制度プラス市場のシステムで、
30年間(1945-1975)に及ぶ長期の成長
1980年代以降、一転して規制緩和へ
規制緩和=deregulation
Regulation( レギュレーション)は「規制」
それに対して、
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•
Régulation レギュラシオンは、調整
規制緩和すれば競争刺激⇒利益増大
だが、しかし規制緩和の弊害、弱点は?
規制緩和の利益と弊害の実験
この30年間 1975-2005
その評価 当初の期待と異なる結果 F
制度経済学Ⅰ⑤
DVD質問
• Q1 民間が経営する公共施設の割合
• Q2 委託になると被雇用者の地位はどう変
わるか
• Q3 最低賃金と生活保護の違い
• Q4 リビング・ウェッジ?
• Q5 市場は自動調節機能を持っているか?
• DVD 2008.3.ク現代
DVD回答
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規制緩和⇒効率的行政サービスという名目
だが、低い労働条件、
コスト削減の要請ー至上命題
H10年以降下がり続けるビルメンテナンス
経費削減のしわ寄せ
大阪市ー清掃業務ー入札制度ー価格破壊
行き過ぎー制度に歯止めなし
• サンタフェの実験ーリビングウエッジ
• 条例により実施ー最低賃金の引き上げ
• 税収増⇒福祉予算削減
• 全米150都市に波及
• 貧困層を増やすのではなく、税負担可能者を
増やすべきー自治体
・ 豊中市-入札制度の改善
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•
市場原理だけではチェックできない
公共・行政の介入の必要
市場プラス公共=制度
ILO94公契約条項ー日本,未批准
価格=安さだけが基準、価格から総合評価
制度の改善ー労働条件を考慮に入れる F
⑥
• Q1 FX取引とはなにか?
• Q2 FX取引の背景?
• Q3 どう改善?
• 2008.10.7.放映
• Q1
• Q2
• Q3 対策、改善
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•
FX取引の特徴
ハイリスク・ハイリターン
大きな儲けは大きな損失と裏表
為替相場、株式市場を予測する
それ自体、職業の対象となる
アマが入り込む危険とチャンスー金融自由化
もうける機会が増える=損失の機会も増える
•
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•
金融自由化のロジック
=社会の全員が投資家になる
基本的に困難、それが常識として通用
先物市場、商品市場など
ハイリスク・ハイリターン
「少ない資金で大きな資金を動かす」
1970年代以降の流れの歴史的転換=現在
制度とは何か
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•
法律的な制度、経済と法
市場機能だけでは不十分 「ヤミ市場」
いかにして市場の機能を高めるために
制度を充実させるか
市場と制度の往復運動
言い換えれば、経済と法の関係
• Q1 規制緩和の潮流はいつ始まったか?
• Q2 民活のメリットは何か?
• Q3 民活の欠点は何か?
• Q3 民活の欠点
事業を民間に委託する場合、事前に業者をコ
ントロールするのではなく、事前の届出だけ
ですませる その結果 民間業者を事後的に
しかコントロールできない あきらかに制度の
不備 市場原理と公的規制の結合が重要
1970年代以降の民活路線の教訓
最大の教訓は2008年10月の金融危機
• Q1 1970年代後半 レーガン(USA)、
• サッチャー(英)、いずれも1970年代半ば以
降からの経済的停滞を乗り越えるための
経済政策を模索 それまでの経済成長(黄金
の30年1945‐1975)の特徴 大量生産と
大量消費の結合→高成長の持続→累積的
過程 それが1970年代半ばに停止 なぜ?
• 1970年代半ばまでの高成長の制度的特徴
むきだしの市場システム(19世紀的自由競
争)ではなく、1930年代の大恐慌の教訓に
よって十分に制度化された経済、つまり規制
にもとづく経済が高成長を生んだ しかし
低成長への以降によって、規制こそが低成長
の原因とみなされるようになる 経済学の転
換
• Q2 民活のメリット
新しい企業の参入、起業精神の活性化、
雇用の創出、税収の増加、成長、
ただし、参入する企業の質をどうコントロール
するか という問題は不問のまま
そのことが、さまざまな問題を引き起こす
モラルハザードの温床となるリスク F6
制度経済学Ⅰ⑦
•
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•
•
DVD質問
Q1 多重派遣とは?
Q2 なぜ違法派遣が増えている?
Q3 社会保険に未加入の派遣は違法か?
• ク現代 2007.9.19.
• Q1 多重派遣とは?
• Q2 なぜ違法派遣が増えている?
• Q3 社会保険未加入と派遣労働
どうしてこうなったのか?
• かつて日本の勤労者の80%は正社員であっ
た それがバブル崩壊とともに日本的雇用慣
行が崩壊する 現在、非正社員の比率は3
0%を超えている 女性は50%を超えている
女性のなかでも正社員、派遣、パートの順に
労働条件はダウンする
一口にいって派遣とは、「労働法なき世界」
これでは正常な労働市場は成立しない
• 派遣労働以前のストーリー
• 完全雇用の時代ー1950-1975年
• ケインズ的経済運営 従業員=消費者
• 従業員の所得増→最終消費増→成長促進
このマクロ経済回路がバブル崩壊以降、機能
低下する 需要水準維持よりもむしろ
経営者は コスト削減 を目的にする
その結果 賃金水準のダウン
• つまり、マクロ経済回路は
所得増→成長促進 から
所得増→コスト増 になる なぜか?
企業の海外競争はコスト要因で決まる
はたしてそうなのか?
海外競争のもうひとつの要因は品質であり、
高品質であれば、高コストも十分相殺しうる
• 完全雇用の時代の賃金決定
市場の動きにそれほど感応しない賃金の動き
賃金の動きの決定要因は制度化される
1 団体交渉制度 春闘
2 企業の労働生産性に連動
3 インフレに連動
ところが現在では1-3はいずれも機能しない
• 現在の賃金決定
• 市場による決定が重要になっている 派遣労
働も水準を引き下げる要因である 企業の論
理は露骨である 日本経団連の提言「派遣労
働のさらなる規制緩和改革」を政府提案
• 企業がさらに派遣労働者を使いやすくする
• 国際競争という名目、
• いかにして対応するのか?
• 裁判、訴訟の積み重ね
• 国の責任は大きい 国民の正常な生活を保
障できないような働き方が急増している
• 2008年春派遣法改正 正社員化への道
• だが、現実には「leaders only for the name」
が増える 名ばかり管理職
• なぜ「労働法なき世界」がまかり通るのか?
• 「悪貨が良貨を駆逐する」
• 法の支配の必要 だが 法律の支配は天か
ら降ってこない 人が法律を作り、機能させる
• 法に従わない人を監督する機関
• 県レベルの労働局、指導員による是正指導
• はたして十分な人員の配置?規制緩和の盲
点ではないか
• 規制緩和さえすれば、消費者にとって便利、
サービス向上という安易な宣伝文句
• 企業にとってもコストダウンのメリット、
• これらのメリットに対して、しわ寄せは労働者
に押し付けられる 社会的な弱さ 1500万人
の声をどうくみ上げるか それなしには日本
の経済力は短期的には利益があっても、長
期的には展望がない
F7
⑧
• 小テスト
制度経済学Ⅰ⑨
Q1 バス交通事業の規制緩和の背景?
Q2 新しい代替サービスは何か?
• Q1 規制緩和の背景
• 秋田の例 バス路線廃止ラッシュ
• 「病院に行けなくなる」 年金生活の半分がタ
クシー代になる 生活できなくなる
• 供給サイド 原油高 燃料コスト高 乗客の少
ない路線バスへの公的補助金カット
• 民間バスの7割は赤字
• バス廃止ー「生存権を奪う」 自治体の責任
• Q2 新しいサービス?
• 「自治体財政健全化法」という新しい法律
• それまでの別会計扱いから、自治体予算と合
わせた会計処理 そのうえで財政赤字の抑
制を指導される 名古屋市の市バスの赤字
いかにして住民のニーズを把握するか
ほかの交通手段との統合(スクールバス、
病院、ホテルの送迎バスなど)
• 代替交通への国の補助金制度 200以上の
実験進む 秋田/乗合ワゴンの問題点
悪循環
安曇野の例 デマンド型交通 ドアツードア
便利性 コスト抑制、「一筆画走法」「配車オペ
レータに地元主婦」、ルート改善、低料金
「混乗」の制度化、長期的視点の必要
•
•
•
•
•
•
公共事業の民営化路線 1970年代末→
基本的に正しいとする考え、ところが、
イギリス 民営化鉄道の事故繰り返される
USA 民営化航空会社の事故
日本 JR関西 宝塚の事故
いずれも、民営化以降採算性重視、安全性
への配慮は副次的になってしまう
• 目指すべきは何か
• 基本的に規制緩和路線は正しいのか?
• 公的規制、公営か、あるいは民営化、民営か
の二者択一の選択ではない
• そうではなくて、いかにして民と公が補完しあ
うのか が重要 大切なのはサービスを受け
る側のニーズの充足程度 負担費用 対
サービスのバランスをどう実現する?
• 規制緩和政策は決して後戻りできないノーリ
ターン点ではない
• いかにして変化する現実に合わせて、制度を
進化させるか
• 現実経済の変化(高齢化)と制度の進化を組
み合わせる→サービスの生産(供給)サイド
の確定 生産と需要の往復・循環・累積運動
F9
⑩
•
•
•
•
タクシー業界規制緩和 09.12.11
Q1 規制緩和の目的?
Q2 歩合制の意味?
Q3 タクシードライバーの生活状態?
•
•
•
•
2009年初乗り500円以下のタクシー登場
金沢ータクシー激戦地 競争大
規制緩和による競争激化 台数大幅増
台数増→顧客奪い合い→高料金→不況
→客離れ→値下げ→売上ダウン→悪循環
• 悪循環にもかかわらずタクシー会社はそれほ
ど損害を被らないのはなぜか?
• 台数増→コストアップ、ドライバー増→
• ドライバー増はしかし、コスト増にならない
• 賃金の歩合制により、コスト増はドライバーに
しわ寄せされる仕組み
•
•
•
•
•
タクシー業界の規制緩和
2000年代初め規制緩和の大合唱
競争刺激→優良企業が生き残る
価格ダウン→値下げ→デフレスパイラル
しかし、競争激化は安全・安心の低下を生む
• 社会保険料を負担したくないために、運転手
は正社員をやめて、アルバイトになる という
まちがった選択をする まちがっているが、
やむをえない選択 そして国民健康保険に移
行するが、その保険料も支払えない
その結果、病気でも通院できない状態になる
・ 安全・安心のタクシーが危険な状態へ
• 根本的解決策は何か?
• 業界の自主努力で台数削減、適正水準であ
る規制緩和以前の水準へ
• 監督官庁による規制の正しい運用
• 安ければよしの見直し→値下げからの脱出
制度経済学Ⅰ⑪
• Q1 非正規雇用の規模?
• Q2 手取り20万円の職は簡単に見つかる
か?
• DVD 2008年10月10日録画
• Q1 非正規雇用の規模
• Q2 手取り月収20万円の仕事
• 景気後退とワーキングプアの問題
• これまで曲がりなりにも好景気であった 自
動車産業の好調 USA輸出が生産増を支え
る サブプライム危機の悪化がUSA全体の
消費に悪影響 金融危機→景気急後退
• トヨタ減産 本社レベルは減産で対応可
• だが、下請けレベルでは部品の注文が突然
なくなる 廃業を意味する
• 従来の本社・下請けの企業システムが景気
後退とともにシステムの崩壊を引き起こす
• 短期的な対応としては正解であっても、中長
期的には疑問 景気が回復したときに、下請
け企業はいなくなっているリスク
• トヨタ本社だけでなく、下請け企業を社会的に
保護しないと、底辺の技能が継承されなくな
る 日本の製造業の強みが破壊される
• 現状→派遣切り、これまでの人手不足から
• 一転して人余りへ、真っ先に整理される派遣
労働者 ネットカフェの登場、さらにホームレ
スへおちる、ホームレス収容施設の定員はわ
ずか60人、これまで容易な利益を得ていた派
遣会社へのしわ寄せ、急拡大の反動が起こ
る 失業保険なき派遣労働の問題、
• 景気後退とともに悪化するワーキングプア
• 資本主義経済であるかぎり、景気変動は不
可避 しかも競争はグローバル化している
• 景気変動の振幅が大きくなるリスク増大
• いかにしてショックに対応するか
• 個別レベルでの対応の限界
• 社会的ショック対応能力がテストされる機会
• つまり、解雇された従業員を見捨てるのでは
なく、・・・
•
•
•
•
•
いかにして、社会的セーフティネットを築くか
現政府の不況対策「定額給付」2兆円 しかも
その給付のしかたが決まらない 政策の貧困
2兆円を失業者の再技能形成に投資する
失業者の「働く能力」を高めること→社会の責
任、政府の責任、
• バラマキ政策ではなく、教育投資の必要性
• セーフティネットの重要性→資本主義の宿命
である景気変動に柔軟に対応できる
• モラルハザードなき制度構築→セーフティ
ネットにまるっきり依存する失業者をなくす
• アメとムチの政策
• 「働く能力」形成の機会を与えることと引き換
えに、失業手当支給期間を明記する
• かつて「日本企業は人を大事にする」と言わ
れたが、現在でもこのことは妥当しているか
• 部分的にしか妥当しなくなっている
• 勝ち組と負け組みという格差の図式
• このままでは景気後退とともに社会の後退が
始まるリスク
• 社会的対応能力を高める絶好の機会 ⑪
制度経済学Ⅰ⑫
• Q1 コメ不正転売の背景?
• Q2 今後の対応?
DVD 2008年9月18日放映 ク現代
• Q1 不正転売の背景
•
• Q2 今後取るべき対応策?
• 日本の流通制度の複雑さ→低生産性
• 流通とは何か? 市場の需給調整役 品不
足と過剰をバランスさせる ストックの役割
一定期間先の需要を先取りして生産に対し
て シグナルを出す 流通の本来的役割
それが過剰になると、どうなるか?
小売価格に流通コストが転嫁される
消費者余剰が失われる
• 日本の流通産業ー典型的な保護産業
• 外国との競争にさらされない 製造業とのち
がい 建設・金融・流通の共通性
• 1キロ=8.9円の米が370円になるまで転売
される世界 理解不可能だが、現実に存在
• 農水省のチェックー機能停止
• 農水省=米の供給者=監督者 の矛盾
• 農水省の検査をいくらでもごまかすことので
きるような検査制度ー規制緩和と結びつくと
食の安全制度は崩壊する 利益優先
安全は二の次 の経営態度を生み出す 売
れない輸入米を「売れ」という農水省、そして
輸入米を「買ってもらわねばならない」農水省
の矛盾 そもそも根本的におかしい 誰も
気づかないことの不思議
• 日本経済の競争力というけれども どこかお
かしいところは多々ある 一方では製造業の
国際競争力がつねに注目されるけれども、
こうしたおかしいところ、制度的なほころびを
地道に改善、改正することが大事である ここ
でも人間の行動を動機付ける制度のはたす
役割が重要になる 制度の誕生・発展・衰退
のサイクルを分析する
⑫
制度経済学Ⅰ⑬
• Q1 年金記録はなぜ改ざんされたのか?
• Q2 実際の改ざんの程度は把握できるか?
• DVD 2008年11月26日放映
• Q1 改ざんの理由
• Q2 改ざんの正確な把握?
• 国民の年金制度への信頼がゆらぐ、官僚制
度そのものへの不信が高まる 社会的危機
• 具体的に、改ざんにより年金額が下がってし
まう 本人の現役時代の収入、支払い保険料
に見合う年金を受け取れなくなる 異議申し
立ての限界 証拠がないかぎり、証言だけで
は修正されないという不条理
• 制度はどうなっているのか?
• 企業が保険料を支払わないとどうなるか?
• 強制徴収権ー差し押さえ 現実には機能しな
い 1985年以降 1人以上の企業はすべて
• 厚生年金制度に加入しなければならない
• だが、現実には不景気になると支払い率が低
下する 徴収率低下 改ざん というシナリオ
• 問題の根は深い 社保庁の人事システム 幹
部は中央(霞ヶ関)から出向、派遣 「事なか
れ主義」 キャリア族 現場は現地採用のス
タッフ かれらの仕事に幹部が口出しできな
い ただ、徴収率だけが一人歩きする
• 社保庁だけでなく、日本の官庁システム共通
の問題 国家公務員の大半は中央から地方
に出向する人員で占められる 地方支配
• あるべき厚生年金制度の問題
• 不況になると徴収率が低下する つまり 不
況に対するセーフティネットになっていない
• さらに 非正規社員には厚生年金制度は適
応されない 企業が非正規雇用に走る背景
• 人件費コストの抑制という経営者にとっての
魅力は短期的、企業中心的であって、長期的、
社会的には大きな損失になる 認識不足
• もう一度規制緩和の経済学について
• 規制緩和は民間の競争活性化によって消費
者に利益が生まれるというキャンペーン
• だが実際には数々の不利益が発生している
• 民だからいい、でもないし、公=官だからいい
• でもない あらゆる組織(民、公)に必要な
• 組織の自浄能力 不断に機能すべき ⑬
制度経済学Ⅰ⑭
• Q1 健保組合? 協会健保?
• Q2 健保財政悪化の理由?
• Q3 「負の連鎖」とはなにか?
•
•
•
•
Q1
Q2 悪化の理由
1
2
• Q3 負の連鎖?
• 東京大手タクシー会社の例(DVD)
• 実際の医療保障だけでなく、健保組合はさま
ざまな福利厚生施設をもっている 健康診断
宿泊施設 スポーツ施設など 大企業特有の
企業内福祉制度 それが衰退、崩壊へ
・ 不況⇒売上減⇒給料減⇒保険料減
・ 保険料 企業と従業員が折半 8.2%
•
•
•
•
•
•
•
全国1500の健保組合の90%は赤字
健保組合解散後、協会健保へ
中小企業の社会保険料削減のテクニック
負担逃れー年金記録改ざんに類似(⑬)
請負契約にしてしまう(⑤) 請負契約すると
全額自己負担になる 個人事業主になるから
それは、「偽装請負」 違法行為
•
•
•
•
不況の悪化 経営者の論理が露骨になる
2008年の不正改ざんの数 全国34000所
保険料の滞納⇒払えないのか、それとも、
払わないのか
•
•
•
•
•
•
•
どうするのか?
少子高齢化プラス不況の長期化
そのなかでグランドデザインの必要
納得できるコスト負担、それにともなう便益
政府の説明責任
医療ビジョンの透明化
とにかく医療費削減という政府方針 F
制度経済学Ⅰを受講して
• Q1 印象に残ったDVDの内容、タイトル?
• Q2 何を理解することができましたか?
• Q3 講義で改善すべき点があれば指摘してく
ださい