メディア論

メディア論
第14回 ドキュメンタリーとは何
か
(2015.1.26)
担当:野原仁
最終課題
提出期限:2月16日(月) 17時
提出場所:研究室前ボックス
本日のテーマ
ドキュメンタリーとはなに
か
すぐれたドキュメンタリー
の条件
すぐれたドキュメンタリー
作品を見よう!
ドキュメンタリーとは?
現実社会のなかの事件・紀行・人
物・自然などを描いた映像作品
Document(記録)からできたことば
さまざまな事実を、表現者の視点・
思想・感覚によって組み合わせて表
現したもの
何らかのテーマ・表現者の意図が必
ずある
事実・真実・本質
 事実:実際にこの世の中にあることや起きたこ
と
 真実:感覚的にとらえたあるものの本当のすが
た
 本質:論理的にとらえたあるものの本当のすが
た
 事実をどれだけ集めても真実・本質にはならな
い
 事実をもとに人間が「本当である」と判断した
ものが本質
 ドキュメンタリーは、人間・自然・世界の本質
を描こうとするもの
やらせと演出
やらせ;事実をねつ造すること
演出;事実をもとに、それをわかり
やすく表現すること
ある特定の人間がいつもやっている
ことを再現して「やってもらう」こ
とは、やらせ?
ドキュメンタリーでは、再現シーン
を断りなく使ってもいい?
ドキュメンタリー・ルポ・ノンフィクション
ルポ(ルポルタージュ):仏語
reportageで、「報道記事」という意
味
映像のドキュメンタリーに対応する、
文章による現実世界の記録
ノンフィクション:ルポとほぼ同じ
意味で使われることが多い
ドキュメンタリー制作の過程
① 事実の認識(何が起きているのか)
② 問題意識(何が問題なのか)
③ 表現目的(問題をなぜ伝えるのか)
④ 表現内容(具体的に何を伝えるのか)
⑤ 取材・記録方法(どのように記録する
のか)
⑥ 取材・記録
⑦ 編集
日常生活の記録としてのドキュメンタリー
子どもの運動会をお父さんがビデオで
撮影したもの=ドキュメンタリーのひ
とつ
「家族」という社会のなかでは重要な
ものだが、それ以外の人々にとっては
重要ではない
対象とする視聴者の範囲によって、
「すぐれたドキュメンタリー」の条件
もちがう
グローバルな視点でみた、すぐれた
ドキュメンタリーの条件
① 多くの人にとって知ることが必要なこ
とが描かれている
② 知ることが必要なことで、知られてい
ないことが描かれている
③ 人類全体の幸福や平和を目的に描かれ
ている
④ 表現者独自の思想・視点などがきちん
と描かれている
本日の作品
『枯れ葉剤被害は終わらない』
(2007年・長野放送制作)
30年間にわたって、ベトナム戦争時
に散布された枯れ葉剤による被害の
実態を取材・報道し続けている、報
道カメラマン中村梧郎氏(元地域科
学部教授)の活動を描いた作品
まとめにかえて①
メディア・リテラシー
• メディアが提供する情報を批判的に
読み解くチカラ
• メディアを用いて情報を発信するチ
カラ
• メディアによる情報操作を見破るチ
カラ
• メディア事業者と政治経済権力など
の関係を知るチカラ
まとめにかえて②
メディア・リテラシーを高めなけ
ればならない理由→「メディアな
くして社会なし」=メディアが提
供する情報次第で、個人の価値観
や社会のあり方が大きく左右され
る→ひとりの人間として、また地
球社会の一員として、自分と「み
んな」がよりハッピーで平和に暮
らせる社会を創るため
まとめにかえて③
メディア・リテラシーを高める方法
• 自分が無知であることを常に自覚す
る
• 多様な分野の知識を身につける
• メディアが提供する情報を無批判に
受け入れない