尿細管間質性腎炎 WHOの尿細管間質性腎炎の分類は羅列的であるという批判 がある(腎生検病理診断標準化への指針;重松)。 臨床的には 1.急性 1-1. 非感染性 1-2. 感染性 2.慢性 2-1. 非感染性 2-2. 感染性 と単純に分類して考えると良いのではと思います。 今回は主として1-1を提示します・ 非感染性急性尿細管間質性腎炎 1. 薬剤性 図1-4 2. 免疫関連性 Ig4関連疾患 図5 シェーグレン症候群 SLEなど 膜性腎症合併例(小児例) 3. 特発性 TINUなど 図6 4. 腎移植時の拒絶反応 図1 急性間質性腎炎1 メチシリンによる急性間質性腎炎。 糸球体に及ばないびまん性の 間質炎症細胞浸潤。 HE染色,x110。 図2 急性間質性腎炎2 TBMを通過 して浸潤し たリンパ球 肥厚した尿細管 基底膜(TBM) カルベニシリンによる急性間質性腎炎。 リンパ球および好酸球が尿細管 基底膜を通過して尿細管上皮に及び “尿細管炎” を形成する。 HE染色, x270。 尿細管炎は急性腎拒絶反応でも認められる重要な所見。 図3 急性肉芽腫性間質性腎炎 好酸球 ラングハンス 型巨細胞 カルベニシリンによる急性間質性腎炎。 ラングハンス型巨細胞を有する肉芽 腫と、これをとり巻く好酸球、リンパ球の浸潤。 HE染色, x270。 “肉芽腫性間質性腎炎”ともいわれサルコイドーシスを鑑別すべきである。 図4 急性肉芽腫性間質性腎炎 TBMの 破綻 肉芽腫 形成 アザルフィジンによる間質性腎炎。 間質への炎症細胞の密な浸潤による 多数の尿細管基底膜の破綻と肉芽腫の形成がみられる。 PAM染色,x80 。 図5 IgG4関連疾患(片野症例) PAS染色 PAP法 IgG4関連疾患(後腹膜線維症に伴う腎疾患例)での腎生検像。 間質に著明な形質細胞とリンパ球を主体とした浸潤がありIgG4で染色すると IgG4陽性の形質細胞が認められる。 Clin Nephrol; 2007;68:308-314. 図6 TINU (Tubulointerstitial nephritis and uveitis) HE染色像 Aは腎生検像で腎間質に主としてリンパ球と形質細胞の高度の浸潤を認める。 Bは同一症例の骨髄像で巨細胞とそれを取り囲む好酸球を認める(骨髄肉芽腫)。 AJKD 2008;51:pp xxxix-xl.
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