ブルデューの背景思想 キーワードの説明 • パロール:ソシュールによる、言語の日常使用。 現実世界の中の言葉交換。その交換行動の中 からは、言葉の意味が出るはず。 • ラング:ソシュールによる、ある社会の中にある、 言葉や言葉の使用を裏付ける考え方やそれに よる意味の構築と生産。 1 ブルデューの用語とその背景思想 キーワードの説明 ・社会 = 共同体における個々人としての行動や習慣 (=“実践”)が蓄積してきた場、空間。 ・話す = 社会の成員として他者とのやり取りをする。 自己呈示と他者の受け取り。 ・言葉= 社会関係や上記の「話す」ということを表す工夫。 解釈されるテキスト文書も、見ること、聞くことも全て。 ・ハビトゥス = 社会のイデオロギーや社会の伝統を中心に する、社会成員が共有する考え方、やり方、信念とこれら に基づいている日常習慣。言語交換の習慣も含む。 「自然化」された=「当たり前のこと」にされた考え方や やり方である。 2 ブルデューの用語とその背景思想 キーワードの説明 • 言説 = 社会の中での人と人の間のやり取りを構造化 する価値観に基づいている様々な表現やこれらの捉え方。 • 言説論:社会の中で機能している、人間による表現行動を 分析する理論的な方法・道具 • 言語市場 = 人間の行動と発想が伝達される、交換さ れる、強化されていく場(=“社会”)。 時代や社会の状況に異なる。 人間の身分を構成するやり取りの場。社会の価値観に 従う自己呈示を通して自分と他者は相互に受けてもらう場。 3 ブルデューの用語とその思想背景 キーワードの説明 ・力関係/権力関係=近代社会・民主社会にもある諸関係: – – – – – – 親子関係(家庭内で) 先輩~後輩の関係(学校、活動団体などで) 上司的関係(職場などで) 代表的関係(政治制度のなかで) 主流の位置を占める者と、その位置を占めない者との関係。 これらの関係は家庭内、共同体内、国のレベルで「自然化」された 関係であろう。問われない、当然だと思われる関係構造である。 ・言葉による権力関係の象徴化=言葉を通しての力関係は、 物質的な力ではない。物質的に強いる権力でもなく、言葉の 交換を通しての人々の間の相互位置づけやわきまえの現れ方。 4 キーワードの説明 • 表現による「権力関係」の「象徴化」~ ブルデューが言う「社会(である)市場」、 言語市場による社会関係や社会構造を 表す表現=象徴。 (言葉・映像・動画・他のメディアや表現方法を 含める) 5 ブルデューなどの用語とその背景思想 キーワードの説明 • 日常の場所・状況によって、自分の位置が変わっていく ことがよくある。 常に「下層」(目下)の位置に置かれること、「上層」(目上) の位置に置かれることはない。 つまり、ある場または集団では自分が上位、ある場または 集団では下位となる。 6 ブルデューなどの用語とその背景思想 キーワードの説明 ・ブルデューによると、中立化された発言は存在しないはず。 その二つの意味 ~ 1.ある発言は目下関係の中に、目上関係の中に、そして時 と状況の中に解釈されるから、 完全に「中立」の発言として解釈されない。 2.「発信」は言語市場で行われるから、自分を受けてもらい たい発信となるか、他者が自分を呈示するか、ある意図 で生産される。 7
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