大腸菌 における HSP60 のペリプラズムまたは 菌体表層局在について Spirosomeはペリプラズムにあると想定して 実験1 spirosome がペリプラズムから分離できるか否か を調べる。 実験2 細胞壁溶解直後の菌体を電子顕微鏡で観察する。 実験3 安定型 L-form(EcL株) の spirosome を調べる。 Spirosomeの局在を調べる目的で 細胞膜を壊さずペリプラズムの 蛋白 を分離することを試みた リゾチーム液で処理した菌体を 3% NaCl 液に懸濁し、攪拌処理 によりペリプラズム蛋白を外液に遊離させる 細胞壁 ペリプラズム 細胞膜 細胞質内 Absorbance(A600 ) NaCl 2%以上の溶液中で攪拌してもス フェロプラストはほとんど壊れない 1 0.5 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 更に10000回 転30分遠心 Concentration of NaCl(%) リゾチームで作成した スフェロプラスト ①攪拌前ス フェロプラスト NaCl溶液中で 30秒間攪拌 3000回転 15分遠心 ③攪拌 後上清 ②攪拌 後ス フェロ プラスト 結 果 スフェロプラストを 3 % NaCl 溶液中で撹拌した場合の spirosome 蛋白 1 2 3 1 撹拌前のスフェロプラスト菌体 2 撹拌後のスフェロプラスト菌体 94 3 攪拌後の上清 67 - 矢印 spirosome 蛋白 kDa 43 - 30 - 攪拌によってspirosome がペリプラズムから遊離 したと考えられる 大腸菌スフェロプラストを1.75% NaCl液に懸濁し、攪拌した 前後の蛋白の比較 1 kDa 2 3 1. 撹拌前のスフェロプラスト菌体 2. 撹拌後のスフェロプラスト菌体 94- 3. 上清成分。 6743- Spirosome 60kDa 30- E.coli B 30℃と45℃培養(PYG培地 静置培養)による60kDa 蛋白の発現 1 2 1 30℃ 培養 94 2 45℃ 培養 67 矢印 60kDa蛋白 43 結果 30 60kDa蛋白 は、30℃培養に 比較して45℃培養で著しく増 加した 大腸菌スフェロプラストを1.75% NaCl液に懸濁し、攪拌した 前後の蛋白の比較と、 60kDa蛋白の抗 HSP60モノクローナ ル抗体によるウエスタンブロッティング A 1 kDa 946743- 2 3 B 3 kDa 94 67 43 30A, 1. 撹拌前のスフェロプラスト菌体 2. 撹拌後のスフェロプラスト菌体 3. 上清成分。 B, 攪拌後の上清成分(A,3)のウエスタンブロッティング。 矢印 60kDa蛋白 安定型 L-form株の60 kDa 蛋白を調べた (35℃、8時間培養) 1 kDa 94- 67- 43- 30- 2 E.coli の安定型 L-form (EcL 株) 1 E.coli B (全菌体) 2 体) E.coli L-form (全菌 矢印 spirosome蛋白 矢印 60 kDa 蛋白 35℃ 培養のL-form EcL株には spirosome 蛋白と同様に60 kDaに相当するバンドがな かった 大腸菌の 安定型L-form株と野生株におけるHSP60の比較 (45℃、8時間培養) A 1 2 3 B 1 2 3 A, SDS-PAGE 1. 野生株全菌体 kDa 94 94 2. 安定型L-form株全菌体 67 67 3. 培養上清 43 43 B, 抗HSP60モノクローナル抗 体によるウエスタンブロッティン グ。 1. 野生株 30 30 2. 安定型L-form株 3. 培養上清 矢印 60kDa蛋白 45℃培養の 安定型L-form株にも60 kDa 蛋白のバンドは 見られなかった E.coli の野生株と安定型L-form株における HSP60の発現 1 2 3 4 5 kDa 2 E.coli B株 45℃ 培養 全菌体 67- ポンソーS染色 67- 1 E.coli B株 37℃ 培養 全菌体 3 E.coli L-form株 37℃培養 全菌体 4 E.coli L-form株 45℃培養 全菌体 5 E.coli L-form株 ウエスタンブロッティング 45℃培養の培地 L-form株は45℃で増殖できる。しかしHSP60は発現していない。 大腸菌スフェロプラストを1.75% NaCl液に懸濁攪拌し、1万回 転30分遠心で菌体を除いた上清を4万回転、2時間の遠心分 離で得た沈査の電子顕微鏡像 矢印はHSP60像、スケールは100nm 本法で精製(分別遠心)したHSP60の電子顕微鏡像 (ネガティブ染色) Viitnen P.V,et.al. 1992 J.B.C. ま と め 1.大腸菌 のスフェロプラストを1.75%NaCl 液中で攪拌すると60KDa蛋白は細胞分画 より外液の方により多く見られた。 また安定型L-form株ではこの蛋白が検出 されなかった。 2.この60KDa蛋白は抗HSP60モノクローナ ル抗体によってHSP60であることが確認さ れた。 3.大腸菌のHSP60がペリプラズム(または菌 体表面)にある可能性が示唆された。 NATURE Vol 392 1998 リゾチーム処理直後の菌体(E.coli )にみられた spirosome (第80回 報告) Clostridium hiranonisの規則 的配列構造と比 較した部分 規則的配列構造が見られた 菌体 3分後に表面から離脱する長いspirosomeが見られた 100 nm
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