スライド タイトルなし

コンピテンシー
これからの県庁の使命を果たすために必要な行動能力要件
県民本位(価値軸)
意識改革(評価軸)
(成果主義)
単なる結果主義とは異なる、プロセスも評価
1
2004.11
高知県職員能力開発センター 夕部雅丈
IQからEQへブレイクスルー
(価値観、物差しの変更)
1970年代、アメリカ国務省、外交官試験の検討
優秀な外交力を修めた外交官
試験の成績(大学の成績も)とは相関関係がないこと
が判明
そこで聞き取り調査を行った
何を考え、感じ、何を達成したいと思ったのか、
どういう行動を取ったか、
どんなことが起こり、結果はどうだっかた
(対人感受性、前向きな姿勢、強い信念、共感性)
2
コンピテンシー状況
•
•
•
•
•
採用・登用配置・能力開発に使うことが出来る
1970年米国務省が心理学者(マクレランド)に委託して開発し、
米大企業には一巡している
97年から武田薬品、99年富士ゼロックス、資生堂、日本たば
こ産業、NEC、グンゼ、東京電力、花王、アサヒビール、ユニ
チャーム、モービル石油、さくら銀行、富士通、ジャスコなど多数
が導入
世界の公務職場では、ミシガン(リーダー)・メイン・アイルランド(意
識改革)政府が使用
日本の公務職場では、 1999静岡県(賞与)、2001宇都宮市(考
課)、大阪、神奈川(考課と研修)、三重県(キャリアデザイン) 2
002豊中市(考課)2003岸和田市(育成・考課)、東京都、加賀
市(考課)がコンピテンシーモデルを作成、2003長野県2004佐賀
県作業中、伊勢市、、宮崎県(校長)
2001公務職場で能力開発研修と人事を連携させて本格的に適
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用するのは高知県が初めて
コンピテンシー(能力要件・能力要素)とは
・人に注目した考え方、行動が中心
・コンピテンシ-分析には、科学的な手続きを踏む
・コンピテンシーは開発可能である
・EQがコンピテンシーの中核(IQではない)
・仕事先にありきではなく、人重視の考え方
・組織・労務管理ではなく、行動心理学から出たもので、
個人の幸せに直結
・自分の強み弱みを知り、効果的な学習を行うための
道しるべとなる
高橋俊介他
Can,ability,proficiency,capacity,capability,talent
日本語10万語、英語100万語(ケルト、ラテン、ギリシャ、ドイツ、フランス)
太田隆次「コンピテンシー実務ハンドブック」日本法令、2002.8
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EQ5大要素
①自分の感情を正確に知る(感情の自己認識)
②自分の感情をコントロールする(マネジメント)
③楽観的に物事を考える(プラス思考、動機づけ)
④相手の感情を知る(他者の気持ちを認識する、共感)
⑤社交能力(人間関係を適切に管理する、対人関係スキル)
ゴールマン、和田秀樹
EQはリーダーの必須条件
・企業での階層が高いほど
EQが重要な役割を果たしている
・能力の差の多くは、
知的能力によるものではなく
EQによるものだった
(優秀社員は75%、社長は90%以上EQを使っている)
・EQは学習できる
・EQは年齢とともに高まる
ゴールマン
5
EQ(Emotional Intelligence Quotient)
心的知性
自己認識
ストレス耐性
ポジティブ思考
対人関係知性
状況判断知性
自己表現
(アサーション)
対人理解力
対人受容性
感受性
共感力
(洞察力)
6
コンピテンシー概念( 深層
表層)
スキル
自己概念
動機
開発
コアのパーソ
可能
ナリティ特性
コンピ
態度・価値観
知識
成果
行動
内外環境
表面 志、夢、情熱
(気づき)
智
(時間)
EQが中核
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社会生産性本部「日本型コンピテンシーモデルの提案」P22を一部改変
コンピテンシー(成果行動能力)
知識・経験・思考力・動機・
目標・成果イメージ
行動(プロセス)成果事実
(さらに高知県は変革も)
EQ
視点が違う
能力
コンピテンシー評価とは
IQ
従来の優秀者(成果とは無関係)
学歴・年功・職歴・知識・
頭が良い・評論・元気・
理想や夢の語りべ
行動成果は見ていない
EQ
IQ
EQ:相手の気持ちを知って、自分の感情をコントロールし、プラス思考で対応する
心的知性(自己認識)、対人関係知性(アサーション)、状況判断知性(感受・共感性)
8
(川上真史に追加)
変革と具体成果に結びつく
構造のブレイクスルーイメージ
人事配置と一体となった
人材開発の構造
具体の成果と結びつけていない、
能力開発と人事配置が無関係な
ブ
ラ
ッ
ク
ボ
ッ
ク
ス
組織・戦略目的
研修の構造
人事評価
登用配置
能力要素の設定
能力開発
行動評価
実績評価
研
修
先
決
・
明
示
動
機
付
け
登用配置
Open, Fair, Win:Win, Career path
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能力要素
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
職
員
満
足
県民本位指向
リーダーシップ
情報指向
危
機
管
理
現
状
打
破
プロセス思考・プロジェクトマネジメント
倫
理
10
組織として期待
する行動特性
レベル1
変革受動
行動
レベル0
従来行動
従来のやり方
から変わった
行動をとろう
としない
変革意識なし
自分以外
の誰かが
変革行動
を取るのを
待って、遅
れず追随
しようとする
レベル4
変革主導
行動
レベル3
レベル2
成果達成
変革提案
行動
革新的な結
行動
果を自ら作
期待される り上げてい
自分の考え 成果・責任
る
を表明し、出 を確実に達
来るところか 成している
ら実行して
いる
ブレイクスルー
変革意識あり
レベル5
革新創造
行動
周囲を巻き
込み、職責
を越えて大
きな変革を
成し遂げて
いる
組織として
望ましい、
期待される
行動特性
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行政の論理、管理型から県民本位、変革型へブレイクスルー
レベルの取り方
県
民
本
位
変
革
変革コンピ
(プロセス・成果)
戦略型
行
政
論
理
人事考課
現
状
管理型
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人材開発システムと人事
システムの原則
職員に要求される能力要素
(先決明示・コンピテンシー型)
職員の能力
評価
要開発能力
・県民本位指向力
・コミュニケーション力
・危機管理能力
プログラム実施
・情報指向力
(数ケ月実践)
・etc
評価(チーム)4名
システム評価
継続変革の原則
内部・外部評価
実績評価
配置
実践行動評価+勤務態度
総合評価
評価の視点:外部・システムとプログラム・経営品質・人事
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システム実行のイメージ
必要能力要
素の公表
所属長職希望
リーダー職
は10の能力
を備えるてい
ることが条件
(6科目)
講義
実績・コンピテンシー
評価
リーダーシップ開
発プログラム応募
リーダーシッ
プを発揮した
実績がまだ
ない
(1ケ月後)
実践企画
書提出
事業
評価
シート
(3ケ月間)
(外部1含4名)
評 価 企画実践
プレゼン評価
20分(質疑40分)
リーダーシップ
の意味は
理解できた
ようだ
リーダー
シップの力
が身に付い
た
14
実践企画書(A-4版4頁)
1 改善テーマ(県民価値を高めるもの、やらなければなら
ない
ことをする)(やりたいこと、出来ること
ではない)
2 実践内容
2ー(1) 具体目的(成功の情景)右脳を使い一場面として
描く
手段の目的化防止、理解、共有化、絶対値、記憶、調和、速解、伝
達
想像、目標の明確化、全体像、関係、構造、俯瞰、進捗管理、納得
2-(2) プロセス説明
3 改善必要理由
3-(1) 改善を必要とする理由(ニーズがあるか)
3-(2) テーマに関する現状
4 成功の根拠
4-(1) 実践のコアプロセス
4-(2) 最良仕組み(プロセスベンチマーキング)
15
5 改善効果
H15 個人別コンピテンシー総合得点(左)と企画書点(右)の比較図
25
20
15
10
5
0
H
T
O
M
T
T
T
I16
3
上位者と下位者の得点比較
2.5
2
1.5
1
0.5
0
リーダー 県民 プロジェ 職員 プロセス 情報
危機 コミュニケ
17
個人コンピテンシーレベルの変化図
13年度
(13、14年度評価比較)
14年度
25
20
15
10
5
0
A
B
C
D
E
F
18
コンピテンシーの開発難度
難しい
学習能力、判断力、創造力、順応性、野望性
ビジョン形成力、リスクテーキング、イニシアティブ
要点把握力、問題分析力、対人影響力、
能動性・持続性、ストレス耐性
中位
対人リーダーシップ、説得力、組織感覚、決断力、率先性
問題解決力、管理統制力、対人感受性、自律・一貫性
容易
権限委譲、組織コミットメント、計画組織力
プレゼンテーション、対話力、柔軟性・適応力、自己管理能力
コミュニケーション力
(永井隆雄作)
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これまでの考課とコンピテンシーは、どこが違うのか
企画力は
分析的思考力、先見性などへ
協調性は
対人理解力、チームワーク、関係構築力、協働性、フレキシビリティ、
セルフコントロール、組織感覚力、組織貢献力などへ
規律性は
コンプライアンス、自主独立性などへ
責任性は
達成志向力、成果志向力などへ
積極性は
チャレンジ性、目標ストレッチ性、イニシアティブなどへ
20
(ヘイコンサルティンググループ「正しいコンピテンシーの使い方」PHPより)
コンピテンシー評価法
総 合 評 価 法:その人の取組み方をトータルに判断して、
いきなり結論を出す方法(分析がないため、
好き嫌いや第一印象などが判断に入りがちである)
要素別絶対評価法:コンピテンシー項目をひとつずつ順番に確認
していく方法(総合評価法よりは分析的に
なるが、各項目ごとの判断には、まだ主観的
な印象が入りがちである)
事 実 確 認 法:本人が取った行動を、時系列で順番にひとつずつ
確認する方法(面接者による判断がずれないが、
時間がかかる)(その行動がどのコンピテンシーの
どんなレベルになるかをチェックし、項目に振り分
けていくことで判断する)
自主企画による:本人が企画し実践行動した事実を発表したこと
事実確認法
に対して、要素事実を確認して評価する方法
(企画力から成果までの行動事実を確認でき、
発表力までが判明する)(新しい高知県方式
による評価法)
(川上真史に加筆)
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コンピテンシーアセスメント
何時、どのような場面で、誰に対して、何を考え、どのような意図・
理由で、どんな工夫を加えて、どうしたのか、
その結果どうなったのか、うまくいった理由は、失敗した理由は
そしてど考え、どうしたのか、その結果どうなったか
(行動
意図
成果
理由)
(コンピテンシーでない回答)
ポリシー
:こういうことが大切だと思い、こう心がけてきました
皆でやった :皆でやりました
成果のみ
:こんなことが出来ました
これからの事 :今後こうしたいと思います
問題の指摘 :こんな問題があると思います
知識の披瀝 :こんなことを知っています
反省
:こうしたらよかったと思います
(川上真史、出馬幹也他 )
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高業績者のコンピテンシー特性
・自分のとった行動をストーリー立てて話すことができる
(記憶の構造化が出来ている)
・行動の種類が多い
コンピテンシー採用すると
・ポリシーだけでなく行動している
自分のことを聞いて
・優秀さのアピールではなく、成果指向
くれるので気持ちがいい
・「やりたい」ではなく「こうやったらできた」
・自分のとった行動を詳細に思い出せる
定着率が高くなる
・自分で独自に考えることが出来る
アサヒビールの例
・パーソナリティ的安定感がある
新採が提案しだした
・自己開示ができる
・共感性が高い、協働が旨く出来ている
・理解度が高く柔軟性に富む
・統合、止揚できる(メタ認知力が高い)
・自己否定が出来る(変化に柔軟)
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成果の再現性とコンピテンシー
本人が生み出した成果
(コンピテンシーではない)
再現性のない成果
・条件がよかった
知り合いだった
前任が切り開いていた
・運、偶然
(コンピテンシー)
再現性のある成果
・最初から最後まで
自分で考え工夫して取り組んだ
(いかにこれまで人的資源を無駄遣いしていたかが分かる)
(川上真史)
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