【総合研修プログラム】 担当責任者:久留宮隆 GIO : 地域住民への貢献を理念とする桑名市総合医療センターにおいて、 医療チームの一員として、医療の社会性を認識した上で、医師や他職種ス タッフと共同して安全、安心な医療を目標として診療に携わるとともに、 日々の研修経験の中で自らの特性や目標を再認識する事で、将来目指すべ き専門領域を特定し、その領域において有用と考えられる知識、技能を研 鑽修得する。また、医学生や初期研修医などの後輩、他職種スタッフを積 極的に指導、教育する事で自らの能力や感力を高め、患者中心の医療に必 要な知識、技能を修得し、病院への貢献とし、さらに専門医への足がかり となるよう研修を行う。(基本的に研修期間は3年間であるが、1年あるい は2年で専門領域や進路が決定した場合には研修医の希望により2年目、 3年目での各科後期研修への移行や総合研修の終了は可能) 《総合研修における専門領域特定までの一般的なプロセス》 初期研修 年数 1 研修先施設: (図1) 総合研修(後期) 2 3 4 5 東・西医療センター内科(大久保、石田) 東・西医療センター外科(町支、増田) 東・西医療センター整形外科(中瀬古、松田) 西医療センター脳神経外科(村松) 東医療センター麻酔科(宮原) 東医療センター産婦人科(杉原) 東医療センター小児科(森谷) 東医療センター泌尿器科(木瀬) 東医療センター放射線科(川口) 週間スケジュール:桑名市総合医療センターの研修における週間スケジュー ルは基本的に初期臨床研修と同じ。 (初期臨床研修医を屋根瓦式に上級医、指導医とともに指導する) 研修内容: 上記プロセス(図1)の期間中、各4ヶ月を1単位として希望科をロ ーテートします。その際の研修科は本人の希望に沿って、研修管理委員会(教 育センター)がローテート先を調整します。また、当院にない専門科のローテ ートを希望する場合には外病院での研修も考えられますが、この場合には研 修管理委員会(教育センター)が調整を行い、その際の給与規定については受 け入れ病院との話し合いにより、事務担当者と研修責任者である研修管理委 員長と本人が相談の上、決定します。 本研修では基本的に専門医取得の為の経験症例数の確認や論文作成に関す る規定はありませんが、研修管理委員長がメンターとして定期的に面談を行 い、研修医の将来展望や専門領域決定に関する面談を適宜行い、その方向付け を自ら行う事ができる様、メンタリング、指導するとともに、その希望する関 連領域の研修を積極的に研鑽する事によってそれらの理解を深め、より明確な 目標設定が行えるように指導していきます。 ただし、本研修はあくまでも後期研修であり、基本的に初期研修とは異な る事を理解し、自らの社会性や責任、プロフェッショナリズムをベースとして 行っていくものであり、そのコンピテンシー、コンピテンスとしては後期研修 の共通 (横断的) 領域の項目とともに総合研修領域のコンピテンシー、コンピ テンスに対して評価、フィードバックを行い、外科系、内科系のそれぞれの希 望に応じてそれぞれ下記(外科系、内科系それぞれ)のコンピテンシー、コンピ テンスを達成可能な目標として設定します。 共通 (横断的) 領域 (コンピテンシー) (コンピテンス) ⇒後期研修プログラム概要参照 総合研修領域 (共通) (コンピテンシー) (コンピテンス) ① 自らの適性と目標(mission)の理解 A. 持続可能な目標設定 B. 専門領域の決定 総合研修領域(外科系) (コンピテンシー) (コンピテンス) ① 外科的基本手技 A. 基本 (切開、剥離、結紮) 操作 [基本・応用] B. 手術器具・器械の選択・基本操作 C. 状況に応じた手技・操作の選択 D. 特殊状況に於ける手技・操作法 ② 解剖、生理、病理 A. 疾患、手術術式に応じた知識 (心臓、呼吸器、乳腺、消化管、肝胆膵、 救急外科、その他目標領域) B. 化学療法・支持療法、放射線療法を含めた 知識の臨床応用 (同上) ③ 臨床応用能力 A. 状況判断能力 B. 危機回避能力 総合研修領域(内科系) (コンピテンシー) (コンピテンス) ① 内科的診断法 A. 臨床推論の手法(理解と実践) B. 医療面接の応用 ② 内科的疾患の病態・病理 A. 各種疾患に応じた知識 (神経疾患、心臓血管疾患、呼吸器疾患、 消化器疾患、代謝性疾患、膠原 病、 その他) ③ 検査法の理解と実践 A. 血液検査、生理検査 B. 画像検査 ④ 薬物治療の理解と実践 A. 薬物動態と使用法 B. 抗生剤使用の原則と理論 C. 抗癌剤の使用と副作用対策 ⑤ 侵襲的内科治療(IVR を含む) A. 血管内治療 B. 内視鏡的治療 C. 各種穿刺治療 D. その他 ⑥ 生活指導における知識と実践 A. 慢性疾患の生活指導 B. 各種リハビリテーション C. 療養指導(廃用性障害など) D. 社会的資源の活用 E. その他 ⑦ 救急への対応 A. ACLS の理解と実践 B. 各種特殊療法の適応と実践 (呼吸器, PCC, CHDF, 低体温法など) 以上、後期研修 3 年間の間に内科系または外科系の臨床医として必要な基礎 的コンピテンシーを修得するとともに、将来の目標設定を行って必要な専門研 修に移行する基礎を身につけます。
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