知っていると役立つ 福祉用具ワンポイントアドバイス! ~入浴場面について~ お湯につかって 身も心も リラックス リフレッシュ 富山県高志リハビリテーション病院 地域リハビリテーション部 お湯につかるのは日本人の習慣です 入浴効果(血行・関節運動改善など)を在宅で! お湯につかる動作は難易度が高いですが、 生活意欲の向上には欠かせない動作です。 また、入浴動作はさまざまな日常生活動作 (着替え準備→浴室移動→脱衣→洗う→お湯 につかる→着衣)が組み合わさっています。 そのため一連の入浴動作がスムーズになる と、他の生活動作の改善も期待できます! お湯につかるための2つの動作 1.浴槽またぎ 浴槽の底へ足を接地するために、 体をねじる動きが重要です。 2.しゃがみ立ち 臀部を浴槽底に接地する・浮かせる際に、 足を安定させておくことが重要です。 動作改善のためには、浴槽周囲に手すりを取り付ける だけでなく、福祉用具の利用も重要となります。 これらの環境整備により、ご本人にとっては介護への 安心と信頼が生まれ、満足感も高まります。 また、介護者は安全・安楽に行うことができます。 浴槽またぎは、体の向きの変え易さがポイント! ~その1~ 座位またぎは、体を後方へ倒すために、足が届きにくくなります。 ~ 解決案~ ターンテーブル付のイレクタ―式シャワーチェアーの利用 座面回転が体のねじりを助け、体を 後ろへ倒す必要が少なくなり、足が 浴槽底に届くようになります。 参考までに、 防水カーテンは泡の進入を遮断します。 浴槽またぎは、体の向きの変え易さがポイント! ~その2~ 立位またぎは、身体の向きを変える頻度が多くなります。 ~解決案~ 面積の広い入浴用踏み台の利用 写真の製品は320×430mmと 面積が広いです。 台から足を踏み外す危険が少なく、 体の向きを変えやすいです。 しゃがみ立ちは足部の安定性がポイント! お湯の中では体が浮きやすくなりますが、足底を充分に浴槽底 に接地できず、踏み留まりにくくなります。 ~解決案その1~ 大腿部サポート式入浴用介助ベルトの利用 座位で装着OK 腰部の誘導に連動して、 大腿ベルト面が足の 不安定さをサポート するため、踏み留まり が容易になります。 しゃがみ立ちは足部の安定性がポイント! ~解決案その2~ 握り手付き入浴用腰かけの利用 握り手をもって腰をおこすこと ができます。 重心を足部へ移動しやすくなり、 足部が安定します。 お湯につかるための その他の福祉用具の紹介① <浴槽手すり> 立位またぎが容易になります。 浴槽縁に固定して使用します。 で 最近は、浴槽形状が曲線でも フィットするものがあります。 お湯につかるための その他の福祉用具の紹介② <バスボード> 座位またぎが容易に なります。 左右の浴槽縁に渡して固定します。 表面加工の状態により、接触する皮膚の抵抗感が異なります。 入浴での試用は難しいので、着衣のまま試してみて、臀部を ずらす時に安心感のあるものを選びましょう。 お湯につかるための その他の福祉用具の紹介③ <浴槽リフト類> 座面は浴槽の底 まで下がります。 肩までお湯に つかれます。 座れない場合は、臀部が痛く ならないよう、シートの選定 に注意しましょう。 お湯につかるための その他の福祉用具の紹介④ <シャワーチェアー> 写真のものは、 肘かけ部分が S字状になっ ています。 体を前に傾けずに、 背中が洗えるので、 転倒の心配が減り ます。 この部分から 介助者の手を 入れて、背中 を洗うことが できます。 洗い動作を安全安楽 にすることで、お湯 につかる動作を行う ための余裕が生まれ ます。 ということで、家庭のお風呂に入ってみましょう! 快適! また入りたい! 安全・安楽! また入れてあげたい!
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