第2回TRIZシンポジウム ポスター発表 2006年 8月31日~ 9月2日 パナヒルズ大阪 (大阪府吹田市) 学生による学生のためのTRIZホームページ 『学生による学生のための TRIZホームページ』 ~身近な問題解決で学ぶTRIZ/USITの理解~ ○肥田 真幸、大森 瑞生、下田 翼、林 尚也、中川 徹 大阪学院大学 情報学部 (中川徹ゼミナール 2006年3月 卒業研究成果) 発表者: 肥田 真幸 (和歌山県立日高高等学校非常勤講師) 1. 『学生による学生のための TRIZホームページ』を作成 2006. 3.18 公開 2. 私たちがTRIZ/USITを学んで感じたこと ~卒業を前にした話し合いの記録~ 3. 卒業研究での適用事例 (1) 裁縫で、短くなった糸を止める方法 (2) 書店で万引きを防ぐ方法 (3) スムーズに乗り降りできる電車 2 ニーズと印象 学生のためのホームページの必要性 (1) 問題解決の多くの経験 TRIZ/USITの 深い知識・関心・理解 難しい用語・表現の知識 必要な情報を得られる。 更に理解を深められる。 研究者・技術者 閲 覧 必 要 な 情 報 既存の研究者・技術者による ホームページ・書き物 3 学生のためのホームページの必要性 (2) 一般の人・学生たち TRIZの初心者 閲 覧 知 り た い 情 報 ニーズと印象 問題解決に解決策生成の 意識を持たない TRIZの知識が浅い(ない場合も) 難しい用語や表現が分からない TRIZがどんなものか分からない とっつきにくいなぁ・・・。 TRIZって難しい。 TRIZがどんなものか分からない。 既存の研究者・技術者による ホームページ・書き物 4 ニーズと印象 学生のためのホームページの必要性 (3) 初めてTRIZに触れた 人にも、分かるもの 一般の人・学生たち TRIZの初心者 ・難しくないと安心 研究者・技術者 ・初心者の興味を引く 閲 覧 必 要 な 情 報 興 味 や 関 心 ・TRIZが 「どのようなものか」 を知ってもらう 閲 覧 既 捉存 えと 方違 っ た 学生による 学生のための ホームページ 5 学生による学生のためのTRIZホームページ ・TRIZについて TRIZの歴史や技法(一部)の紹介 ・TRIZを学び、何を得たか? ~卒業の直前での学生たちの話し合い~ 2006年 2月 1日に 話し合い、記録、掲載した ・私たちのTRIZ適用事例 ~身近な問題を TRIZ/USITで考え、 解決する~ 6 TRIZを学び感じたこと ・ 最初から、関心があったのではない。 何も知らないまま (シラバスの情報程度) 、学び始めた。 ・ 問題解決を実践的に経験していくことで、 少しずつTRIZに惹かれてきた。 ・TRIZ的思考: 普段の生活の中でも、問題にぶつかったときに、 分析して、解決策を考えるようになった。 ・自信: アイデアを出すのが苦手だったが、自然に身につき、 自分にも「新しいものを考える」ことができるんだと感じた。 ・事前の印象: TRIZについて初めに持った印象と違った。 もっとよいものであった。 7 ・協力して考える: 自分ひとりで考えるよりも、 卒業研究の仲間と協力することで、 新しい発見・発想があり、 ずっとよい解決策ができることを感じた。 ・無意識を意識的に: 普段は意識していなかったような、 分析のやり方や考える方法を意識してやることが、面白い。 ・斬新な考え方: TRIZが発明を科学しており、 考える方法を体系化していることが面白い。 8 ・分析すること: 問題をさまざまな角度から 分析すると、解決策が見えてくる。 空間や時間の分析など、以前は意識的に考えなかった。 問題解決にはうまく分析することが大事だと気づいた。 ・発想が豊かに: ふっとアイデアが浮かぶことがある。 いくつもの問題解決に触れることで、 その経験が次の問題の解決策を導き出してくれる。 ・悔しい思い: うまく○○する方法などの情報・番組を見ると、 「TRIZを使えば自分でも考え出せたのでは!?」と感じる。 何を問題として捉えるかが大事だ。 9 ・実感: 身近な問題解決を実践していく中で、 力がついてきたことを実感できた。 ・金の卵: バカらしいと思うようなアイデアや理想のイメージを、 自分でも、チームでも大事にして温めることが、 「金の卵」として生かすことだと知った TRIZ/USITを使って身近な問題解決を実践し、 身近にTRIZを感じることで、 「TRIZ」の持つ「LIFE STYLE的影響」を受け、 それを興味・関心と感じている。 10 大学などの場でTRIZを学ぶ有利さと限界 有利さ: 限界: 時間がある。 興味や関心をあおり、 「難しい」という印象を取り除くことで、 TRIZの基本を習得することは可能。 たくさんの問題事例にチャレンジできるが、 それを実際に製作したり、試したりすることが 技術的・実際的に不可能なことが多い。 (特に、情報学部では工作設備がない) 11 適用例① TRIZ/USITの適用事例 卒業研究① 裁縫で、短くなった糸を止める方法 (下田 翼) 問題: 裁縫をする際、ついつい、糸の長さを考えず、縫いすぎて、 玉留めできない状態になってしまう。 短くなってしまった糸を止める良い方法はないか。 裁縫の工程を考える 工程を逆上った解決策がある (時間の特性の利用) 根本原因 + 当たり前と思っている制約 糸の余長が 針より短い。 一つ一つの制約を乗り越えると 解決策になる。 12 時間的分析や、空間的分析を行い、 それをもとに数多くのアイデア(解決案)を出した。 適用例① 荒唐無稽なアイデア 既知の技 改良 理想のイメージ 玉止め専用の針 改良 ストローの小道具 13 適用例② TRIZ/USITの適用事例 卒業研究② スムーズに乗り降りできる電車 (大森瑞生) 問題: 混みあった電車で、車両中程は人が少なくて、 扉近くに人が集まり、乗り降りが混雑することが多い。 改善の策はないか。 キーワードは 「流れ」 JRロケ。流れがあることが分かる 14 適用例② 解決案: 乗り降りの流れを分けて、一方向にする ・・・ 乗り専用扉・降り専用扉にする。 乗り降り口の開扉を 時間的にずらせる 模式図: 15 TRIZ/USITの適用事例 卒業研究③ 書店で万引きを防ぐ方法 適用例③ (林 尚也) 問題: アルバイトをしていた小規模書店では、 万引きによる被害で、売上の利益が帳消しになるほど。 来 店 ③様子見 犯人の行動 ④見つから ない態勢 ⑤ ⑥ 実 現 行 場 を 離 れ る 本をいろいろ見る X 様子見 ⑦ レ ジ を 抜 け る X X レ ジ で の 注 意 出 た 取瞬 り間 押の さ え 店員の行動 万引き犯の取り押さえに 要求される行動 犯 行 の の瞬 目間 視 ⑧ 店 舗 出 口 を 出 る 16 問題の中核にある困難 (根本矛盾): 適用例③ (1) 犯人の行動の「3つの瞬間」⑤⑦⑧のすべてを店員が視認し、 逃走する現場⑧で取り押さえる必要がある。 (2) 「3つの瞬間」の時機も場所も犯人が随意に選択できる。 (3) 「3つの瞬間」を押さえない限り、相手を「客」として遇する必要。 解決案: バックを使えなくする。 カバン a) バックを、指定のバックの中に入れる。 チャックつきや、鍵付きなど。 b) バックの口をシートで防ぐ。 開けると音が鳴るなどの仕掛け付き。 c) バックの取っ手をくくりつけるような形で、 バックの開く大きさを規制する。 開封検知テープや、 自転車のワイヤー鍵のようなもの ネット d) ネット形状のものを上からカバンにかけ、 口の部分を下で絞る。 17 『学生による学生のためのTRIZホームページ』 http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/TRIZ-st/index.htm 下田 翼、 大森 瑞生、 林 尚也、 肥田 真幸 大阪学院大学 情報学部 中川徹ゼミナール2006年 3月卒業 卒業研究 (卒業式の日に) 18
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