7・文化を持つヒト 2012.06.08. 青山・文化人類学/文化人類学A 7・文化を持つヒト 2012/06/08 - [2] 文化の普遍性・多様性と人類 多様性をもたらすのは、人類の第一の特徴といえる創造 力と好奇心 環境という制約条件を緩和するために、本来人間は、どんなこと でも考えつくことができる 創造力・好奇心の淵源は、脳と手の発達 共通性・普遍性をもたらすのは、人類の第二の特徴とい えるコミュニティ(共同体)形成指向 コミュニティ維持のためにつくられるルールが、ある程度まで人 間の社会の共通性をもたらす コミュニティ維持のためのルール作りに大きな役割を果たすの が、言語と家族(第一次的な居住集団) 7・文化を持つヒト 2012/06/08 - [3] 文化と環境 もともと人は環境に適応するために文化を創り出した が、その創り出した文化自体が、人にとって新たな環境 となっていった どんな動物でも(植物も含め)それなりに環境に適応する能力は 持っている。が、環境を「創り出す」能力を持っているのは、ひ とだけが持つ特徴 自分たちで創り出した「文化」という新たな環境に適応するため に、ひとの生態は著しく急速に変化を遂げた このことが、ひとの「進化」を、他の動物の進化と同列には考え にくくしている:「進化」という生物学的な生体構造の変化と、 「文化」に適応するひとの行動パターンの変化(「進歩」?) は、本来は同一視できない 7・文化を持つヒト 2012/06/08 - [4] 文化・人間・社会 社会のなかで既に共有されている「文化」を、生まれた ての赤ん坊=人間は「学習」していく 社会 文化 人間 一方で、「文化」を身につけた人間は、自分の中で新た なものを創りだし、それを社会に還元し「新たな文化が 共有」されていく 社会 文化 人間 7・文化を持つヒト 先史年代表 2012/06/08 - [5] 7・文化を持つヒト 2012/06/08 - [6] 「文化」の登場 なにをもって「文化」とするか 「文化的差異」の萌芽 言語? ……言語自体の登場は250~200万年前 石器? ……人工的な石器の登場は250万年前 いずれも大事なトピックではあるが、現在の地球上に多様に広が る豊かで複雑な「文化」のイメージからは少し遠い 6-8万年前のネアンデルターレンシスによる「埋葬」と「障碍者 への援助」(シャニダール遺跡、ただし異論もあり) 社会集団の構成・維持と結びついた「文化」の登場 前回資料映像:複雑な「言語」の登場 骨格構造が有利に働いて、サピエンスはネアンデルターレンシス よりも、複雑な言語を操ることができるようになった →世界全 域に分布が拡大する わたしたちがイメージする「文化」の誕生(文化的差異の誕生) 7・文化を持つヒト 2012/06/08 - [7] サピエンスの拡大 上:更新世 約50000年前 下:後氷期 約1000年前 7・文化を持つヒト サピエンスにおける人種の近縁関係 2012/06/08 - [8] 7・文化を持つヒト モンゴロイドの拡散 2012/06/08 - [9] 7・文化を持つヒト 2012/06/08 - [10] 寒冷適応と海洋進出 シベリア(約30000~40000年前)からベーリング海峡をわ たって(約15000年前)、北アメリカ(約12000年前)・南アメ リカ(約11000年前)・グリーンランド(約3000年前)へ、ま た、東南アジアから太平洋の島嶼部(約5000~1000年前)へ とわたっていったのは、モンゴロイドである モンゴロイドが、人類の分布拡大史上に果たしたおそら くもっとも大きな功績は、「寒冷適応」と「海洋進出」 である 「寒冷適応」によりシベリアから(当時地続きの)ベー リング海峡経由で南北アメリカ大陸への進出が可能とな り、また「海洋進出」によりアジア海洋部~オセアニア への進出が可能となった 7・文化を持つヒト 2012/06/08 - [11] ここまでのまとめ 約25万年前: ネアンデルターレンシスの登場 約20万年前: サピエンスの登場 6-8万年前:ネアンデルターレンシスによる埋葬と障害 者への援助=文化的差異の登場 6万年前:サピエンスの拡大=言語の複雑化と文化的環 境適応 4~1.5万年前:モンゴロイドの拡散(1)……寒冷適応 3万年前: ネアンデルターレンシスの絶滅 1~0.1万年前:モンゴロイドの拡散(2)……海洋進出 7000~8000年前:文明の登場=有史への突入
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