8・文化を持つヒト

8・文化を持つヒト
2012.06.13. 成蹊教養・文化人類学の考え方
8・文化を持つヒト
2012/06/13 - [2]
文化の普遍性・多様性と人類
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多様性をもたらすのは、人類の第一の特徴といえる創造
力と好奇心
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環境という制約条件を緩和するために、本来人間は、どんなこと
でも考えつくことができる
創造力・好奇心の淵源は、脳と手の発達
共通性・普遍性をもたらすのは、人類の第二の特徴とい
えるコミュニティ(共同体)形成指向
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コミュニティ維持のためにつくられるルールが、ある程度まで人
間の社会の共通性をもたらす
コミュニティ維持のためのルール作りに大きな役割を果たすのが、
言語と家族(第一次的な居住集団)
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2012/06/13 - [3]
文化と環境
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もともと人は環境に適応するために文化を創り出した
が、その創り出した文化自体が、人にとって新たな環境
となっていった
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どんな動物でも(植物も含め)それなりに環境に適応する能力は
持っている。が、環境を「創り出す」能力を持っているのは、ひ
とだけが持つ特徴
自分たちで創り出した「文化」という新たな環境に適応するため
に、ひとの生態は著しく急速に変化を遂げた
このことが、ひとの「進化」を、他の動物の進化と同列には考え
にくくしている:「進化」という生物学的な生体構造の変化と、
「文化」に適応するひとの行動パターンの変化(「進歩」?)
は、本来は同一視できない
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文化・人間・社会
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社会のなかで既に共有されている「文化」を、生まれた
ての赤ん坊=人間は「学習」していく
社会
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文化
人間
一方で、「文化」を身につけた人間は、自分の中で新た
なものを創りだし、それを社会に還元し「新たな文化が
共有」されていく
社会
文化
人間
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映像資料による確認
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NHKスペシャル「シリーズ地球大進化 46億年・人類へ
の旅 第6集・ヒト 果てしない冒険者」(2005年)
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46億年の地球の歴史の末に登場してくる「人類」とは何者なのか
映像中にさまざまな時間が表示されるが、その単位を
「年」から「円」に置き換えながら見ると、歴史のス
ケールが理解できる
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46億年前 → 46億円
2億年前 → 2億円
700万年前 → 700万円
30万年前 → 30万円
3万年前 → 3万円
など
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先史年代表
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「文化」の登場
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なにをもって「文化」とするか
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「文化的差異」の萌芽
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言語? ……言語自体の登場は250~200万年前
石器? ……人工的な石器の登場は250万年前
いずれも大事なトピックではあるが、現在の地球上に多様に広が
る豊かで複雑な「文化」のイメージからは少し遠い
6-8万年前のネアンデルターレンシスによる「埋葬」と「障碍者
への援助」(シャニダール遺跡、ただし異論もあり)
社会集団の構成・維持と結びついた「文化」の登場
前回資料映像:複雑な「言語」の登場
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骨格構造が有利に働いて、サピエンスはネアンデルターレンシス
よりも、複雑な言語を操ることができるようになった →世界全
域に分布が拡大する
わたしたちがイメージする「文化」の誕生(文化的差異の誕生)
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サピエンスの拡大
上:更新世
約50000年前
下:後氷期
約1000年前
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サピエンスにおける人種の近縁関係
2012/06/13 - [9]
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モンゴロイドの拡散
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2012/06/13 - [11]
寒冷適応と海洋進出
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シベリア(約30000~40000年前)からベーリング海峡をわた
って(約15000年前)、北アメリカ(約12000年前)・南アメリ
カ(約11000年前)・グリーンランド(約3000年前)へ、また、
東南アジアから太平洋の島嶼部(約5000~1000年前)へとわ
たっていったのは、モンゴロイドである
モンゴロイドが、人類の分布拡大史上に果たしたおそら
くもっとも大きな功績は、「寒冷適応」と「海洋進出」
である
「寒冷適応」によりシベリアから(当時地続きの)ベー
リング海峡経由で南北アメリカ大陸への進出が可能とな
り、また「海洋進出」によりアジア海洋部~オセアニア
への進出が可能となった
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ここまでのまとめ
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約25万年前: ネアンデルターレンシスの登場
約20万年前: サピエンスの登場
6-8万年前:ネアンデルターレンシスによる埋葬と障害
者への援助=文化的差異の登場
6万年前:サピエンスの拡大=言語の複雑化と文化的環
境適応
4~1.5万年前:モンゴロイドの拡散(1)……寒冷適応
3万年前: ネアンデルターレンシスの絶滅
1~0.1万年前:モンゴロイドの拡散(2)……海洋進出
7000~8000年前:文明の登場=有史への突入