2006. 10.31 Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng. Keiichi MIYAJIMA 偏微分と全微分 偏微分とは? 例えば f y (a, b) ならば z f ( x, y ) この接線の傾き: f y (a, b) y f ( a, b) b 0 a x 偏微分の定義(i) (p.119) (i) (a, b) D とする。 極限 f ( x, b ) f ( a , b ) lim x a xa が存在するとき、f ( x, y )は (a, b) において x に関 して偏微分可能であるという。 この極限を f ( x, y )の (a, b) における x に関する 偏微分係数とよび f f x (a, b) または ( a, b) x 偏微分の定義(ii) (p.119) (ii) f ( x, y ) が D のすべての点において x に関 して偏微分可能であるとき、f ( x, y )は D にお いて x に関して偏微分可能であるという。 x このとき、領域 D の各点 (a, b) に f x ( x, y )を対 応させることで D で定義された関数が得られ る。この関数を f ( x, y )の x に関する偏導関数 と呼び、 f f x ( x, y ) または ( x, y ) x 偏微分の定義(ii) (p.119) (ii) x に関する偏導関数を求めることを、 x に関 して偏微分するという。 偏導関数の定義式 f ( x h, y ) f ( x, y ) f x ( x, y ) lim h 0 h (iii) y に関しても全く同様なので省略 偏微分の図形的意味 z f ( x, y ) この接線の傾き: f y (a, b) y 接線の傾き: f x (a, b) f ( a, b) b 0 a x 例6.2 (p.121) f ( x, y) x 2 xy 3x 4 y を x および y に関して 偏微分せよ。 3 2 f x ( x, y) 3x 2 y 3 2 2 f y ( x, y) 4 xy 4 全微分 (p.123) f ( x, y ) が (a, b) で全微分可能とは、実数A,B が存在して、 f ( x, y) f (a, b) A( x a) B( y b) ( x, y; a, b) とおくとき、 lim ( x , y ) ( a ,b ) ( x, y; a , b ) ( x a ) ( y b) が成り立つこと。 2 2 0 全微分 (p.123) f ( x, y) f (a, b) A( x a) B( y b) ( x, y; a, b) y b とおくと、 f ( x, b) f (a, b) A( x a) ( x, b; a, b) ここで、両辺を x a で割る f ( x, b ) f ( a , b ) ( x, b; a, b) A A xa xa ここで x a と言う極限をとると lim ( x , y ) ( a ,b ) ( x, y; a , b ) ( x a ) ( y b) 2 2 0 より 全微分 (p.123) つまり f ( x, y) f (a, b) A( x a) B( y b) ( x, y; a, b) の A は f x (a, b)で表される B についても同様なので省略。 定理6.3 (p.123) 全微分可能 各変数に関して偏微分可能 定理6.4 (p.123) 領域 D で f ( x, y )が x および y に関して偏 微分可能で、偏導関数が f x ( x, y ), f y ( x, y ) が D 上連続ならば、f ( x, y ) は D で全微分 可能 定理6.4 (p.123) 領域 D で f ( x, y )が x および y に関して偏 微分可能で、偏導関数が f x ( x, y ), f y ( x, y ) が D 上連続ならば、f ( x, y ) は D で全微分 可能 各変数に関して偏微分可能 全微分可能 C 級 1 C 級 1 全微分の具体的な計算法 2変数関数 f ( x, y ) の (a, b) での全微分とは df f x (a, b)dx f y (a, b)dy と書く。 これは df dy f x ( a, b) f y ( a, b) dx dx df dx f x ( a, b) f y ( a, b) dy dy 両辺をdxで 割った形 両辺をdyで 割った形 と変形できる 例題 f ( x, y) x 2 y 2 の点 (1,1) における全微分を求め なさい。 解答例: f x (1,1) 2, f y (1,1) 2 より 全微分 df は df 2 dx (2) dy 2dx 2dy 合成関数の微分 多変数関数における合成関数の微分とは? 例1: x(t ), y (t )のとき f ( x(t ), y (t )) の微分はどうなるか? df f dx f dy dt x dt y dt として、計算する。 (この式は後日、Taylor展開の時に使用する) 合成関数の微分 多変数関数における合成関数の微分とは? 例2: x( s, t ), y ( s, t ) のとき f ( x( s, t ), y( s, t )) の微分は? f f x f y s x s y s f f x f y t x t y t として、計算する。 (この式は後日、重積分のヤコビアンと関連する) 接平面 高校の時までの復習 y f (x) 接線の方程式 y f (a) f (a)( x a) f (a)( x a) (1) ( y f (a)) 0 f (a) 0 a x 接平面 高校の時までの復習 y f (x) f (a)( x a) (1) ( y f (a)) 0 f (a) 0 f (a ) 法ベクトル 1 a x 接平面 z f ( x, y ) この接線の傾き: f y (a, b) y 接線の傾き: f x (a, b) f ( a, b) b 0 a 接平面 x 接平面 (定理6.6) 接平面を求める式は? 接線を求める式が f (a)( x a) (1) ( y f (a)) 0 だったのだから、これを拡張して・・・ f x (a, b)( x a) f y (a, b)( y b) (1) ( z f (a, b)) 0 f x ( a, b) 法ベクトル f y (a, b) 1 接平面と全微分の関係 f x (a, b)( x a) f y (a, b)( y b) (1) ( z f (a, b)) 0 f x (a, b)( x a) f y (a, b)( y b) z f (a, b) x aと y b をそれぞれ dx, dy とおくと 全微分と同じ形になる。 本日の課題 2変数関数 f ( x, y) ln( 1 x 2 y 2 ) について (1) 点 (2,1) における f の全微分を求めなさい。 (2) 点 (2,1, ln 6) における f ( x, y ) の接平面の方程 式を求めなさい。
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