3章 確率変数とその分布 3.1 離散確率変数と確率関数 ■確率変数(Random Variable) 定義 標本空間において 事象が数で表される時、 その値を表す変数を 「確率変数」という。 例1 コイン投げ: 表⇒ 1、 裏⇒ 0 確率変数 x : P( x = 1 ) = 1/2, P( x = 0 ) = 1/2 2個のサイコロ投げの標本空間 例2 (根元事象の確率はすべて1/36) 2つのサイコロを 事象: {目の和 = x} (x = 2, 3, …, 12) (1,6) (2,6) (3,6) (4,6) (5,6) (6,6) 目の和 投げて、 サ (1,5) (2,5) (3,5) (4,5) (5,5) (6,5) 12 イ (1,4) (2,4) (3,4) (4,4) (5,4) (6,4) 11 コ 出た目の和 (1,3) (2,3) (3,3) (4,3) (5,3) (6,3) 10 確率変数 x: P( x) 6 7 x 36 ロ 2 (1,2) (2,2) (3,2) (4,2) (5,2) (6,2) (1,1) (2,1) (3,1) (4,1) (5,1) (6,1) サイコロ1 ( x 2,3, ,12) 9 8 7 6 5 4 3 2 ■確率関数 (Probability Function) 確率関数 p(x) 確率変数 x の確率値を表す関数 (定義されていない x の値: p(x) = 0 ) 2つのサイコロの目の和 p (x ) 確率 0.20 6/36 5/36 0.15 5/36 4/36 4/36 3/36 0.10 3/36 2/36 0.05 2/36 1/36 1/36 0.00 2 3 4 5 6 7 目の和 8 x 9 10 11 12 ■累積確率分布関数 (Cumulative Probability Distribution Function) j 累積確率分布関数: (「分布関数」と略される) F ( x ) PX ≦ x p( xi ) i 1 ただし j は xj ≦ x となる最大の添え字。 2つのサイコロの目の和 F(x) 累積確率 33/36 1.00 35/36 36/36 30/36 26/36 0.75 21/36 15/36 0.50 10/36 6/36 0.25 1/36 3/36 0.00 1 2 3 4 5 6 7 目の和 8 x 9 10 11 12 13 3.2 連続型確率変数と密度関数 1. ある区間に実数は無限に存在する。 各値を取る確率がすべて正なら、 確率の合計は無限大。 2. 「特定の値を取る確率はゼロ」とし、 「区間」に対してのみ正の確率を考える。 3. 連続確率変数の確率法則: 累積確率分布関数(略して分布関数) によって定義。 コンピュータ シミュレーション 区間 [0, 1] の実数を ランダムに発生する。 ←結果を階級区分して 集計する。 縦軸:標本密度 =相対度数/級幅 ←累積相対度数 のグラフ ■分布関数 (Distribution Function) 確率変数 X が 任意の実数 x より小さいか等しい確率。 F ( x ) P{ X ≦ x} 分布関数: (連続変数では右辺の等号の 有無は無関係) ■密度関数 (Density Function) 確率密度関数: (「密度関数」と略される) d f ( x) F ( x) dx P x X ≦ x x F ( x x ) F ( x ) f ( x )x F ( x) x f (t )dt 例 区間 [0,1] の一様分布: F ( x) x, f ( x) 1 (0 ≦ x ≦1) d d F ( x) x 1 f ( x ) (0 ≦ x ≦ 1) dx dx x 0 x f (t )dt 1 dt [t ] x 0 x F ( x ) x 0 0 分布関数 F(x ) = x F(x ) 累積確率 (実数区間 [0,1] の一様分布) 数 1.00 密度関数 f (x ) = 1 f(x ) 確率密度 (実数区間 [0,1] の一様分布) 1.5 0.75 1.0 0.50 0.5 0.25 x 0.00 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 x 0.0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 例 区間 [0,1] の右上り三角分布: F ( x) x , f ( x) 2 x (0 ≦ x ≦1) 2 d d 2 F ( x) x 2 x f ( x ) (0 ≦ x ≦ 1) dx dx x 0 x f (t )dt 2t dt [t 2 ]0x x 2 0 x 2 F ( x ) 0 分布関数 F(x ) = x F(x ) 累積確率 (実数区間 [0,1] の右上り三角分布) 1.00 数 密度関数 f (x ) = 2x f(x ) 確率密度 (実数区間 [0,1] の右上り三角分布) 2.0 0.75 1.5 0.50 1.0 0.25 0.5 2 x 0.00 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 x 0.0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 例 区間 [0,1] の山形二次曲線分布: F ( x) 3 x 2 x , f ( x) 6 x(1 x) (0 ≦ x ≦1) 2 3 d d F ( x) (3 x 2 2 x 3 ) 3(2 x ) 2(3 x 2 ) 6 x (1 x ) f ( x ) dx dx x 0 x f (t )dt 6t (1 t ) dt [3t 2 ]0x [2t 3 ]0x 3 x 2 2 x 3 F ( x ) 0 密度関数 f (x ) = 6x (1 -- x ) f(x ) 確率密度 (実数区間 [0,1] の二次曲線分布) 1.5 2 3 F(x ) 累積確率 分布関数 F(x ) = 3x - 2x (実数区間 [0,1] の二次曲線分布) 1.00 数 0.75 1.0 0.50 0.5 0.25 x 0.00 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 x 0.0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
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