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(質問)
体軸分解能を評価するための「SSPの測定」
「SSPのフーリエ変換によるMTFの求め方」
について具体的に説明してください。
(質問)
1.SSPの正規化やフーリエ変換を行うときの
ベース部の処理の仕方は?
(マイナスの値の取扱い、正規化の方法 等)
2.SSPのフーリエ変換の方法を具体的に説明を!!
3.その他、測定やデータ処理において注意すべき点は?
4.発泡スチロールで試作したビーズファントムの問題点は?
・自作ファントム
発砲スチロールとボールペン先の0.5mm球によるビーズファントム
質問者
解答者
国立佐賀病院
原本 孝子
名古屋市立大学病院 市川 勝弘
スライス厚の概念
10mm
Z方向
2mm
薄いものでも、スライス厚の厚さに見える
=スライス厚が厚いと実際の厚さが分からない
=スライス厚がうすいとうすいものがちゃんとうすく
表現される
∴薄いスライス厚のが、忠実に近い。
スライス厚の概念
Z方向
Z方向
スライス厚のスムーズフィルタがかけられる
体軸方向だけを
ぼかした画像
こんな被写体をとってるのと同じ
焦点
コンベンショナルCT画像の断面感度分布(SSP)
コリメータ
スライス厚
(半値幅)
h
コリメータ
h/2
z
断面感度分布
検出器
SSP
Z方向
焦点と2個所のコリメータによってSSP
が決められる。
ほぼ矩形なので、半値幅で代表できる
補間の重み付け係数分布
=寝台移動関数
D
重み付け係数を掛
けて、それぞれを加算
(重畳積分)
z
z
180度補間法:D = 寝台移動距離
360度補間法:D = 寝台移動距離×2
螺旋スキャンのSSP
従来方式スキャン
のSSP
z
コンベンシャナルのSSPと螺旋スキャンのSSPの関係:密接に関係している。
z
ビーズは球形で、どの方向からみても
大きさが同じ。CTはビームの広がりがあるので
やはり球形が望ましい。
鉛ビーズファントム
アクリル円柱
鉛ビーズ
(直径0.1~0.5mm)
鉛ビーズ(又は、それ以上の吸収値の物質)
直径0.1mm~0.5mm
直径はビーム幅の1/20~1/10が望ましい。
1/10の場合で、5%程度の誤差となる。
市販ファントム:旭計測社製ビーズ径0.2mmと0.5mm
体軸方向分解能測定ファントム
支持台は、コンベンショナルのSSP測定用に
微動機構付(0.05mm間隔で微動可能)
(写真はコインファントムが装着されている)
(製作協力:旭計測)
鉛ビーズファントム
をスキャン
Z方向
画像再構成
再構成間隔:ビーム幅の1/10~1/20
FOV:30~50mm
相対値
1.0
0.5
0.0
ビーズの像の周りにROIを設定し、
ROI内平均CT値を測定
0
5
10
15
体軸方向位置 (mm)
20
横軸に寝台位置、縦軸にCT値の相対値をプロット
ビーズでなぜ分解能が測れるか
ビーズファントム
の体軸方向分布
入力
1.0
多くの信号成分を
一様に含んだ入力
体軸方向
周波数(cy/mm)
SSPによって
ボケて(広がって)
観測される
体軸方向
1.0
出力
どの信号成分が
どれだけ減ったか分かる
周波数(cy/mm)
CTにおける体軸方向における入力と出力の関係
・自作ファントム
発砲スチロールとボールペン先によるビーズファントム
空気付近のCT値直線性は、若干問題があるのでできれば、
水中か、その付近のCT値の物質の中に固定する。
ボールペン先は吸収値が低いので、できれば鉛かそれ以上
の吸収値の物質を用いる。(SNの確保、理論的忠実性)
・データ処理の方法、フーリエ変換計算処理
SSPの正規化:裾野をゼロ、ピークを1にする。
フーリエ変換:表計算ソフトの利用
体軸方向MTFの計算の例(エクセルを利用)
ビーム幅5mmを対象とし、その1/20の0.25mmのデータ間隔で
40点のデータを得た。
・裾野のCT値を全体から引いて、裾野がゼロになるよにする。
・データ点が40点なので64点にするため、約12点ずつ左右に
ゼロを埋める。(ゼロの埋め方は不均等でもよい)
・フーリエ変換して、IMABS関数で絶対値にする。
・はじめの値で、全体を割ると正規化され、周波数ゼロがMTF=1
となる。
・周波数間隔は1/(0.25X64)=0.0625となる。
はじめが周波数0、2番目は0.0625cycles/mm、次は0.125となる。
よって0.0625X32=2cycles/mmまで値が得られる。
・1/ビーム幅の周波数付近でMTFは低値になるので5mmの場合
は、1/5=0.2となり、その倍までとるとすると0.4/0.0625=6.4で
はじめの7点をとればよいことになる。(それ以降はあまり意味ない)